1 米英軍のイラク占領 1)本法案は、イラクに自衛隊を派遣しようとする法案ですから、米英のイラク 占領統治の法的性格、その正当性について検討することから始めます。 国際法上、他国の領土に、その国家の同意なしに軍隊を派遣することは、違法 な武力行使に該当し、侵略行為を構成することは言うまでもありません。 1974年に国連総会が採択した「侵略の定義」によれば、侵略とは「国家に よる他の国家の主権、領土保全もしくは政治的独立に対する武力行使、または国 連憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」を意味します。その具体例 として、「国家の軍隊による他の国家の領土に対する侵入もしくは攻撃、一時的 なものであってもかかる侵入もしくは攻撃の結果として生じた軍事占領」「国家 の軍隊による他の国家の領土に対する砲爆撃、または国家による他の国家の領土 に対する兵器の使用」などが例示されています。 1998年に採択された国際刑事裁判所規程には、侵略の罪の定義が示されて いませんが、侵略の罪がもっとも重大な国際法の違反であり、将来は国際法廷で 裁かれるべきであることを明らかにしています。国際刑事裁判所準備会議では侵 略の罪の定義を明確するための審議が続けられています。 さて、法案2条3項は「国連安全保障理事会決議1483その他政令で定める 国連総会または安全保障理事会決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関の同 意によることができる」として、その国の同意なしに「対応措置」を実施するも のと定めています。ここにいう「イラクにおいて施政を行う機関」としての米英 が、その国の同意なしに軍隊を派遣する法的権限を有していたか、侵略行為にあ たらないような、違法な武力行使に該当しないような、正当な法的権限を有して いるかが問題となります。 本年3月20日に開始された米英両軍によるイラク攻撃は、イラクの同意はも とより、このような正当な法的権限もなしに行われたものです。 安全保障理事会決議1483本文パラグラフ4は「当局に対し、国際連合憲章 及びその他の関連国際法に従い、特に、安全で安定した状態の回復及びイラク国 民が自らの政治的将来を自由に決定できる状態の創出に向けて努力することを含 む、領土の実効的な統治を通じてイラク国民の福祉を増進することを要請する」 としています。 決議1483前文パラグラフ13は「統合された司令部(「当局」)の下にあ る占領国としてのこれらの諸国の関連国際法の下での特定の権限、責任及び義務 を認識し」としています。 すなわち、決議本文パラグラフ4も、決議前文パラグラフ13も、米英両国に 対して「関連国際法」の遵守を求めているものです。関連国際法とあるのは具体 的には、国連憲章および国際人道法を構成する国際法が念頭に置かれています。 決議1483から明らかなことは、米英両国が事実上の占領国として既存の関 連国際法によって認められた特定の権限、責任、義務を果たす必要があること、 つまり占領統治が国際法に従って行われるべきであることです。 決議1483は、米英両国に占領を行う権限を与えたものではなく、事実上占 領している米英両国に占領国としての既存国際法上の権限、責任、義務を果たす ように求めたものです。決議1483は、新たな権限、責任、義務を米英両国に 付与するものではありません。それゆえ、決議1483は、米英による占領統治 に合法性を付与するものでもなければ、新たに占領統治を行う権限を創設するも のでもありません。 そもそも現代国際法は<戦争の違法化>の歴史の上に成立していますから、国 連憲章1条は国際紛争の平和的手段による解決を国連のもっとも重要な目的とし て掲げ、憲章2条もその目的達成のための原則として国際紛争の平和的手段によ る解決を明示しています。さらに、憲章33条は、各国に平和的解決の義務を指 示しています。国連の目的と原則に集約された戦争や武力行使の違法化の下で は、戦争の方法、武力行使の方法に関する規則は本来は原則との矛盾を孕みま す。武力行使禁止原則が現代国際法の基本となっています。 もちろん、現実には今日の国際社会において、なお各地で多数の武力行使が実 際に発生しています。それらの武力行使について合法性の有無が常に的確に判断 されているか否かも疑問が残ります。現代国際法が戦争や武力行使を違法化して いるとはいっても、現実に現代国際法が十分遵守されているわけではありませ ん。 そこでハーグ条約やジュネーヴ条約等の発展の上に国際人道法が形成されてき ました。現代国際法は、戦争や武力行使を違法化しつつ、現実に生じている戦争 や武力行使に対応して、すべての当事者が遵守しなければならない人道的な規則 を発展させてきました。国際的性格の武力紛争であれ、非国際的性格の武力紛争 であれ、現実に発生した武力紛争において、捕虜の虐待や民間人に対する攻撃な ど、いかなる場合にも違法とされるべき行為を禁止することによって、戦争に伴 う残虐性や無用の攻撃を抑制しようとしたものです。従って、国際人道法は、当 該武力行使が合法なものであるか違法なものであるかにかかわりなく、すべての 当事者に人道的な規則の遵守を求めたものです。 2)それでは、軍事占領についてどう考えるべきでしょうか。現代国際法上、軍 事占領が法的に正当化されると考えられるでしょうか。 他国の同意なしに他国の領土に侵入して、これを占領することは、先に述べた 侵略行為に該当しますから、当然のことながら違法です。武力行使禁止原則の例 外として自衛権の行使が認められますが、国連憲章51条の自衛権の行使とし て、他国の領土に侵入して、これを占領するということは考えられません。 戦争と武力行使の違法化、武力行使禁止原則のもとでは、軍事占領が法的に正 当化されるとは想定できません。 もっとも、先ほど述べたことと同様に、現実には今日の国際社会において、武 力紛争が発生すると、その過程において他国領土の占領が行われることがありま す。 ここでも国際人道法が登場することになります。すなわち、軍事占領が合法に 行われたものであるか、違法に行われたものであるかは別にして、現実にある国 が他国領土を占領している場合に、軍事占領の過程で違法な行為がなされること のないよう、占領地の治安を維持し、占領地住民の生活や福祉を最大限に尊重 し、保護することを義務づけています。 決議1483は、こうした国際人道法上の占領国としての権限、責任、義務が 米英にあることを指摘して、その責任を果たすよう求めたものです。 以上をまとめると、安全保障理事会決議1483は、米英によるイラク占領が 事実上行われていることに鑑みて、米英両国に関連国際法の遵守を求めているも のであって、イラク占領の法的性格について何事かを述べたものではなく、まし てイラク占領に合法性を付与するものでもありません。 2 イラク特別事態 法案1条は、「イラク特別事態」なる概念を「安全保障理事会決議678号、 687号及び1441号並びにこれらに関連する同理事会決議に基づき国際連合 加盟国によりイラクに対して行われた武力行使並びにこれに引き続く事態」と特 徴づけています。ここでは少なくとも2つの問題を指摘できます。 1)最初に、米英によるイラク攻撃がこれら3決議に基づく正当な武力攻撃であ ったという解釈の問題点です。米英のイラク攻撃が安保理決議に基づいた行動だ という主張には非常に無理があります。この点はすでに何度も議論されてきたこ とであり、ここで繰り返す余裕はありませんが、2点だけ指摘しておきます。 第1に、これら3決議が米英に武力行使を認めたという解釈は、これら3決議 が武力行使の程度や範囲や時期について何ら言及していない事実に照らすと、安 保理が米英にほとんど無条件に権限を付与した白紙委任の決議であるということ になってしまい、とうてい採用できません。 第2に、安保理における「新決議」をめぐる経過、およびその後の各国の対応 から見ても、これら3決議が米英にイラク攻撃を授権したという解釈が国際社会 においておよそ共通認識となっていないことは明瞭です。現にフランス等は、米 英による占領への協力を拒否し、国連の枠組みでの対応を求めています。このよ うに国際社会において明らかに解釈の分かれている問題について、あたかも特定 の解釈が正当であるかのごとく主張して、自衛隊のイラク派遣を強行すること は、非常に危険なことといわなければなりません。政府が行うべきことは、「決 議はこうも解釈できる」と主張することではなく、決議の意味内容を安保理で明 白にするよう努力すること、およびイラク復興支援を国連の枠組みにもどすよう 努力することです。 2) 次に、法案1条の「これに引き続く」という表現です。この文言は、米英 のイラク攻撃が3決議により正当化され、なおかつその正当な武力行使に「これ に引き続く事態としての占領統治」が含まれると看做して、占領統治の正当性な いし合法性を唱えるものです。 しかし、ここには大きな飛躍があります。3決議が米英によるイラク攻撃を認 めた決議であるという解釈は無理であることをいったん差し置いて、仮に米英軍 のイラク攻撃が3決議に基づいた行動であったとしても、その場合、その武力行 使の目的や程度は、3決議から当然に引き出される範囲のものでなければなりま せん。従って、米英によるイラク攻撃は、「大量破壊兵器及び長距離ミサイルの 拡散」の防止に必要な範囲に限られなくてはなりません。この目的と程度から必 要な範囲を超えて、「イラクの民主化」等の名目でイラク全土を長期にわたって 軍事占領することは、明らかに必要な限度を超えていますから、むしろ3決議に 違反することになります。 3決議が「大量破壊兵器の拡散」の防止だけではなく「イラクの民主化」等を も含んで米英に授権しているという解釈は、およそ採用できません。 第1に、3決議にはそのような解釈を許すような文言がありません。 第2に、そもそも安保理にはそのような授権を行う権限がありません。国連憲章 39条は、安保理に「平和に対する脅威・・・の存在を決定」し、41条および 42条に従って「措置」をとる任務を与えていますが、平和に対する脅威を除去 するために認められる武力行使は、その目的のために必要な最小限度のものでな ければなりません。その範囲を超えて軍事占領を行うことを安保理といえども授 権することはできません。 なお、日本は交戦国ではないので、決議1483にかかわらず国際人道法とは関 係がないという解釈もとうてい採用できません。国際法は、交戦国でもない国家 が占領統治にのこのこ出かけて事実上の軍事占領に携わる事態をもともと想定し ていません。 3 戦闘地域と武器使用 次に、本法案3条3項における「安全確保支援活動」とは、具体的には米英軍 によるイラク敵対勢力に対する軍事作戦を支援するものです。それは、武器・弾 薬ではなく水や食料を輸送するものであっても、また自衛隊自身の武力行使を伴 わないものであったとしても、米英軍の軍事作戦と地理的にも時間的にも一体不 可分の武力行使にあたることは明白です。 また、「戦闘地域」と「非戦闘地域」の区別は現実にも論理的にも不可能であ ることはすでに議論されてきたことです。イラクにおける主要な戦闘は終了した とされていますが、現実には米英軍に対する抵抗が長期にわたって続いていま す。法的にも、停戦協定が結ばれていないため、戦争状態にあることは明白で す。武力抵抗がイラク全土で武力抵抗が続いている現在、「現に戦闘行為が行わ れていない」という自衛隊の活動地域についての制限は不可能であり、武器使用 の規制基準を設けていても攻撃され武器を使用した場合には事実上武力行使に発 展する可能性がきわめて高く、自衛隊のイラク派遣は、日本が海外において武力 を行使する、すなわち戦闘に参加するという憲法違反をあからさまに具体化する きわめて危険なものといわなければなりません。 現在、イラク国民は、旧政権に反対していた勢力も一致団結して、イラク国民 自身の政権樹立、米英占領軍の早期撤退を要求しています。このような状況下で 日本が自衛隊を派遣し、軍事占領体制に加わることは、イラク国民に対する侵害 であり、挑発行為となり、重大な過ちを犯すものです。 占領が長引き、イラク国民の手に政権を返すのが遅れれば、抵抗はさらに広範 に広がっていく可能性があります。このような状況下で自衛隊が派遣され、米英 占領軍の作戦の「安全確保」支援をおこなうことになれば、占領軍によるイラク の人々への弾圧と殺戮に手を貸すことになりかねません。 このことは、自衛隊員が思わず知らず戦争犯罪を犯してしまいかねない状況の 中に送り出されることを意味しています。 そうなれば、自衛隊員にも犠牲が生じる恐れが高く、自衛隊員をそのような危 険に身を晒す地域に送るべきではありません。このような重大法案にもかかわら ず、法案作成から提出、そして審議に至る過程を見ていますと、十分な審議を尽 くしてきたとも考えられません。 4 アフガニスタン国際戦犯民衆法廷 次に「アフガニスタン国際戦犯民衆法廷」という平和運動の試みをご紹介し て、戦争犯罪や人道に対する罪に国際社会はいかにして対処するべきかを述べた いと思います。 私たちは、今月21日に東京千代田区の日本教育会館におきまして、アフガニ スタン国際戦犯民衆法廷第1回公判を開廷いたします。イギリス、アメリカ、イ ンドおよび日本から5名の民衆法廷判事、日本から11名およびアメリカから1 名の民衆法廷検事が参集します。これは、国際社会において空洞化され形骸化さ れつつある武力行使禁止原則、戦争と武力行使の違法化という現代国際法の基本 原則を復権させるために、民衆のイニシアティヴによって開催する民衆法廷で す。この民衆法廷の呼びかけ人・賛同人には1000名を越える民衆が結集し ています。 民衆法廷検事団が作成し、アメリカ大使館およびホワイト・ハウスに送付した 起訴状によれば、ジョージ・ウオーカー・ブシュ米大統領は、2001年10月 7日に始めたアフガニスタン空爆に関して、侵略の罪、人道に対する罪、民間人 虐殺、捕虜虐殺・捕虜虐待の戦争犯罪で訴追されるものとなっています。 民衆法廷の歴史は、ベトナムに対するアメリカの戦争犯罪を裁くために、哲学 者バートランド・ラッセルや物理学者アインシュタインの呼びかけによって、ジ ャン・ポール・サルトルを裁判長として1966年に開催された「ラッセル・ア インシュタイン法廷」に始まります。10年前の「湾岸戦争」に際しては、アメ リカ元司法長官ラムゼイ・クラークの提唱で、やはり国際戦犯法廷が民衆によっ て開催されています。また、2000年12月には、日本の女性たちの呼びかけ に呼応して、アジアと世界各地の女性たちが協力して「日本軍性奴隷制を裁く女 性国際戦犯法廷」が東京で開催されています。 民衆法廷には、国内法上も、国際法上も、根拠が与えられてはいません。民衆 法廷が立ち上がるのは、国家や国際社会が国際法を守らないときです。 国際社会は、かつてニュルンベルク軍事裁判と極東国際軍事裁判を開催し、1 990年代には旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷とルワンダ国際刑事法廷を開催 しました。さらに、1998年7月には国際刑事裁判所規程を採択して、史上初 の普遍的管轄権を有する国際戦犯法廷が実現しようとしています。もっとも、ア メリカは国際刑事裁判所規程にいったん署名したものの、ブッシュ大統領は署名 を撤回しました。日本は署名すらしていません。 現実には多くの国際法違反の武力行使がなされ、その武力行使の過程で夥しい 戦争犯罪が犯されています。一部の戦争犯罪は裁かれるのに、特定の国家の戦争 犯罪は裁かれないという不正義を黙認するべきではありません。国際社会の現状 がそのようなものであり、国家や国際機関が現代国際法を誠実に遵守していない ならば、民衆が声をあげて、国家や国際機関に国際法の遵守を迫らなくてはなり ません。そのためのNGOの活動として、私たちは国際戦犯民衆法廷運動を発足 させました。 アフガニスタン国際戦犯民衆法廷運動は、これまで6次にわたるアフガニスタ ン戦争被害調査団を派遣して、アフガニスタンにおける難民や、民間人爆撃の被 害者を調査してきました。カブールでも、カラバーでも、クンドゥズやマザリシ ャリフでも、被害者は一般市民です。一瞬にして20名もの村人が殺害された現 場を訪れ、クラスター爆弾によって足にけがをした少年、失明した少年に会って きました。破壊されたモスクの跡で村人は悲痛に耐えながらモスクの再建をして いました。アフガニスタン各地を回ると、アメリカの戦争犯罪がよく見えてきま す。 私たちは、東京、大阪、名古屋、広島、沖縄など各地で12回にわたって公聴 会を積み重ねて、アフガニスタンを取材したジャーナリスト、NGO、国際政治 学者、国際法学者に証言をしていただき、多数の証拠を積み上げてきました。そ の成果の上に、第1回公判を迎えようとしています。 問答無用で大量破壊兵器を投下し、破壊を続ける帝国の軍事戦略が世界を混乱 させている現状に、民衆自身が向き合い、反戦平和の思想と運動を紡ぎ直す取り 組みです。 アフガニスタン国際戦犯民衆法廷は、7月21日に続いて、本年12月13日 と14日に公判を開き、判決を目指します。 同時に、私たちは現在、イラク国際戦犯民衆法廷を立ち上げるべく準備を始め ています。大量破壊兵器の嘘によって世界を欺き、何の罪もない数千人のイラク 市民を殺害し、劣化ウラン弾をまき散らして、国際平和に脅威をもたらしている ブッシュ大統領らを被告人とするイラク国際戦犯民衆法廷運動は、本年夏には立 ち上げたいと考えています。 5 歴史の廃墟と精神の廃墟 私たちは、ペシャワル付近の4つの難民キャンプで、アフガニスタン難民への 取材を繰り返してきました。アフガニスタン各地で多数の民間人犠牲者や遺族に 取材してきました。 四半世紀にわたる戦争や内戦、そして米軍による爆撃によって、アフガニスタ ンは<歴史の廃墟>と化していました。古くから文明の十字路と呼ばれたアフガ ニスタンの都市は破壊され、人々は傷つき、怯えて暮らしています。貴重な文化 が破壊され、一つの世代がまるごと破壊されてしまった悲劇を目の当たりにして きました。 「北部同盟」が横滑りした現政権は首都カブールを支配しているだけで、アフ ガニスタンには責任ある政府が欠落したままです。今なおアフガニスタンには治 安が回復していません。米英軍はいまだに軍事作戦を展開し、殺戮を続けていま す。国連も治安回復には無力です。そしてアフガニスタンは再び世界最大の麻薬 大国になっています。 アフガニスタンには「北部同盟」という受け皿があってもなお、このような有 様です。イラクには「北部同盟」に比肩すべき受け皿もなく、米英は夥しい破壊 の後に、事実上の軍事占領を強行しています。寄せ集めの評議会を発足させたも のの、占領軍が実権を握っていることを隠そうともしていません。こうした中、 無法な占領に対する人民の抵抗が続いています。治安が回復する兆しもないまま に、人々は危険、貧困、病気に脅かされ、米英軍の横暴に悩まされています。 欧米諸国による植民地支配に苦しんだ過去を持つ中東において、これまで日本 は、軍事的野心を持たない平和主義国家として歓迎されてきました。自衛隊をイ ラクに派遣し、軍事占領に加担すれば、日本の民衆と中東諸国の人々との友情に 深い傷を残すことになります。日本への期待を裏切り、信頼をずたずたに切り裂 く軽率な行為です。イラク国民が求めている支援は、軍事占領への加担ではな く、医療など国民生活の復興のための支援であり、中立、公平性、非武装が原則 の復興支援です。 破壊と殺戮と抑圧の世界を作り出し、石油支配と復興ビジネスに明け暮れる <精神の廃墟>を乗り越えるために、多くのNGOが懸命になって活動を続けて きました。自衛隊派遣は、自衛隊だけではなく、日本のNGOに対する反感を生 み出すおそれがあります。自衛隊派遣は、その意味で、NGOが取り組んでいる 復興支援に対する妨害にしかなりません。 |
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