Happiness Is Delano
Regional Aerobatic Contest 2005 1
9月2日 Delanoへ出発
去年と同様、9月の始めの金土日の予定でDelano空港の競技会が行われることとなりました。去年のDelanoの競技会では他の参加者がおらず、一人で飛行機に乗って行ったため車でここへ行くことは初めてです。現在の住まいのあるLivermoreからDelanoまでの道は580号線に乗って5号線か99号線のどちらかですが、どちらを通っても内陸の厳しい暑さが予測されるので、今朝は朝早くから荷物の積み込みです。少しでも走行時間を短くしたいため最短距離を選んで、その結果580号線から99号線を通ることにしました。初めて走る99号線は途中にある町を抜けるように造られているためか意外に細かい曲線が多く、まっすぐ伸びる道を延々と走る5号線とは少々違った雰囲気でした。走りづらい面もありますが、退屈をしない道であることも確かです。日が大分昇り、顔が熱く感じられるようになったころ、ようやく目的地に到着しました。

Livermoreの東、丘の上に並ぶ風力発電施設。空から見ると小さいけれど、その大きさは相当なものです。
99号線を降りて線路を渡り、Delano空港に到着。去年は私を含めて日本人参加者が4人、参加者の方の奥様もいらして賑やかでしたが、今回は私一人。寂しさを感じつつ空港内に入るとAndrewとN117PSが駐機場に見えます。ほんの数分前に到着したようで、Technical Inspection(参加前に義務付けられた飛行機の検査)を頼み、参加登録を終えます。次に練習飛行の予約を入れますが、すでに夕方まではいっぱいでほとんどが埋まってしまっていました。飛行機の清掃と燃料補給をして、そして食事を取って一休みをすることとします。
左: Technical Inspectionも無事終了。
右: Delano空港のTerminal。競技会に備えて準備中。
練習の時間15分前になり、飛行機に乗り込みEngineを始動します。離陸して上昇を続けながら周りの景色を確認し、使えそうな目標物を探しておきます。北側にはこの東西に伸びる道が使えそうだ、南側はこの池か…、しかし似たような池が2-3あるので不安があり、予備の目標も探しておきます。去年も思いましたが、ここのAerobatic BoxはMarkerが他の競技場よりも小さくて見づらく、Holding Area(次の参加者が上空で待機するよう指定されている場所)にいるとBoxを見逃してしまいそうです。去年は、参加者の一人がBoxを見つけられず外側で全ての演技を行ってしまい、0点となった経緯があります。ここでの練習中、どういうわけかHammer Head Turnの調子が悪く、頂上で何度も左にRollをしてしまうという問題が起きてしまいました。

機体左側、Wing Strutに付けられたSighting Device。その先に紐を取り付けてRudderを蹴る目安にします。
Hammer Head Turnは、垂直に上昇をして、速度が落ちてほぼ0となる頂上でRudderを蹴って180度旋回を行い、次は垂直に降下をするManeuverです。結論を言ってしまうと、本来は速度が0になる少し手前でRudderを蹴る必要があるのですが、蹴ることが遅すぎてPropellerのTorque(回転力)で機体が左にRollをしてしまうということです。翼に取り付けられた紐のゆれ具合、張り具合で減速していく飛行機の速度を計りますが、どうもそれを見る目に狂いがあるようでした。少々不満を残しつつ、練習時間終了です。

7時。そろそろ朝のBriefingです。
9月3日 競技会一日目
昨日の練習飛行の不満を抱え、解決策を考えながら朝を迎えました。空には雲の一つも無く澄み渡り、今日の競技会は穏やかに進行することでしょう。人が少しずつ集まり、朝7時、予定通りにBriefingが開始されました。私の出場するIntermediate Categoryには12人が参加となり、予想外に多くの人が参加することになったようです。しかし、Sportsman Categoryには13人と去年の半分近くの参加者しか集まらず、今年はどこでも小さめの競技会になっているようでした。Cheif Judgeから各Categoryの飛行順序、それぞれのVolunteerの仕事内容が説明されます。参加者が少ないということは、言い換えればJudge等にVolunteerとして手伝える人数にも限りがあり、私のIntermediate Categoryでは通常5人のJudgeが3人で行われるようです。私は去年と同様、Boundary Judgeを行うことになりました。間近に上級者の飛行を見られるので楽しみです。
道路脇の備えられた北東側のBoundary Judge席。疲れたら木陰で休めます。
Briefing後、Boundary Judge席まで送ってもらい、準備が出来ました。去年は南西側の席についた経験があるので、今回は向かい側の北東側の席につくことにしてもらいました。去年受け持った草原の中にある南西席は暑さと風で大変ですが、ここ北東席は畑の中にあり日差しはかなり和らぎます。ただ、Cheif Judge席から3kmほども距離があるので、無線が届きづらく会話にはずいぶんと苦労をさせられました。時折車で走り去る人たちは、私が取り締まりをしていると思っているのか、怪訝そうにゆっくりと通っていました。こんな黒い飛行服ではなくもっと軽装でいるべきだったでしょう。待つこと一時間、ようやく競技が開始されました。Unlimited Categoryの高性能機がAerobatic Boxの隅にいる私めがけて急降下をしてくる様は、何度見ても息を呑む迫力です。その正確な飛行に感動を覚えつつ、競技中のBox境界線の出入りを記録します。

Low Line Checkを行うBob MeyerさんとG-300。少々分かり辛いですが、このように二本の棒を照準にしてBoxの出入りを判断します。
Happiness Is Delano Regional Aerobatic Contest 2005 2
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