るろうに剣心


品川の夜

東海道五十三次、東海道中膝栗毛でやじきたが上っていった道を 一路江戸に向けて下る二人連れがいた。 いやすでに江戸は「東京府」と呼ばれるように なったのであるから上っているのだが。 お下げの少年が黒い着物で長身の男に話し掛ける。 「蒼紫様、暗くなっちゃいましたね…今日は品川宿で泊りかぁ…」 「一刻も早く着きたいと思って急ぎすぎたな。 半端な場所だ…」 手に持った刀で肩を叩いて言う。 少年と思ったがどうやら違うようだ。 巻町操という少女らしい。 ☆ ★ ☆ 「お二人様ご案内〜!」 旅装を解いて上がり込む二人。 座敷に案内されて、部屋に入ろうとすると丁度隣の部屋から 出ようとする三人組と出くわした。 「おおっ、別嬪さんだねぇ」 「こっちもなかなかの男前だぜ」 突然軽口を叩き始める三人組。 「いやぁ、そんなぁ…」 操は照れて頭を掻き始めるが、 蒼紫は気にもかけずに部屋に入ろうとする。 「いやぁなかなかこんな二枚目の組み合わせはないぜ」 「兄弟かい?」 「怒りの怪鳥蹴りっ!!」 ゲシッ!! 「な…なにしやがんでぃ!!」 「このダラスケ!!あんたの目は節穴かいっ!!」 「あぁ、ああ分かった。兄弟じゃねえのか」 「すまなかったなぁ」 「分かればいい」 「もしかして恋人かい?」 「え…そんなぁ…」 また照れる操。 しかし三人組は去り際にとんでもないことを 呟いていった。 「なんだあの兄ちゃん衆道の気があるのか…」 ☆ ★ ☆ 「蒼紫様ぁ〜…」 リーヤのうるうる目をする操。 「あの三人組ね、あの天保銭と表六玉とアンコウが…」 「わかったわかった…」 操の頭を抱いてやる蒼紫。 「まさか町人相手に本気になる訳にもいかんだろう…」 「う〜…」 頭を撫でながらじっと操を見詰めている蒼紫。 (可愛い…) 「あれ…蒼紫さま…ここ…」 操が蒼紫の身体の変化に気付く。 「……」 何も言わずに口付けをする蒼紫。 「あ…」 そのまま布団に押し倒される操。 身体中で蒼紫の体重を感じる。 「ぷはっ…蒼紫様…」 何も答えずに手を懐に差し入れる蒼紫。 ささやかな膨らみが蒼紫の手を迎える。 手のひらに収まるぐらいのそれの感触を暫く 楽しんでから手を引きぬく。 「……」 顔を赤らめつつも快感と恥ずかしさに耐える操。 蒼紫の手が帯にかかってするりと解いてしまう。 これから起きることへの期待と恐れに操は思わず身を硬くした。 蒼紫の手が着物のあわせを開く。 あまり豊でない双丘が姿を現わした。 「あぅ…」 操の敏感な部分に手で優しく触れる蒼紫。 その丘のふもとから頂上に向けて指でなぞっていく。 「あっ…」 先端の突起に達すると同時に操の身体が小さく震える。 微かに力を入れて乳首をつまみ、もてあそぶ蒼紫。 右手はそのまま上を責めつつ左手がするすると下に降りて行く。 「きゃ…」 短ズボンの上から彼女の一番敏感な部分をそっと刺激する。 淡い膨らみに沿って中央の線状に窪んだ部分をなぞる。 「……」 歯を食いしばってその快感に耐える操。 そうでもしないと声を上げてしまうだろう。 蒼紫の手が優しく短ズボンを脱がした。 下帯をゆっくりと解いていく。 操の萌え出でる薄い春草に包まれたその淡い膨らみが 軽く閉じた切れ目と共に姿を現わした。 そこは蒼紫の先ほどからの責めでうっすらと湿っている。 「……」 蒼紫は終始無言だ。 興奮しているようにさえ見えない。 彼は冷静に指で操の口を犯す。 「あふ…」 暫く濡れて温かい舌の感触を楽しみつつ指を唾に濡らしていく。 そして充分に濡れた所を見計らって指を割れ目に伸ばす。 操の唾液で濡れ具合を良くするために彼女自身の体液をそこに塗りたくる。 何度も何度も割れ目に沿って指をなすり付ける。 圧力を微妙に変化させつつ内部に浅く侵入したかと思うと 次の瞬間には抜け出ている。 すると彼女の内部からも愛液が分泌されてきた。 それを確かめると蒼紫は指を今度は深く侵入させていった。 突然の刺激に操は思わず声をだしてしまう。 「あぁっ…!!」 指は爪で彼女の中を傷つけないように慎重に、 また大胆に膣内を暴れまわる。 中指の腹が円運動をしつつ膣の天井を刺激する。 絶え間無く送り込まれる強烈な刺激に操は目をつぶって 布団を握り締めて耐えている。 あまりの激しさに微かに涙が零れた。 「……」 蒼紫は無言で指を引き抜く。 刺激が止まったので操は目をつぶったまま ぐったりとなって荒い息をしている。 「…入れるぞ…」 「…はい…蒼紫様」 操が手を伸ばして蒼紫に抱き着く。 それと同時に蒼紫はみずからの物を操の秘所にあてがい、 侵入を果たす。 「あっ…ぐ…」 まだ性交に慣れてはいない操の体では蒼紫の物を 迎え入れるには少々無理があるようだった。 蒼紫と一体になっている幸福と性交時の痛みを同時に感じつつ、 すこしでもそれを忘れようと蒼紫に強くしがみつく。 「…まだ痛いか?」 「…いえ…大丈夫です…蒼紫様…」 涙に濡れた目を開いて、優しく微笑みつつ言う操。 (やっぱり可愛い) 蒼紫の中に操への愛情が溢れてくる。 腰の動きを止めると優しく口付けをした。 「蒼紫様…」 唇を離すと下半身の動きを再開した。 最初はゆっくりと、だがだんだん出し入れを早める蒼紫。 「あっ…あっ…ああっ!!!」 ついに堪えきれずに声を上げる操。 蒼紫の動きに連れて身体が揺れる。 痛かったはずの性交もだんだんと快感に変ってくる。 「出すぞ…」 そういうと蒼紫は操の中に精を吐き出した。 ☆ ★ ☆ ことが終った後で操がごねている。 「…うー…もう一度するんですか?」 「そうだ。…もしかしてまだ痛むか?」 「……蒼紫様、こちらでさせてください…」 さっき出したばかりなのにすでに雄々しく復活した蒼紫の それを操はいとおしそうに握り締める。 それを丁寧に両手で揉みながら上下に扱き上げた。 こんどは蒼紫が快感に耐える番だった。 (…出ないなぁ…) 無表情なままの蒼紫を見つめて手の動きを早める操。 でもあまり効果はなさそうだった。 「蒼紫様、口で…」 そういうと彼の物を口に含む操。 突然の温かく濡れ切った感触に蒼紫の顔が一瞬歪む。 「はぁ…はぁ…はむ…ふむ…」 蒼紫のそれを含んだまま顔を上下させる操。 そして舌で優しくねっとりと絡み付く。 「ぐっ…」 ついに蒼紫も操の口の中で果てた。 ☆ ★ ☆ 「下で一発、口で一発、そのあとにあと三発かぁ…」 「元気だねぇ…若い者は」 「お前の若い頃は元気じゃなかったのかよ」 「こいつなぁ…昔瘡が鼻にとおって落ちたようなやつと…」 「それを言うない、ありゃ〜酷ぇ女だった。 ロウで鼻をついでやがるんだ。」 翌朝、操が手洗いに行こうと廊下に出ると 隣の三人組が喋りながら出てきた所に出くわした。 「あ、馬鹿三人組」 操が露骨に嫌そうな顔をする。 しかし三人組のほうは意にも解せずに 「よう!やっぱり後ろは痛いだろう?菊門は慣れねぇと難しいもんなんだ…」 「死ね、助平親父」 怒りの怪鳥蹴りが三人組に炸裂した。 「な、なにをしやがるこのくそ坊主!」 「だから私は女だっ!!」 「…なんだってぇ?…いやその嘘はいけねえやどう見ても…」 ガシッ!! 「くそう!!こっちも殴られているだけと思うなよ! こっちにはなぁあの米田の親分さんがついているんだぞ!」 「そうだそうだ米田の親分さんの所には元隠密御庭番衆の腕利きがいるんだからな!」 ガラッ… ふすまが開いて蒼紫が身を乗り出してくる。 「こいつは女だ…ちゃんと前でしたからわかってる。 それより聞き捨てならんことを聞いたな…隠密御庭番衆だと? 詳しく話せ」 「なんだぁ?兄ちゃんやる気か?」 ドスッ… くないが男の顔の真横の壁に突き刺さる。 「おとなしく話しな…怪我をするよ」 操がくないを抜いて言い放った。 ☆ ★ ☆ 橋を歩いている少年と青年の二人連れ… 失礼。 「結局夜になっちゃったね…」 「くだらん…ただのハッタリだったとは」 「まぁ蒼紫様がちゃんと正業につけた皆が悪事を働く訳が 無いってことが証明されたんだし…」 「そうだな…ところであれは弥彦じゃないのか?」 「あれ?本当だ」 巻之二十四41Pに続く(笑)
あとがき
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Page written by Eque Somatoya Novels written by Souma Toriya