Pitts S-2B 練習記
Paso Roblesへの道 1
California州Paso Roblesで開催される、Northern California Regional Aerobatic Contestまであと2ヶ月を切りました。このChapter 38主催の競技会は、西海岸で行われるChapter (支部) 主催の競技会の中では最も大きなもので、参加者はCalifornia州内はもちろん、Arizona、Oregonからもやってきます。参加者も多く、いろいろな飛行機が集まり、見ているだけでも楽しい競技会です。ある程度の技量が付いた今、自分の技量を試す場所として、このPaso RoblesのCompetitionはよい舞台でしょう。

Bellanca 7ECA Citabria
Competitionは難易度によって5つのCategoryに分かれています。難易度の低いものから、Primary、Sportsman、Intermediate、Advanced、そして頂点のUnlimitedです。これらの難易度の目安として、Sportsmanは115HPのCitabriaで、Intermediateは150HPのDecathlonで、そしてUnlimitedは200HPのPitts S-2Aで飛行が可能であること、とされています。年を経てもPrimaryからIntermediateまでの難易度に特に変化はありません。しかし、Extra 300やZivko Edge 540など高性能の単翼曲技飛行機の登場によって、近年のUnlimited CategoryはPitts S-2Aはもとより、260HPのEngineを装備する新型S-2Cでも上位に入ることは不可能なほどに難易度が増しています。

Extra 300L
今回私が参加するのは下から二つ目のSportsmanです。115HPのCitabriaで飛行が可能なCategoryに260HPのPitts S-2Bで参加するなど、乗用車を相手にFormula 1のRace Carで挑むようなものと思う方もいるかもしれません。実際のところ、Judge (審判) が見ているのはLoop (宙返り) の円の正確さや、45度、90度など飛行機の角度の正確さ、技の美しさ等なので、高性能の飛行機に乗って自動的に点がもらえるということではありません。Pittsは飛行速度が速いため、演技の途中で定められたAerobatic Box (競技中に飛行する空域) を飛び出してしまう可能性や、高い運動性能に振り回されてしまうことも考えられます。前述のFormula 1も、もし駐車場で行われるジムカーナという競技を走ったら、その性能を持て余してしまうでしょうし。要は自分が好きな飛行機で参加すればよいということです。

Pitts Special S-2B
ProgramにはKnown (事前に知らされていて、同じProgramがその年の全ての競技会で使用される) 、Unknown (飛行開始18時間以上前までに初めて知らされる、その大会独自のProgram) と、Freestyle (自由演技: 参加者それぞれの独自のProgramで、参加者が大会前に作成して提出し、開催者から容認されることが必要) とがあります。Sportsmanでは通常2回の飛行が与えられ、Knownを2回飛ぶか、またはKnownとFreestyleを一回ずつ飛ぶかで選ぶことができます。UnknownはIntermediate以上のCategoryで、4-Minute Freestyle (それまでの競技からは独立され、4分間に出来るだけ近く終るように自由演技を行う。4分よりも早く終ったり、超えてしまっても減点対象になる。競技会の最後を飾る花形的なProgram) はUnknown Categoryのみで行われます。今回は、私はKnownを二回飛ぶ予定でいます。初めてのことですから、冒険的なことは避けようと考えています。
Pitts S-2B 練習記 Paso Roblesへの道 2
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