Pitts S-2B Break-In Flight 1

2004年2月28日
実はここ3週間Pittsに乗っていません。天気が悪かったことと、PittsのEngineの修理で飛べませんでした。
原因はEngineのNumber6 CylinderのPiston Ringが調子悪く、Engine OilがSpark Plugをカブらせてしまっていたのです。そういえば離陸前のEngine Runupでは毎回右側のMagnetoが調子悪かったです。Lycoming 6Cylinder Engineでは、左側Magnetoが左上のSpark Plugと右下のSpark Plug、右側Magnetoが右上と左下の点火を行います。Engine Oilは下側Spark Plugを汚すことが通常ですから、右側Magnetoが調子悪いということは左側Cylinderの下側のSpark Plugの不具合か、または右側Magnetoそのもの、もしくはSpark Plug Harnessということになります。ということで、調べたらNumber6 Cylinderが要修理となったので、外してEngine Shopに送ることになりました。
予定では私が送られて来たCylinderの取り付けを行う予定でした。しかし、他の同僚が取り付けを終わらせてしまっていたので、私の仕事はEngine Cowl、Canopy、Inspection Panel、その他諸々を取り付けるだけになりました。楽しみにしていので、ちょっと残念です。
私は昼12時にこの飛行機の予約をしていましたが、それにはちょっと間に合いそうもありません。私は一応はここの飛行学校のパート社員ということで、他のお客の飛行が優先になります。次の飛行は夕方4時。それまでにはEngine Break-In (慣らし運転) も終わらせないといけません。
ただのCover取り付けと思っていましたが、結構大変です。何しろ数が多い!Landing Gearの整備も行ったので、操縦席にもぐりこんで作業もします。他の整備士ではこの操縦席の奥に入り込めないので、これは小柄な私の出番です。それでもきつい…。靴を脱いで、身軽になって潜り込みます。
作業終了。Engine Oilを確認して、他の整備士に機外で監視してもらって試運転をします。燃料をEngineに送り込み、Clear Prop!かかりました。Oil Pressure (油圧) がなかなか上がってきません。Engineを3週間も置きっぱなしにしていたため、乾いた状態なのです。緊張が続きます。10秒ほどして、少しずつゆっくりと上がってきました。ホッと一息。…と思ったら、今度は回転数が下がってついに止まってしまいました。どうやら燃料系統も乾いてしまっているようです。再始動して、しばらくFuel Boost Pump (補助燃料ポンプ) を付けたままにしました。左右のMagnetoとPropellerをCycleして、どうやら全て大丈夫のようです。
Engine Oilの漏れもありません。次はEngine Break-In Flightです。修理をしたNumber6 Cylinderと新品のPiston Ringsはまだ馴染んではいなく、適当な負荷を加えて慣らし運転をする必要があります。この時使うEngine Oilは添加物を含まないStraight Mineral Oilです。これを最低50時間、またはEngine Oilの消費量が安定するまで使います。さて、では誰が飛ぶのか聞いてみると、「お前行ってこい」とのこと。二つ返事で喜んで飛行準備をします。
Pitts S-2B Break-In Flight 2
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