Marta Bohn-Meyer Memorial
Regional Aerobatic Contest 2006 1

Martaさん(右)と夫であるBobさん。Martaさんのご冥福をお祈りします。
2004年のDelano空港にて。
Happiness is Delanoと呼ばれていたこのDelano空港での曲技飛行競技会は、今回からMarta Bohn-Meyer Memorialと名前を変えることになりました。そしてまた、今まで競技会に姿を見せていたMarta Meyerさんの姿をこの大会には見ることはありませんでした。残念なことに、Unlimited Categoryにて活躍をされていたMarta Meyerさんは、昨年10月の練習飛行中に事故に遭い、帰らぬ人となったためです。競技者として支援者として、曲技飛行の発展に活躍された彼女のことは、この先も忘れずにおきたいと思います。
左: Pitts S-2C。飛行時間の長さもあり、Pittsの飛行特性が合っているように思います。
右: Extra 200。似たような単翼曲技飛行機が多く個性に欠けますが、この造形はこの先の曲技飛行機の基本なのでしょう。
8月31日 競技会前日
競技会にて使用する飛行機は、個人で購入して用意する、友人の厚意で拝借する、または飛行学校の飛行機を借りるという方法があります。多くの方法は飛行学校の飛行機を借りることでしょうが、一人で借りて競技会へ赴きそして帰るということをすると、とても高額な出費となります。例えば、2004年のDelanoでは、他に共同参加者が見つからなかったため、一人で飛行学校のPitts S-2Cを借りて出場しましたが、片道1時間半、往復で3時間。現地での飛行は、前日の40分ほどの練習飛行と20分の競技飛行を3回。支払額は簡単に$1000を超えてしまいました。これが二人での折半となれば、往復費用は半額に、また一人は車での移動となれば荷物を余分に持つことができるので助かります。
走り抜けていく長大な貨物列車。
前回の6月のPaso Robles空港での競技会と同様、今回も仲間と共同でPitts S-2Cを借り、彼が飛行機を運ぶように計画していましたが、前日になって彼に緊急の仕事が入り込み、出場できなくなりました。それなら私が乗っていけばいいのですが、しかし私は今大会もう一人の日本人出場者の、佐藤 洋一氏と陸路で現地で向かうことになっているので、私の搭乗する機体がなくなる事になります。困ったことになったと考えること10分。「それではExtra 200で出場すれば?」と佐藤さん。...それはいい考えです。以前より、Super DecathlonやExtra 200での参加は経験してみたいと思っていたので。Extra 200の飛行ではいつも体験搭乗のお客や飛行訓練の方との飛行で、単独飛行をしたこともなく、まして競技会の練習も未経験ですが、これもいい勉強となるでしょう。ただ、慣れない機体でIntermediate Categoryに出場することは少々無理を感じたので、今回は一つ難易度を下げてSportsman Categoryにて参加です。
左: 飛行前に練習を行うMelissaさん。Zivko Edge 540を手にし、Unlimited Categoryでの飛行です。
右: 特注のMT Propellerを装備したPitts S-2B。聞くと、台風で大破した機体を安く手に入れ、
半年かけて修復したそうです。とても美しく仕上がっていました。
9月1日 参加者登録と練習飛行
580号線から5号線に入り南下、今回は最短距離で走行できるように農作地を抜ける一般道を走ります。そして99号線に入りDelanoへ。距離的には短かったようですが、一般道は一時停止や交差点が多く、速度は稼げませんでした。途中の牧場や小さな町を目にして、退屈はしないことは確かなことですが。この競技会では、日本人参加者が私を含めて4人もいて、総参加者の一割が日本人となりました。Attitude AviationにてExtra 200で訓練を積み、Primary Categoryに出場する佐藤 洋一氏、Santa Paula空港のCP Aviationに籍を置くPitts S-2Bで参加の内海氏、同じくCP AviationからSuper Decathlonで出場の高野氏。久しぶりの再会に話にはずみます。

左: Sunrise AviationでCFIをしている、TyさんはUnlimited Categoryに出場です。Extra 300にて出発。
右: 始動したDougさんのSukhoi 26。Radial Engine特有の白煙が上がり、迫力があります。
午後4時30分。練習飛行のためにExtra 200にて離陸し上空にて待機します。4000ft上空まで上昇するのにも7-8分の時間がかかり、200HPの出力のAEIO-360 Engineはやはり出力不足を感じます。消音器付きのExhaust Systemは騒音を小さくして、操縦者に快適な飛行を与えますが、それがさらに低出力のような錯覚を起こさせるようです。前席には競技会初出場となる佐藤氏を見学のために乗せ、Boxへ進入します。慣れた前席での操縦と違い、後席からだと翼が45度下方の角度を隠してしまい、進入の難しさを感じました。最も気にしていた出力の不足ですが、最初の段階で160ktsあたりまで加速をすれば、演技の最後まで十分に飛行をすることができると知りました。実はこのExtra 200という飛行機は、完成度の高いとてもいい飛行機なのかもしれません。

左: Safety Pilotとして、佐藤氏と共に練習飛行へ。
右: 日没後の恒例のBBQ会。
Marta Bohn-Meyer Memorial Regional Aerobatic Contest 2006 2
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