Happiness Is Delano
Regional Aerobatic Contest 2004 1
9月3日 Delanoへ離陸
前回のPaso Roblesの競技会は木曜日から土曜日にかけての日程だったので、移動日も含めて3日間の休暇が必要でした。でも今回のDelanoの競技会は、金曜日から日曜日、そして月曜日はLabor Day (労働者の日) で祭日なので、取るべき休暇が一日だけで気楽に参加できます。この競技会にPitts S-2C、N15TAで参加する人は私一人。持参したい物はいろいろとありますが、飛行機の前席に積める量も限られるので、必要最低限の工具、Engine Oil、生活用品等を選びます。日差しが強いだろうから、操縦席を覆う日よけもあった方がと思いましたが、かさ張るので却下。この辺で諦めて荷物を積み込みます。

Garmin GPS III Pilotを取り付け。使い方が分からず、試行錯誤しています。
7月にAttitude AviationにやってきたPitts S-2Cには、航法用にGarminのGPS III Pilotが付いてきました。普段はAerobatic Flightのみの飛行でGPSなど必要ないので、取り外してありますが、今回は180 Miles離れた競技会会場まで飛行をするので、GPSはとても重宝します。Highway 99号線を辿っても着くことは可能ですが、その場合は直線飛行ではなくなって時間がかかります。また、PittsのMain Fuel Tankはその大きなEngineに比べて24Gal (約91L)、うち使用可能燃料は23Gal (約87L) と小さくて、初めての場所への飛行には不安があります。予定では18Galの燃料で到着するはずですが。今回初めて、上側翼内部の5Galの容量を持つAux (予備) Fuel Tankにも燃料を入れます。これで使用可能な総燃料搭載量は28Gal。10Galの余裕を持っての飛行になりました。
前席に荷物を固定。飛行中にずれて、操縦桿に干渉してしまうと危険なので、何度も確認します。
GPSの使い方がよく分からず、30分ほど試してようやく出発地と到着地の設定ができました。計器盤に搭載されるGarmin GNS530や430は使い勝手がよいですが、このGPS III Pilotはいまいちです。というのも、設定でPageを進めて行くのに、同じところを押していくと元のPageに戻ってしまうのです。飛行中の忙しい状況では不安があります。大きさは手ごろでよいのですが…。運悪く離陸時になって滑走路が混んでしまい、離陸に10分待たされることになりました。低回転なので燃料消費率は低く問題はありませんが、太平洋を越える旅客機の操縦士が離陸待ちをしている気持ちが分かる気がしました。
左: Tracyから南に20Miles。長い滑走路を持つ、閉鎖された元NASAの研究施設。
右: 高度5500ft、速度130Knots。燃料、潤滑油、発電状態も良好。
Livermore空港を離陸、まずは東に向けて飛行をします。以前訓練で世話になったTracy空港上空で南東へ、Delano空港へ一直線に飛行します。北からの風が強いようで、GPSのGround Speed (対地速度) は170Knotsを指しています。Airspeed Indicatorは130Knotsを指しているので (実際の真大気速度は計器の指示速度よりも少し速くなりますが)、単純に考えて約40Knotsの追い風が吹いていることになります。これは大きな助けになります。一時間ほど飛行して、Delano空港に近づき、周波数に合わせると交信が聞こえてきました。GPSの指示する方向に滑走路が見えます。地図と照らし合わせ確認、進入に入ります。地上には色とりどりの飛行機が並んでいます。使用中のRunway 32に着陸、空いている場所に飛行機を停めて、無事に到着。予定通り10Galの燃料を残し、飛行時間は1時間24分。燃料節約の出力設定で飛んだので多少時間がかかりました。今度はもう少し速度を上げて飛んでもいいかもしれません。
左: Delano空港に到着。
右: 早く来た人たちの中には、すでに練習飛行に飛び立つ人もいます。(写真提供: あおしま氏)
周りを見ると、何人かの知り合いが見えます。挨拶をしに行こうとすると、すぐにTechnical Inspectorの人がやってきて、その場で早速飛行機の検査が始まりました。手際のよさに感謝です。Paso Roblesでは検査の係の人を探して、時間が掛かったことを覚えています。その後、Terminal Buildingに入ってRegistrationをして、練習飛行の予約を入れます。もう人がいっぱいで、夕方5時40分からになりました。それまで、空港隣のEl DelfinというMexican料理の店で時間を過ごしました。値段も手ごろで、本格的な料理です。お勧め度 ☆☆☆☆ (自己評価) です。

練習飛行に飛び立つ、友人のあおしまさん。黄色いHelmetが光ります。
前席にはあの、Airshow Pilot、Sean D. Tuckerの息子であるEricさん。
5時30分、時間になり飛行機に乗り込みます。与えられた時間は10分間。上空から、空港東側に存在するはずのAerobatic Boxを探しますが、なかなか見つかりません。あの辺りにあるはず…と探して見つかりました。ここの場合、縦横に走る農道にBoxのMarkingが埋もれてしまい、ついどれがBoxなのか分からなくなってしまいます。10分の練習飛行をしましたが、結局納得の行く飛行は出来ませんでした。現在の自分の位置を確認する、次の動作に必要な距離を考える、それを行いつつ飛行をする…。こういった一連の動作が円滑に行かず残念です。明日の本番には感覚が戻ることを望んで。明日は大会当日だというのに、この夜は久しぶりに会った友人と、夜遅くまで会話を楽しんでしまいました。

上空から見たAerobatic Box。(写真提供: あおしま氏)
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