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BORNEO RAINFOREST
ボルネオ島の熱帯雨林の森について
モドル
006 - 広がるパームオイル農園
28/03/2009

皆さん 『 パームオイル 』 という植物油はご存知でしょうか?

背の高いひょろっとした南国の代表の木でもある<ココ椰子>から採れるヤシ油ではなく、 背が低く太い幹で、大量の実をつける<アブラヤシ>と言う ヤシ科の植物から採れるパーム油です。

パームオイルは、大豆油やコーン油、なたね油等に比べると、同面積あたりの生産量が 圧倒的に多く、また年間を通して収穫が可能であること、食品の風味を損なわないなどの 利点があるため、現在、数ある植物油の中で生産量がトップになっています。

2008年〜2009年での植物油全体の生産量は約1億3,800万トン。 内、大豆油が約3,500万トン、なたね油は2,100万トンで、 パーム油(パーム核油含む)の生産量が約5,000万トンとなっています。 その内の9割が世界に向けて輸出されています。

生産量も輸出量も世界でトップにもなっているパームオイル。 だけど日本国内では、植物油というと大豆油やコーン油、なたね油は、皆さんすぐに思い浮かばれるよう ですが、何故だかパームオイルがすぐに出てきません。 これは、様々な製品の成分表に、大豆油やコーン油などのようにパームオイルという名が 明記されていないからだと思われます。 パームオイルは大抵の製品で「植物油」もしくは「植物性油脂」としか表記されていないのです。 ※ 「植物油」「植物性油脂」と書かれていた場合はパームオイルの事です。

一度、身の回りにある様々な製品の成分表を見てみて下さい
インスタントラーメン&カップ麺/スナック菓子(ポテトチップスや、その他様々なスナック菓子)/ 冷凍食品/レトルト食品/加工食品(カレールーなど)/キャンディー/マーガリン/マヨネーズ/ 洗剤/石鹸/化粧品

上記のように、ありとあらゆる、私たちが日々使っている製品にパームオイルが使われています。
パームオイルが含まれていない商品を探す方が困難なはず。
また、ファーストフード店でも、揚げ油などにパームオイルが使われています。

何故???
   ↓
安くて、年間を通して安定した供給があるから。
動物性油脂よりも環境にも体にも優しいから。

一般的にはこのように認識されています。
しかし、パームオイルの生産現場で起こっている様々な問題を知れば、 決して環境に良いとは言えないのです。




↑どこまでも延々と続くパームオイル農園の海。
遠くに伸びる山々も全てアブラヤシで埋め尽くされている。
皆さんは、パームオイルが主にどこで作られているかご存知ですか?

これもあまり知られていませんが、世界で生産されている85%以上が、 マレーシアとインドネシアで生産されています。

生産量が世界トップの5,000万トン。
その約9割です。
どれほどの量か想像できますか?
(私も想像出来ないケド)

兎に角、それだけ生産出来るだけのパームオイル・プランテーションが開発され、 飛ぶ鳥を落とすような勢いで、どんどん森が減少し続けているのです。


70年〜80年代に、根こそぎフタバガキの木々を伐採し尽し、 その後に広がった二次林の森が、今度はパームオイル農園の拡大で失われ続けています。 そして日本のパームオイル輸入の殆ど全てが、ここマレーシアから輸入されているのです。 木の次はパームオイルというわけです。

サバ州では25年前と比べて、パームオイル・プランテーションは20倍近い面積が開発されています。 2007年の時点で、サバ州面積の17%(およそ124万ha)がプランテーションとなっているのですが、 開発の勢いは衰えることなく、今現在も年間およそ4万haずつ拡大し続けていると言われています。

 
アブラヤシの果実を積んだトラックや、パームオイルを運ぶローリーも、
1日に何度も&何台も、主要道路を行ったり来たりしています。

このようにマレーシア&インドネシアで広大な森林がパームオイル・プランテーションに姿を変え、
両国で年間4,500万トンものパームオイルが生産されています。

日本のパームオイル輸入量も年々増加し、2007年には、とうとう60万トンを超えました。
1970年で年間およそ6万トンだったというので、30数年で10倍増えた事になります。
そして、この60万トンのパームオイルの殆どが、ここ、マレーシアから輸入されているのです。

年々、拡大し続けるパームオイル・プランテーション。
行けども行けども、延々と続くパームオイル・プランテーションの海。
見渡す限りパームオイル・プランテーションが広がるボルネオ島。

これが現在のボルネオ島の姿です。
その生産現場では一体どんな事が起こっているのかを、これから少しずつアップしていきます。
モドル
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