大学文化研究室からのロハスLOHAS提案:

消費者を惑わせる『オール電化の誘い』

最近、オール電化にしたら、電気代が安くなるというお誘いを時々受ける。エネルギー資源を分散化することで、資源を大切にしていくことが謳われていたのではなかったのだろうか? と疑問に思う。LOHASを生活に取り入れようとしている人にとっては、ソーラーパネルを取り付けてのことなら別だが、お断りするのが当然のことだろう。

この電気代が安くなるという宣伝文句に、つい魅力を感じて、なぜそうなるのか説明してもらうと、電気メーターを交換してもらえることによるものだそうだ。そのことにより消費する電力が増えても、電気代が安くなるということである。そのための条件として、ガスや灯油温水器を電気温水器に取り換えることがあげられている。

もう少し、説明を聞くと、そのメーターを取り換えるには、電気を引き込んでくるところに、変圧器のようなボックスを設置するらしい。以前100ボルト電圧がヨーロッパ、オーストラリア、そして一部のアジア地域のように200ボルトに変わると聞いていたが、どのように変わるのだろうと気がかりだった。

オーストラリアには、2005年の春に学生の引率で行ったことがある。そのとき滞在していたところに200ボルトの電圧がひかれていた。日本と比べいかに電磁波が強かったか体験しているだけに、その話をすると、オール電化をお誘いしている担当の方が、そういえば、と思い出したように話し出した。

「ここから車で北西へ20〜30分ほどいったところに変電所があるが、その地域の人々で、癌になってなくなっていった人々をよく知っている。私も、あの地域に行くと、体の異常を感じる」と話し出した。

以前、あるLED(発光ダイオード)の会社の人から、「日本の信号機が全てLEDに変わると、原子力発電所はいらなくなるよ」と聞いていた。「原発がなくなるのか、それはいいなあ」とそのとき思っていたが、ソーラーパネルを取り付けることなしに、オール電化をする家庭が増えるとそれも無理なことになる。「電力会社も企業である限り、右肩上がりの相関関係をめざしていくのか」と思ってしまった。それじゃ、国の方針はどうなっているのだろうか? 

私は、このときはまだ、そのことが切実で、一般市民の生活や生命の危機につながるというところまできているとは感じていなかった。

そう、知り合いから、ここに癒しを求めてこられた人のなかで、ある女性の子供が無脳性であるということを聞くまでは。

『無脳性』どこかで聞いたことがある。そのことばが、私の脳裏を何回も横切った。以前、私のゼミのクラスで、ゼミ生みんなにネットを通して『脳のない赤ちゃん』が生まれてきているのだという場面を見せたことがあった。そうそれは、湾岸戦争後、イラクでの悲惨な状態の一場面をネットを通して訴えていたのだった。そこにはコソボでも同じようなことが起こっていたとも書かれてあった。放射能のなかの中性子線が原子や遺伝子自体を破壊してしまうことによるようだ。

放射能ってはっきり言って、電磁波の一種であるガンマー線だ。もちろん原子力発電所やその燃料からも出ている。そのサイトを見ると、ガンマー線の値を毎日表示しているはずだ。

 このことを思い浮かべながら、もう一度オール電化のお誘いに心を痛める。電気代が安くなるという価値観。

 安さ便利さの代償に、、、。