たい焼き

今はあんこ系和菓子が大好きなわたしですが、小学校高学年まではあまり好きではありませんでした。毎年お彼岸になると祖母がお萩を作ってくれましたが、それさえも嫌々食べていたような覚えがあります。

しかしながら1976年、子門真人の「泳げたい焼き君」が空前の大ヒットを飛ばし、日本全国至る所でたい焼きブームが起こりました。うちの方でも和菓子屋さんが店先でたい焼きを売るようになったり、たい焼きの屋台があちこちに出没するようになりました。それまでは今川焼きなら食べたことがありましたが、たい焼きは食べたことがなかったと思います。恐らくこの歌が大ヒットするまではそれほどメジャーな食べ物ではなかったのでしょう。

しかし、たい焼きは美味しかった!! 今川焼きは皮が厚くて中もしっとりしているため一つ食べれば十分ですが、たい焼きは皮が薄く表面がカリっとしています。しかもあんこが頭から尻尾の先まで入っおり、最後まで美味しく食べられました。なんでもそうですが、たい焼きも焼き立てが一番美味しく、屋台で買う時は少し時間のたったたい焼きをおじさんから渡されることもありました。やはりそういうのはイマイチ美味しくないんです。あのカリっがないんですよね。ちょっとしなびた感じで。

たい焼きが大好きになったおかげで、それからはあんこ系の和菓子が食べられるようになり現在に至ります。大袈裟ですが「泳げたい焼き君」の歌と出会わなかったら、これほどまでに和菓子大好き人間にはならなかったかもしれません。たい焼きを食べるたびに「毎日、毎日ぼくらは鉄板の〜」というフレーズが頭に浮かびます。

泳げたい焼き君・・・この歌は子どもだけでなく、大人にも大受けしました。特に働くお父さん達に支持されたようです。たい焼きくんの替え歌も流行りました。わたしも子どもながらにこの歌詞には考えさせられるところがあって、この歌詞から人生のはかなさを感じ取りました。同じ時期、Eaglesの「Hotel California」も大ヒット。これもまたサラリーマンに大受けで、有線放送でなんと1位になったそうです。どちらも哀愁の漂うメロディーで、当時の世相にぴったりだったのでしょうね。

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