The Rolling Stones :Tatto You(1981)


初めてリアルタイムで聴いたローリング ストーンズのアルバムは1981年にリリースされた「Tatto You」でした。あれは高1の朝の教室、洋楽に滅茶苦茶強かったN君がこのアルバム(LPレコード)を学校へ持ってきていたのです。 N君の周りには既に何人かが集まっていて、タトゥーだらけのミックとキースの顔がどアップになっているジャケットを「お〜〜すげー」とか言いながら眺めていました。 わたしも初めてそのジャケットを見せてもらった時はギョっとしました^^;。 今では皺だらけのミックとキースですが、この頃は2人とも38歳くらい。 オトコ盛りの二人がカメレオンみたいな顔になっていますがとてもセクシーなのです。 フェロモンがばしばしでています。

ここで少しN君の思い出。。。 N君はストーンズ大ファン(特にブライアン)のロック少年で、ギター小僧でもありました。 彼の上履きにはThe Who、Bad Company、AC/DC、ZZ Top、Led Zeppelin、Black Sabath、Deep Purpleなどのバンド名が太いマジックで書かれており、なんだかこの人すごいなあというのがN君の印象でした。 わたしが洋楽に目覚めたのもN君の存在が大きかったのです。 ビートルズもN君が貸してくれたテープで初期から後期の作品をほとんど聴くことが出来ました。 あの時N君からビートルズのテープを貸してもらわなかったら、エリック クラプトンの名前を知るのはもっともっと後だったと思います。 そのテープも中身とケースが間違えて入っていることが多く、曲とタイトルがあれれ?と言うことが何度もありました^^;。

「Tatto You」には大ヒット曲『Start Me Up』が収められており、アルバム全体としては陽気な大人のロックンロールといった感じです。 前作の「Emotional Rescue(1980)」が似たような感じの曲ばかりでイマイチだったのに対し、この「Tatto You」は非常にタイトな仕上がりになっています。 この頃から既に大御所バンド&世界一のロックンロールバンドでしたが、派手なプレイはないものの、このアルバムからは大御所らしい凄み、貫禄が感じられます。 ギターのすごいテクニックがなくっても、出来なくても、そんなのちっとも構わない、だって俺達はロックンロールが大好きなだけだから。という姿勢を貫いているところがまたいいのです。

どの曲もいい! ストーンズファンだからそんな事が言えるのかもしれませんが、年を取るにつれてこのアルバムがますます好きになるのがわかります。 10代の頃は「Start Me Up」や「Neighbours」などのノリの良い曲が収録されていたA面の方が好きでしたが、20代、30代になると落ち着いた曲の多いB面も良いなあと思えるようになりました(CDではA面もB面もありませんが)。 特にB面、「Tops」「No Use In Crying」「Waiting For Friends」は鼻がつーんときます。

翌年にリリースされた「Still Life Rolling Stones(1982)」もいい! アメリカ、シカゴでのライブを録音したものですが、ライブの臨場感がひしひしと伝わってきます。 スタジオ録音も良いのですが、やはりストーンズはライブバンドなんだなあと思います。 このライブの模様を収めた映画も同時期に公開され、わたしも学校帰りに観に行ってきました。 いやー凄かった。 大画面で見るストーンズは初めてだったのでとっても感動しました。 映画館はまるでコンサート会場のよう。 映画なのに立ち上がって踊る人は出るし、ウォーと叫んでいる人もいたし。 Zepの映画の時は疲れて寝てしまいましたが、こちらは寝る暇もないほどです。 「Time Is On My Side」の時にはメンバーの若かりし頃の顔が映り、あのブライアン ジョーンズの顔も映っていました。 これには思わず目頭が熱くなってしまいました。 ライブ盤を聴いてもぐっときます。

1990年、ローリング ストーンズ初来日。 わたしも東京ドーム公演、会社を仮病で早退して行ってまいりました。 全席1万円は高かったですが、前から5番目の席だったのでミックやキースがすぐ目の前で見えました。 最初の曲は「Start Me Up」。 それまで明るかった場内が暗くなってしーんとなったあと、あのギターの音が聞えて来た時は「ギャー」と気絶しそうになりました。 今思い出しても鳥肌が立ってしまいます。




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