藤崎版封神演義
太公望は崑崙浮遊石で居眠り
元始天尊が起こして使いに出す事
ぐー…ぐー…
寝ている。
太公望は座禅を組みながら寝ていた。
崑崙山脈はいつもの通り高所恐怖症の敵である。
しかし太公望はお構い無しに寝ている。
「おきんかーっ!!」
誰かが大声で叫ぶ。なのに太公望は動じない。
「ぐー」
「おきんかーっ!!」
誰かがまたもや大声で叫ぶ。なのに太公望は動じない。
「ぐー」
「大物ですね〜」
「はくつるよ…こやつは大物ではなくて大馬鹿と言うのだ…
原始ビームっ!!!」
原始天尊の額から怪光線が発せられた。
太公望の足場を木端微塵に破壊する。
「どわあああああっ!!!」
耳栓をふっ飛ばして攻撃を躱す太公望。
「おお、起きておったのか」
さらりと言ってのける原始天尊。
しかし太公望は食いつくように、
「起きておったのかではないでしょうが!!
わしを殺す気ですかっ!!」
「そうだ」
ドタッ!!
「うわっ!うわっ!」
「ああ、太公望師叔が崖から落ちそうだ」
おろおろする白鶴。
「うむ、これも修行というものだの」
☆ ★ ☆
「という訳で、おつかいに行ってこい」
天尊が命令する。
「わしは修行しておったのです!」
「寝とったくせにごちゃごちゃいうでない、
ささ、行け。最初は雲中子の所じゃ」
といって、どさっと大量の荷物を取り出す原始天尊。
これは崑崙12仙の全員に回れという事なのでは…
「そうではない、とりあえず雲中子と太乙と道徳だ」
「とりあえずとは何ですか?」
「そのうち増える」
「まったくもう…」
ぶつぶつ言いながら歩き出す太公望でありました。
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てくてく・・・ 投稿者:Zenifer 投稿日:09月09日(木)22時51分43秒
「面白そうな事になってきましたね・・・」
シンコウヒョウは物陰からいつもの様に眺めていた。
個人的感想を言わせて貰えるなら、彼の行動はストーカーとしか思えない。
「しっかし崑崙山でもキワモノと呼ばれる連中ばかりではないかのう・・・」
太公望は気づかず、お供のスープ―と会話を弾ませている。
「まったく・・・これでシンコウヒョウがおれば変態仙人四天王と言った具合だのう・・・」
シンコウヒョウのコメカミに怒りマークが浮かぶ。
一応、彼にとっても、あの3人と同じ扱いを受けるのは不快らしい。
そうとは知らず、太公望はスープ―との話に花を咲かせている。
それとは別に頭の中は自称彼のライバルの事を思い浮かべていた。
・・・歴史の影に潜み、その歴史という舞台の華である「戦い」を眺める事が趣味と言う。
しかし、それは歴史の傍観者と言うのかもしれない。そして彼なりの人生哲学なのかもしれない。
――――道化――――
毒に包んだ言葉しか投げかけられない、孤独な存在。
絶対無敵であり、そして全ての仙人・道士の実力のピラミッドの頂点に圧倒的な実力で君臨している者。
でも、物陰からそっといつも太公望を観察しているその姿・明らかにいっちゃっているファッションは・・・(笑)
それはさておき、健気に星●ュウマのお姉さんのようなストーカーの彼はさておき、太公望はテクテク歩く。
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「いやあああああっ!!」 投稿者:相馬鳥耶 投稿日:09月10日(金)15時17分17秒
「いやあああああっ!!」
見ると向こうの山から女の子が走ってくる。
女の子は太公望を認めると、
一目散にこちらに駆けてきた。
「おや?蝉玉ではないか」
「太公望〜!!助けて〜!!」
「どうしたのだ?」
まだ良く状況が飲み込めない太公望だったが、
向こうから雲中子が走ってくるのを見つけて納得した。
「あ、こんな所にいたのか、蝉玉君。
さぁ、研究室に戻ろう」
「いや!」
「対した事はしないってただこのバイオキシンZ改良版の効き目を試すだけなんだから」
とうねうねした触角が大量についたナマモノを差し出す。
「雲中子!!いいかげん他人を実験台にするのはやめんか!!
やるなら自分にやれっ!」
しかし雲中子は不満そうに
「だけどね、太公望。
僕はもう使用中なんだ。ほら」
雲中子が服をたくし上げた。
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雲中子のクスリ。 投稿者:ホルテンテン 投稿日:09月10日(金)18時33分10秒
雲中子の腹には緑のネバネバがついており
大変な事になっている。
「雲中子・・・それは何のためにつけているのだ・・・?」
「よく聞いてくれたねぇ、このバイオキシンZ改は仙人の精力を
極限まで高める事ができるんだよ。太公望、キミも使ってみるかい?(ニヤリ)」
「・・・・・・んなモノいるかっ!わしはまだそんな物は・・・あ!そういえば
お主に届け物だ。ほれ、受け取れ」
雲中子は太公望から荷物を受け取ると、蝉玉の方を向いた。
「これは元始天尊様秘伝の媚薬なんだけど、これも試してみようか?」
「いやあああああっっ!!!」
そういいながら蝉玉は一目散に逃げ出した。
が、雲中子はバイオキシンZ改のおかげであっという間に追いついてしまった。
「いやあああっ!離して!」
「ダメだよ。実験したら返してあげるからね。」
「・・・・・・おそろしいのう・・・まあ荷物を渡したからよいか。次は誰かのう・・・
む、次は太乙か・・・ゆくぞ!スープー!」
といって太公望は雲中子にヤられそうになっている蝉玉をおいて出発した。
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蝉玉危うし・・・ 投稿者:Zenifer 投稿日:09月11日(土)00時53分44秒
蝉玉は焦っていた。
マジに焦っていた。
超絶部男の土公孫に言い寄ってみたり、じゃじゃ馬振りを発揮したり、太公望をくどい顔にしてみたり・・・(笑)
結構な無敵振り(=フラワー振り)を発揮している彼女だが、今日、この瞬間に関しては心底、
そう、彼女の嫌いな「鳥」である、鳩ポッポの集団にえさをくれーと囲まれたときよりも焦っていた。
くだらないナレーションをしているうちにも雲中子は両手を天に掲げて、その妙に器用な指先をわきわきさせながらにじり寄っている。
ところで、彼女が「鳥」を嫌いになった理由は「劉環」と言う男にそれはそれはストーキング+妄想的に追い回されたからと言う。
その彼の宝貝が「トリ」だったゆえに、トリを恐れるようになったと言うのだ。
今日の雲中子は、その劉環よりもヤバげな雰囲気を発散していた。
もうそれは、バイアグラとガラナドリンク、そのうえマムシゲンD他を一杯与え、年甲斐も無く発情しまくりの
40代の中年オヤヂドモの群れに、現役のぶるま姿の美少女を放り込んだ時のそれに近い狂気だったと後の人は静かに語る。。
おまけに劉環と雲中子は似たような雰囲気の持ち主だった。
二人とも「アレ」な人だからだろうか・・・なんていうか蝉玉の体が、運中子の存在全体を「アレ」でヤバイ・・・危険と告げていた。
しかも今日の彼は相当キてる・・・蝉玉は本能レベルでそう感じ取った。
そんな蝉玉の体は勿論、全身総毛立ちで、しかも腰まで抜けている。
最早、口を開いても意味の不明瞭なあわわわわわ・・・と言った類の言葉しか出なかった。
雲中子は彼女のその反応を楽しんでいるのだろうか?
1歩1歩をにじり寄る様に、それで居て気を抜いた瞬間にびよよ〜んと飛び掛ってきそうな・・・
そう、まるで泥酔拳のように1歩1歩をふらふらと、それでいて確実に詰めてきている。
一方、蝉玉は腰が抜けてしまい、逃げる事もままならない。
少年誌なら正義のヒーローがもうそろそろ助けに来る頃だ。
成年誌ならば、意味ありげなこのあたりで次回をお楽しみに・・・といった按配である。
・・・・・・・土公孫さま!!
乙女蝉玉、一心に愛しいあの人が助けに来てくれる事を祈った。
(ナレーター的には来ない方がこれを読んでいる読者は喜ぶだろうと思う)
・・・・・・!!その時・・・・・蝉玉と雲中子を見下ろす位置の崖っぷちから人影が!!・・・・・
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Page written by Eque Somatoya
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