U2 :The Unforgettable Fire(1984)
80年代のU2のアルバムでは世界中でベストセラーになった「The Joshua Tree(1987)」が一番有名でしょう。 その他では世界に名を知られるようになった記念すべきアルバム「War(1983)」もあります。 個人的には「ヨシュア トゥリー」は80年代の傑作アルバムベスト1だと思っていますが、その前に発表された「The Unforgettable Fire(1984)」もとても好きな作品です。
1984年と言えばお洒落なグループ、ダンサンブルな曲が数多くヒットしていた時代ですが、そんな頃にリリースされたこのアルバム。 いつまでも耳に残る優れた作品が多く揃った傑作です。 浮ついたところが全く無く、骨組みのしっかりしたサウンドに仕上がっており、ボノのボーカルも以前に比べてますます磨きがかかってきています。 全てを包み込むようなボノの唄い方は、U2のサウンド、歌詞に無限の広がりを持たせているように感じました。
アメリカ、そして公民権運動の父、マーティン ルーサー キングをテーマにしたアルバムと言ってもよいこの作品は、それまでのU2サウンドとはやや趣が異なっており、プロデューサーにはあのBraian Enoを迎えて製作され、名作「ヨシュア トゥリー」の足がかり的作品になりました。 このアルバムは静と動のコンストラストが実に見事で、U2=闘うバンドのイメージはやや抑えられているような気がします。
このアルバムに収められている作品の中では何といってもU2の代表曲との誉れが高い「Pride(In The Name of Love)」でしょう。 故マーティン ルーサー キング牧師に捧げられたこの作品は、故人に対して感傷的になりすぎず、故人の前向きな精神を受け継いだかのような意志の強さが感じられるボノの熱唱がとても胸を打つのです。
その他の作品では最初の曲「A Sort Of HomeComing」、7曲めの「Bad」、最後10曲めの「MLK」がいいですね。 初めて『The Unfogettable Fire』のレコードを買った時はこのアルバムのコンセプトがイマイチわからなかったので「MLK」の意味がわかりませんでした。 ぱっと見、「MILK」かと思っちゃったし^^;。 それがMartin Luther Kingの頭文字とわかったのはしばらくしてからでした。
偉そうな事ばかり書いていますが、U2の作品は80年代最後の作品「Rattle & Ham(1988)」以降は一枚もCDを買っていません。 90年代最初の作品「Achtung Baby(1991)」がどうも馴染めなくてそのま聴かなくなってしまいました。 でもその中の「One」はとても好きな作品です。
Topヘ戻る
HOMEヘ戻る