流星空のちょっといい話
“しし座流星群”いろいろな意味ですごいです。
≪自然と科学の驚異と賛美≫
本当に夜空に無数の星が流れるのです。しかもある科学者の予告通りに。
<えっ、流れ星ってこんなに見えるものなのか>
「19日午前2〜3時にしし座流星群が東の空にみえるそうです。たまにはそういう夜更かしして、そしてその日の午後の寝不足を誘発するのもいいのでは。自分も今からどっかの山にいって見に行ってくるつもりです。空はいまいちクリアーではないけど、次は33年後らしいので、とりあえず暗いところで空を見ようかなと。」
山の頂上についてホッと上を見上げる。サーーと光が左から右に流れる。
「オー」と周りで歓声があがり、
「えっ、うそうそ見えなかった。どこどこ。」
「すごい、すごい。 本当に見えるんだ。」
いろいろな声があがる。1時ちょい過ぎ、けっこうな人がいる。でもまだ流星は全然見えていないようだ。これからさらに流れだすのだろうか。
この最初のひとつの流星をみれた自分は、<ものすごく得した気分>。
そして、<安心>。
この流星の存在を承認するひとがいっぱいいる。この山にも、そしてこの星空の下で同じ時を共有している空間にも。
2001年11月19日午前2:00〜4:00
しし座流星群(Leonids meteor shower) - Temple-Tuttle彗星を母彗星(流星群の起源)とし、約33年周期で夜空に大流星雨を降らせる。
そして、この時の天空間を世界中のひとがジーッと息を吐きながらみつめている。不思議でしょ。科学者の予言を信じて、自然の可能性に期待して、星・空をみて...本当は自分をみている、のかな。
さあ、登りでちょっと暖まっている身体を冷やさないように服を着込んで、ゆっくり今宵夜空のいろいろな輝きを放つ流星のサウンドの風に乗せてもらいます。
世界の星空の下で光に乗ったのサウンドが放射線上に流れ出します。
「試験勉強で夜更かしするのではなく、こういう天体関係で夜更かしも良いかもしれないですね。次見られるのが33年後ですかぁ・・・だいぶ先ですね。なおさら今日、夜更かしするべきですね。」
「それで見れたの?」
「一個見たよ。17日の21:30頃です。しし座流星群のこと、すっかり忘れてたから感激しちゃった。でもきっと気のはやい星が、ピーク前に流れちゃったんだよね。」
「私は自分の家のベランダから見ました。5分間に10個見えました。」
「たまたま4時頃目が覚めて部屋の窓から外を覗いてみたら流れ星が降ってるってかんじでびっくり!!お陰でちょっと次の日は眠かったけど沢山願い事して1人満足。」
「幸い?田舎に住んでいるため自宅の窓からしっかりと! 空もかなり澄んでいたので、たくさん願い事をしておきました。全部叶ったら、大変なことになってしまいます。」
「1時ころに家の外に出て空を見ると、雨上がりでな〜んにも☆が見えませんでした。すやすや眠りにつきました。ところがどっこい、2〜3時ころは見えたんですね。兵庫県に住んでる人はめちゃめちゃ流れ星を見たようで感動してはりました。頑張って起きとけばな...」
「12時過ぎ頃。近くの川原だったら見えるだろう・・と思って、しかし、結構周りが明るくて、オリオン座がやっと見えるくらい。ヤバイ見えないかも〜っと思いつつ土手に仁王立ちしてジットしてると・・・やった〜見えました!!!超大物!!!そのあとも小さいのだったけど3個くらい見れました。なんか、幸せな気分になりました★」
「12月にはふたご座流星群、1月にはりゅう座流星群がが見れるらしいですよ。流星群、わたしの家なんか田舎だからベランダから見えちゃいますよ。」
「自宅から歩いて三分くらいの所に大きな公園があるので、お手軽に見てきました。結構人がいたので、びっくり。」
「「夢を見るのと、祈ること」。これだけは誰にも許された自由と、いつか読んだ小説にあった。北東を見上げると、視界になんか入った。「これだな」。am2時:オレンジ、無色の箒たちがゆるい弧を描き、長い尻尾を振って消えていく。視界をいっぱいに使って。まるで、ガラスコップの中でマッチをすり、酸欠で消えていく炎のようにサッと、視点を定めさせないように消えていく。流れ星に願いを3回...というのがあるが、それをしようとしたときに唖然とした。夢への願いも、祈りも特にない。許される自由を放棄するように、2時から寒空を眺めて10分が過ぎた。大事なものを先送りにする時間が続くように思った。」
「2:30に起きて外に出てみたんだけど、一面雲に覆われていて、残念ながらみられなかったです。寒いと思って厚着したせいかちっとも寒くなくて、かえって空気の冷たさが心地よかったりもして。そう感じられただけ起きた甲斐があったってもんかも☆」
「公園の上で見てました。雲が多かったけどけっこう見えて感激!!すごいすごい、自然の力。感謝の気持ちでいっぱいだったなぁ。」
「流星、ベランダから見えたよ。ピークは三時頃だったみたいだけど、私が見たのは四時過ぎ。だから勢いはなかったけど、放射線上に流れる星を数えきれない程見たよ。流れた星の行方が気になった。今日はやっぱりちょっと眠いね。」
「河川敷で芝生に寝転んで空を見ていました。3時ごろになると毛布をかけていても芯から冷えて少し震えてしまいました。雲が空を覆っていてあまり数を見ることは出来きませんでしたけどとても綺麗でした。それぞれ星が引く尾の色が違うのにも驚きました。ああして空を見ていると、なんだかとても心地よくて流星が見えなくてもさほど惜しい気持ちにもならず「こんなこともあるよな」なんて穏やかな気分になれたことがとても嬉しかったです。」
「今日は興奮してるんで一言。本日2:30〜3:30熊谷荒川河川敷。1時間半くらいいたけど2〜300は見えたぞ。やっぱ田舎はよく見える。」
「見ましたよ(^^)v 両親の方がめっちゃ盛り上がってて、寝てる私をわざわざ起こしにきました。今回はよく見えて感激デス!あれだけたくさんの流れ星を見れるなんてなんだか不思議で得した気分でした・・・」
「雲の間から見れたよ!」
「わしは、自宅の物干しから星空見学さ。」
「その日の天気はあんまりよくはなかったんだけどね、なんせ生まれて初めての流れ星だから、チョ〜感激だったよ!一回一回感激してたもんだから、お願い事をするのを忘れちゃって...」
「流星群、見ましたよ!家からですけど、すごいですね。33年後、またみたいです!」
「俺も見たぞ、流星群とやらを。まーそれほど意識してなかったんだけど、夜更かししててふと思い出したんだよ。2時半くらいだったかな?『そういえば今日流れ星が見られる』っちゅうことをな。俺は大阪のどまんなかだし、ベランダからだからな。まっそれでも流れ星を見た時は、もう感動したよ。『あっ!』と心で叫び声を上げた瞬間には、もう流れて見えなくなってしまってるけどな。3分間に1個ぐらいのペースで見ることが出来たよ。でも1回見つけると、また次、その次と癖になってなかなか部屋に戻れなくなっちまってな。そのうちこっちの空?それともあっち?と身を乗り出して見ようとするもんだから、同じく流れ星を見ようと外に出ていた大家さんに「ベランダから流れ落ちんよう気ーつけてや!」と一本取られてしまったよ。でもまあいい思いでやね。初めて見たのは勿論だけど、この次は33年後だろ。どうなってんのかね、その時の俺達。まー多分あまり変わってないだろうね?とりあえず俺はそのままだろう、と思います。33年後には『俺たちどうなってるか<カプセル>』を開けてみましょう。」
「流星群、見るの忘れちゃったんです(;_;)」
「ワシントンでは、19日午前3-4時が見頃だったそうです。4時ごろ外に出たとき、友達は流星をみました。私はよそみをしていて、見損ないました。
なんてこと!こちらは空はとてもクリアでしたよ・・。」
「準備万端で1時までは起きていたのですが、雲がかかっていて見れず、2時になったら見れるかな〜なんて思っていたら起きたら空は明るくなっていました。すごいくやしいですよぉ〜!!!」
「日曜3時はキツイです。」
「18日に修善寺の夜空を見たけど残念ながらみれませんでした。でも、ウーロンゴンで見たように、 久しぶりにたくさんの星が見えました。19日だったんですね。」
「私は、星を見るのは大好きなのだが、寝るのはもっと好き。というわけで、寝てました。今年一番の星空は、2月に御殿場で見たものです。やープラネタリウムのようだった。」
「山へ見に行ったと言っていたのできっときれいに見れたでしょうね。実際目で見て感じた経験って必ず自分にプラスになるよね。話を聞いて意欲が湧いてきました。」
「豪や北京でも見えたみたいですね。今回逃してしまったので、33年後を目指します。」
「こちらはあいにくの雨で流星をみることができませんでした。」
「その頃は小生眠ってしまっていました。まだ見る機会があるかなあ、なんて思っていますが、おきているのが簡単ではないです。テレビの映像でも見て偲ぶよりしょうがありません。」
「私は寝てしまいました。」
「流星、残念ながらみる事ができませんでした。 次のチャンスがめぐってくる頃には私もおばちゃんかぁ。(笑)」
「終わってからニュースで知りました。ショック・・・。」
「寝てしまい気がついたら朝でした...テレビ見たらかなり見えたとのことで、すごいショックですよー・・・」
「あいにくシドニーは今日、朝からすうーーんっげえ雨が降ったり止んだり、そして今も少し降ってます。33年後を待つか・・・。」
「ひょっとして高尾の奥のほうまで行かれたとか?せっかくの33年に一度のチャンスなので私も夜更かししようと思ったのですが、流星が見られる頃には爆睡していました。一応がんばって起きていようとしたんですが・・・。33年後には熱い缶コーヒーでも飲みながら観賞したいものです。」
その頃高尾の山の上では
「オー」
「オー」
「なんか。オーしか言えないなぁ。次こそは願いごとを言わなければ。」
「オー」
「ダメだな。そうだ、王になりたいという願いをこめて、おう(王)を3回言おう」
「ほんとほんと、オーっていっちゃうよ。」
「金持ちになりたいじゃ。長すぎて言いきれない。」
「私は省略するよ。<絶対にかわいくなる>をゼツカワって」
「省略していいのかよ。」
「いいの。」
「長寿、長寿、長寿。」
「長生きしたの?」
「死ぬの恐いじゃん。」
「やばい、やばい、みた今の。」
「花火みたいだなぁ。」
「オー、オー、、、、オ、オー、すげえぇ、すげぇ。」
「今の何連発だ、、」
2時と4時頃、しし座のまわりの雲はクリアーになる。多少光害があるが星はきれいに見え、そしてあるとき突如パッと流れる、光の線をきれいに残して。たまに2つ並んで、3つ続いて、4方、5方向にちょっとした時間差で。光の輝きと共に人の様々な声もやまない。 雑音、、いいんじゃない。それぞれの光に乗っているんだから。
「さむい、寒い。もう限界。」
「早く終わってくれ。帰れないじゃん。」
「オーッ...」
「どこ、どこ。」
結局だれもあたりがぼんやりと明るくなるまで動こうとしない。
「兄貴、昨日どうだった。」
「すげぇ、やばいよ、あれは。」
「だれかといったの?」
「1人だよ。」
「情けねぇな。」
「本当に。あんたはだれかいないの。」
「うるせぇ。」
そんなオレ、1人そんな光と音に囲まれ、
<夢、夢、夢、、、夢、夢、夢>と唱える。
たまに<金、金、金>とも唱えてみるがなんか違う。そこで<女、女、女>、いやそれは下劣すぎるな。では<愛、愛、愛>、うそくせぇ。やっぱ、<夢、夢、夢>かな。生きているうちに楽しい夢がいっぱいみれればいいかな。いろんな夢が出きればかなって、さらになくなることのないいろんな夢をもてればいいのかなと。夢じゃぁ漠然としているか?って、生きていること、人生、生命ってこと自体が漠然としているんじゃないのかな。
そう、そういうばかな夢は1人でみた方がいいのかもしれない。でもどっか空の下でそんな夢流星をだれかと共有しているのかも、したいのかもしれない、みんな。
「兄貴、ちょっとメガネ貸して。」
「うるせぇなぁ、今何時だ。夢みてるんだよ。」
「1時ぐらいかな。」
「......今からみるのかね、おとうとくん、ひとりで。」
「いいだろ、どこにあるの。」
<そういう気まぐれはひとりでいいんだよ>
<ハッ、今オレはどこにいるんだ...>
あたまの中がぐるぐる回り、現実の記憶の回路を読み込み返している。
<ウー、昨夜流星をみて、今はふとんの中か>
なんかうれしくて笑みがこぼれる。われながら気持ちが悪い。
いい夢でもみたのだろうか。わからない。
2002年11月19日未明、
しし座流星群、昨年ほどの量ではないが、美しい光が満月の夜に流れる。
富士山五合目で、西にそびえる富士の頂きに明月がしずみ行く中、東の空に光が突然現れ残ることない線を引き消えていく。また現れるんではないかという期待のもと白い息を吐きながら空に散らばる星星をずっーと見上げ続ける。
片手で数えられる程度、でもそのぐらいが丁度ありがたみがあっていいのかもしれない。そして、その時、流れ星をみて純粋に喜んでいる自分、男の子がそこにいるのに気付く。
誰もが突然の不思議に、ただ声を発し満足する。
「うっそ!?って結構大きい声で言ってましたよ(笑)。お願い事3回は知らなかった…」
「澄んだ空気の中で見上げる夜空の神秘を体いっぱいに感じたら、それだけで充分幸せな気持ちになって、願い事なんてちっぽけに思えるかもな…。自分の存在さえもちっぽけに思えるよね。」
願いはいつも思っていればいつかかなう。突然の流れ星、その時さえにも出てくる程の強い願いを持ちつづけてさえいればいつか現実になると。
<人間、望めば成し、望まねば成らぬ>
望みのために一所懸命奔走していれば、いつか必ず報われる。そういうものだろう。
流星、今年は夏のペルセウス流星群に続いて2度目。癖になりそう、もうすでになってるかなぁ。
でも、いだくのは自由ですから。
「三年前位でしょうか、近くの学校のグラウンドに忍び込んで見てました。今年は見られなかったのですが、流れる星を見ているとその一つ一つが遥か昔の恒星の光かと思うとなにか感動するものを覚えます。流星群は彗星の欠片なのですがそれはそれで良いものです。東京は数えるくらいしか星がなく、見上げれば降ってきそうなくらい星が輝いていた北海道を懐かしく思います。」
「全く知らない人がたくさん同じ物をあんなに遅い時間に見ているなんてなんとなくステキな感じだよね!」
「1つのことを、誰もが違うように思う世の中だから「ちょっといい」。」
やっぱ流星、自然現象ってすごいんだなって、かなわない。仲間からのメールや電話の反響が普段とは全然違う。
やっぱ大きい、流星(という二文字)に対する反応と感受性は。
<空にそれぞれ流れるサウンドのトレジャー>
大事にしたい。
山内潤一郎