
この度は、このHPを通じてmariaさんのお世話になり、ジョージア州でのEMS研修を行ないましたので、ここにお伝えします、私は日本でもうすぐまる8年の消防士で米国へのEMS研修は3度目で、過去にシアトル市とフロリダ州(オーランド市、ゲインズビル市)を訪ねました。今回のジョージア州へは6泊7日の滞在で4日間をEMS研修に当てました
パラメディックスクールは近隣の消防士、救急隊員、警察官を対象にした教育施設でパラメディッククラスの授業を見学しました、その時はIV(静脈路確保)の手技についての講義と実技指導が行なわれていて、まず10名程度のクラス制(少人数制)で効率的な質疑応答が行なわれているのに感心させられました、実技の際には私も混ざって必要な機材(針など)とシュミレーターを用いて、実際の実技試験使用される評価表とトレーニングに参加しました、授業終了後に元パラメディックである教官にお伺いしたのですが、大体に講義を行いその後に実技に移るパターンが多いとかで講義で得た知識を直ぐ実技としてフィードバックできる内容にも感心させられました。その後、Peachtree市消防署で消防自動車の走行要領に関する講習会を見学し、講義だけだったのですがビデオとテキスト(いずれも図や絵が多くて解り易い)を用いレクチャー方式でここでも多く質疑応答が行なわれていました。 2施設での授業風景を見学できての感想は以前から感じていたのですが、一言に言うと教えるのが上手い!です、いずれの指導者も指導マニュアルを持参し、その内容を拝見したのですが指導方法、注意点などが指導内容事細かく記載されていて、指導者が違ったとしてもその方針、内容に相違が起こらぬように工夫されたものだと思います。あと実に良いテンポの質疑応答のやり取り(指導者の一方通行型講義ではない)、良い答えや実技ができるとポジティブ(褒めたり)なフィードバックを行なっている場面が多く印象的でありました。更に実技の評価も客観的に評価できる表(これは実際の国家試験などで使用されるもの)を用いて生徒間同士で評価を行なっている場面も見れました。 ![]() Douglas county FDでは3箇所の消防署を施設訪問しました、いずれの消防署でも「待ってました!」と言わんばかりの大歓迎を受け驚いたのですが、どこでも施設内や車輌、器材説明を細かく行なって頂き、日本(大阪)ではどうなの?とお互いの情報交換を行い、更に驚いたのが地元新聞社の記者が消防署に待機していて取材を受け、翌日の朝刊で1面を飾ってしまいました。結局日本へは6部も購入して持ち帰ってしまいました。 ![]() 通信指令センターの見学では厳しいセキュリティーを通過して施設内へ入り4台の指令台があり右半分(縦一列)2台が消防・救急対応、左半分が警察対応となっており、同じ部屋に消防・救急・警察を行なっていることもあり、それぞれが素早く出場し状況を把握できるようにうまく連携されていて合理的だと思いました。 ![]() 彼は新しく入ったディスパッチャー。車椅子に乗る障害者です (障害者への職場提供には二人で感動しました)。 Peachtree city FDへの見学で消防署へ向かう前にショッピングモールでAEDの配置状況を調査したのですが、実際に2つのAEDがBLSキットと一緒に消火器の様に設置されていて、配置は施設内のどこからも中間位になるように分けて置かれていました。今まで空港や消防車にAEDがあるのを目にした事はあったのですが、こんなに一般市民の身近にあるのを生で見る事ができて驚きました。同日、短大のような学校内にAEDが置かれているものも調査したのですが、AEDの直ぐ隣にいる受付担当者に尋ねるとAEDの存在すら知らないとの状況で、まだ普及啓発に問題性があるところも感じられました。 参考写真 消防署では火災トレーニングを行なう予定だったのですが、直前に火災出場がありトレーニングが中止となりました。ですが、その為に消防車に同乗することが出来ました。火災事態は異臭だけの大した事案ではありませんでした。帰署後に施設内、消防車、救急車の説明を受け、わざわざはしご車のはしごを伸ばして乗せて頂きました。
左端の方にいるのが僕です。
箱に乗ってます。 Grady Memorial Hospital(高度外傷センター)付属救急車での同乗実習。まずER搬入口に隣接される救急ステーションがあり、勤務交代時期にはそこに約10数台の救急車が点検整備されているのを目の辺りにして、数の多さに圧倒されました。ステーションの中に入ると、そこの救急車で使用されるすべての物品が、“専門スタッフ”によって一括管理され、車輌も点検整備する専門スタッフがおり、パラメディックは朝出勤してきて、簡単な点検は行なうが、これらの専門スタッフに任せる部分が多く現場活動に専念できるような仕組みになっていました。 この外傷センターはアトランタ市内にあり、搬送業務はこの病院や民間の救急車によって行なわれています。市消防機関は救急車を持たずに、これら救急隊員のサポートやファーストレスポンダーとして消防車で出場する連携スタイルをとっています。私が同乗した救急車は13時間で8回の出場がありまして。救急車は、待機施設を持たず大体にスーパーの駐車場で無線待機し出場するようになっていました。待機する度にスーパー内に入りジュースやお菓子を買ったり、自分の携帯テレビを取り出しアメリカンフットボール観戦等と言った感じにリラックスしていたのですが、現場では凛々しく堂々とした様子に瞬く切り替えられる彼らの様子が印象的でした。いずれも軽症例ではあったのですが全ての患者様に対して、確実な観察、巧みなコミュニケーション、細やかな配慮と関心させられる場面が多々ありました。 ![]() 今回は自分なりにテーマを持ち、行く先々で尋ねてみたのですがそのテーマは「今の仕事についてのやる気!」 どう維持し向上させるようにしているかと聞き回りました。結果としては色々な意見を聞けたのですが、多くは「社会的な役割」「使命感」「自分に向いている」「現場での緊張感とその達成感」等と言った所でしたが、「給与(待遇)に満足している」と言った事を聞く事は一度もありませんでした。今回お世話になった施設の職員の大半は正規の仕事以外に1〜3つほど別に仕事(パート等)を持ち非番日や休日に他の仕事をしないと生活していけないと、給与面では厳しい状況でした。それでもそのような事に関する不満を自ら漏らす人は居ませんでした。この話を聞いた時も、多くの人は自信を持って「好きだからなぁ」と言った様なことを笑顔で答えてくれていたのが大変印象的で羨ましく感じました。 あと驚いたのは日本には馴染みがないボランティア職員の存在です。現場では説明を聞くまでは全く気づかず一般職員と同等に活動されていて、行財政的な理由からの公募制だと聞いたのですが、中には某航空会社のパイロットがいて驚きました。ゆっくりお伺いする事ができず残念だったのですが、地域貢献奉仕精神が旺盛なのか?勝手な想像だと余程この業務が気に入っているか?でないと無償で参加するなどとの事は困難だと思います。 全体として給与面では優遇されていませんが、社会的な認知度は非常に高く住民とは良く交流が図れていると感じられました。今回は沢山の方々にお世話になり大変実り多く充実した研修をさせて頂きました、特に全体のコーディネート、送迎、他沢山お世話になりましたmariaさん、並びにDouglas county FDのKim氏の配慮による大歓迎、他学校、Peachtree city FD、City of Atlanta FD、Grady Health Systemでは大変お世話になりました。この場をお借りしましてお礼を申し上げます。また10月にはEMS EXPOに合わせて2名の方が研修されるとお聞きしていますが、また素晴らしい研修となる事を心よりお祈りしてます。 記者:D.M |