皆さん 『 パームオイル 』 という植物油はご存知でしょうか?
背の高いひょろっとした南国の代表の木でもある<ココ椰子>から採れるヤシ油ではなく、
背が低く太い幹で、大量の実をつける<アブラヤシ>と言う
ヤシ科の植物から採れるパーム油です。
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パームオイルは、大豆油やコーン油、なたね油等に比べると、同面積あたりの生産量が
圧倒的に多く、また年間を通して収穫が可能であること、食品の風味を損なわないなどの
利点があるため、現在、数ある植物油の中で生産量がトップになっています。
2008年〜2009年での植物油全体の生産量は約1億3,800万トン。
内、大豆油が約3,500万トン、なたね油は2,100万トンで、
パーム油(パーム核油含む)の生産量が約5,000万トンとなっています。
その内の9割が世界に向けて輸出されています。
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生産量も輸出量も世界でトップにもなっているパームオイル。
だけど日本国内では、植物油というと大豆油やコーン油、なたね油は、皆さんすぐに思い浮かばれるよう
ですが、何故だかパームオイルがすぐに出てきません。
これは、様々な製品の成分表に、大豆油やコーン油などのようにパームオイルという名が
明記されていないからだと思われます。
パームオイルは大抵の製品で「植物油」もしくは「植物性油脂」としか表記されていないのです。
※ 「植物油」「植物性油脂」と書かれていた場合はパームオイルの事です。
一度、身の回りにある様々な製品の成分表を見てみて下さい。
インスタントラーメン&カップ麺/スナック菓子(ポテトチップスや、その他様々なスナック菓子)/
冷凍食品/レトルト食品/加工食品(カレールーなど)/キャンディー/マーガリン/マヨネーズ/
洗剤/石鹸/化粧品
上記のように、ありとあらゆる、私たちが日々使っている製品にパームオイルが使われています。
パームオイルが含まれていない商品を探す方が困難なはず。
また、ファーストフード店でも、揚げ油などにパームオイルが使われています。
何故???
↓
安くて、年間を通して安定した供給があるから。
動物性油脂よりも環境にも体にも優しいから。
一般的にはこのように認識されています。
しかし、パームオイルの生産現場で起こっている様々な問題を知れば、
決して環境に良いとは言えないのです。
↑どこまでも延々と続くパームオイル農園の海。
遠くに伸びる山々も全てアブラヤシで埋め尽くされている。
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皆さんは、パームオイルが主にどこで作られているかご存知ですか?
これもあまり知られていませんが、世界で生産されている85%以上が、
マレーシアとインドネシアで生産されています。
生産量が世界トップの5,000万トン。
その約9割です。
どれほどの量か想像できますか?
(私も想像出来ないケド)
兎に角、それだけ生産出来るだけのパームオイル・プランテーションが開発され、
飛ぶ鳥を落とすような勢いで、どんどん森が減少し続けているのです。
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70年〜80年代に、根こそぎフタバガキの木々を伐採し尽し、
その後に広がった二次林の森が、今度はパームオイル農園の拡大で失われ続けています。
そして日本のパームオイル輸入の殆ど全てが、ここマレーシアから輸入されているのです。
木の次はパームオイルというわけです。
サバ州では25年前と比べて、パームオイル・プランテーションは20倍近い面積が開発されています。
2007年の時点で、サバ州面積の17%(およそ124万ha)がプランテーションとなっているのですが、
開発の勢いは衰えることなく、今現在も年間およそ4万haずつ拡大し続けていると言われています。
アブラヤシの果実を積んだトラックや、パームオイルを運ぶローリーも、
1日に何度も&何台も、主要道路を行ったり来たりしています。
このようにマレーシア&インドネシアで広大な森林がパームオイル・プランテーションに姿を変え、
両国で年間4,500万トンものパームオイルが生産されています。
日本のパームオイル輸入量も年々増加し、2007年には、とうとう60万トンを超えました。
1970年で年間およそ6万トンだったというので、30数年で10倍増えた事になります。
そして、この60万トンのパームオイルの殆どが、ここ、マレーシアから輸入されているのです。
年々、拡大し続けるパームオイル・プランテーション。
行けども行けども、延々と続くパームオイル・プランテーションの海。
見渡す限りパームオイル・プランテーションが広がるボルネオ島。
これが現在のボルネオ島の姿です。
その生産現場では一体どんな事が起こっているのかを、これから少しずつアップしていきます。
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