卒業記念のサイン帳


右の画像は、小学校の卒業記念としてクラスメート全員に一筆書いてもらったサイン帳です。 今はどうだかわかりませんが、あの当時は卒業間近になるとこのようなサイン帳を生徒のあいだで交換するのが流行っていました。 中学、高校でもサイン帳に書いてもらいましたが、小学校時代のものが一番良くできています。 友達に書いてもらった内容や絵があの時代の出来事や流行をよく反映していて、今見てもとても面白いんです。

サイン帳に書いてもらうことは、まず名前、住所、電話番号。 その次に星座、血液型。 そして趣味、好きな食べ物、歌手、花、色などです。 最初のページに上記の事を書いてもらい、裏面にはお別れメッセージや絵を書いてもらいました。 みんなが書いてくれたものを久しぶりに見て、「ああ、あの時代を思い出すなあ」としみじみしてしまいました。 今の日本の小学生事情がまったくわからないので、わたしの時代とうまく比較できませんが、それでもわたしの時代の小学生は小学生らしかったと言えると思います。 サイン帳の中身を見ても、平和そのものです。 またみんな字がきれいだし、絵も上手なんです。

興味深かったのは、「趣味」と「好きな歌手」の項目でした。 今でならテレビゲーム、ショッピング、マンガを読む、などが上位に入っていると思いますが、わたしの時代はまだテレビゲームがなかったので(インベーダーゲームは中学生の時)、昭和53年に小学校を卒業した友達の趣味は渋いものが多くて意外に思いました。 また「好きな歌手」では歌謡曲を歌っていたアイドルに人気が集中していましたが、意外な人の名前もでていて吹き出してしまいました。 そこで6年1組が好きだった歌手、趣味の統計を取ってみます。 女子18人、男子20人、合計38人のクラスでした。





歌手

1 ピンク レディー ***** ***** ***** **
2 高田 みづえ ***** ***
3 ビューティ ペア ***** **
4 山口 百恵 ****
4 太田 裕美 ****
6 榊原 郁恵 ***
6 野口 五郎 ***
8 キャンディーズ **
8 松田 優作 **

清水 健太郎 *
中村 雅俊 *
狩人 *
なぜか藤堂さん *
郷 ひろみ *
ずうとるび(今村)*
太川 陽介 *
三浦 友和 *
岩崎 宏美 *
リリーズ *
布施 明 *
桜田 淳子 *
世良 公則&ツイスト *
キャッツ アイ *
木ノ内 みどり *


統計結果
ピンクレディー 17票
高田 みづえ 8票
ビューティ ペア 7票
山口 百恵、太田 裕美 4票
榊原 郁恵、 野口 五郎 3票
キャンディーズ、 松田 優作 2票
それ以下の芸能人は1票ずつでした。

ピンク レディーの人気が断トツだったのがこの統計で明らかになりました。 ピンク レディーの場合は男女ともに人気があり、女子ではミーに、男子にはケイに人気がありました。 高田みづえが第二位なのは意外です。 彼女は特別美人でもなく、あの当時はにきび面のアイドル歌手でしたが、親しみやすい正統派歌謡曲を歌うアイドルとして人気があったようです。 わたしも彼女のデビュー曲「硝子坂」は大好きでした。

ビューティ ペア、これは6年1組だけの現象なのかもしれません。 男子からの票はなく、全て女子からの票でした。 我がクラスではピンク レディーとビューティ ペアが大人気で、見た目は体育会系とお色気系でまったく別物でしたが、どちらも水着のような衣装を身につけていたのが共通しているところでした。 4位の山口 百恵と太田 裕美。 百恵ちゃんはまあ妥当な順位ですが、太田 裕美が大健闘です。 これは男子からの票です。 意外にも野口 五郎も人気がありました。 わたしも「かっくらきん大放送」で五郎刑事のファンでした。 歌はシリアスなのに、しゃべると3枚目なところが人気がありました。 怖面の松田 優作は小学生にも人気がありました。

上位以下も結構面白い顔ぶれになっています。 わたしと仲が良かったSさんは「エースをねらえ」の藤堂さんが大好きで、好きな人は藤堂さん以外考えられない!と彼の名前を書いてくれました。 ずうとるびも人気がありました。 わたしは土曜昼の「笑って 笑って 60分」の中で放送されていた「哀愁学園」のファンでしたし、江藤くんが大好きだった頃もありました。 リリーズ、キャッツアイなんてのもこの時代ならではです。 布施 明の名前はここではなんだか違和感を感じますが、この人の名前を書いたのはクラス一身体が大きくて、落着いていたA君でした。

あれ?あの人の名前がない!と驚いたのは西城 秀樹です。 大袈裟なアクションと野生的な魅力でわたしより年上の女の子に大人気でしたが、小学生には今一つだったようです。 また沢田 研二もありません。 ジュリーの歌は子どもにはややアダルトすぎたのでしょう。 ええ!この時から好きだったんだ!と驚いたのは世良 公則&ツイストです。 これを書いたのは布施 明を書いてくれた渋いA君でした。 わたしが世良さんにのめりこんだのは中学に入ってからでしたので、この頃からツイストが好きだったA君の音楽センスにちょっとビックリしました。



趣味

マンガを読むこと ***** ***
釣り *****
手芸 ****
スポーツ ****
読書 ***
野球 ***
プラモデル ***
切手集め **
レコード鑑賞 **
水泳 **
狩人のポスター集め *
オセロ *
ぬいぐるみ集め *
編み物 *
寝ること *
スケート *
遊ぶこと *
食べること **
小鳥を飼うこと *
将棋 *
B.C.L *
少年ジャンプを読むこと *
絵を描くこと *
スキー *

いつの時代も「マンガを読むこと」が趣味の上位のようです。 わたしもそうでしたが、「マンガを描くこと」にも夢中になっていました。 2位は「釣り」。 今の小6で趣味の欄に「釣り」と書く子どもがクラスにこれほどいるかどうか疑問に思います。 わたしの子ども時代は本当に釣りがブームで、室内の釣り堀屋もたくさんありました(生臭い匂いが充満していた)。 また近所に多摩川(下流)がありますので、休日はそこで釣りを楽しむ子どもも多かったです。 女の子はマンガに次いで多かったのが「手芸」でした。 わたしには縁のない趣味でしたが。。。 「将棋」「オセロ」。 これらも人気がありました。 中学までは「囲碁・ 将棋」クラブもありましたので、一部の子どもに支持されていたのだと思います。

「スポーツ」と書いた子も多かったです。 「野球」「スキー」「水泳」もスポーツに属しますが、「サッカー」と書いた子が一人もいなかったのが意外でした。 あの当時、子どもに人気だったスポーツといえばまず「野球」で次いで「柔道」「剣道」などがありました。 「サッカー」はテレビの青春ドラマでよく取り入れられていましたが、今ほど人気がなかったのがよくわかります。 「切手集め」をする子どもが多かったのもあの時代の特徴だと思います。 プラモデルは今も人気がありますが、あの当時子どもだった人が大人になって、今度は自分の子どもがプラモデルに夢中になる親子2代ケースも多いと思います。

B.C.L.と書いたのはクラス一秀才だったT君です。 たぶん無線かなにかだと思うのですが、いまでもこれが何なのかよくわかりません^^;。


サイン帳の裏面には友達が描いてくれた絵がたくさんあります。 好きなマンガの絵、スーパーカーの絵、花の絵、キャラクターの絵、動物の絵、などいろいろです。 絵を描いてくれたのは女子よりも男子に多く、またそれらがとても丁寧に上手に描かれているのです。 クラスメートには韓国から来た男の子がいて、その子はとっても絵が上手でした。 萩尾 望都と大島 弓子を足して2で割ったような絵を描くんです。 わたしはそのK君からよく絵を描いてもらいました。

友達が描いてくれた絵を見ていると、どんなマンガが人気だったのかよくわかります。 女子の友達は自分やわたしの似顔絵を描いてくれる人が多かったですが、「はみだしっ子」の登場人物の絵を描いてくれた人が二人いました。 男子では「宇宙戦艦大和」の古代進、佐渡先生(?)。 「オバQ」、「サーキットの狼」の主人公、「ドカベン」の里中くん、 「まことちゃん」、「アストロ球団」らしい絵、 「ガキデカ」、 「仮面ライダー」、 ジョージ秋山のマンガの「ちん太」、「マカロニほうれん荘」の土方さん、などでした。

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