幽遊白書
笑ってくれ2
>HIEI SIDE
気が付いた時には追放されようとしていた。
そして馬鹿な雪女が
「帰ってきて、私たちを殺してちょうだい」
と言っていた。
俺は、絶対にそうしてやろうと思った。
☆ ★ ☆
それから俺は一人だった。
周りは弱くて、
馬鹿ばかりだった。
取り敢えず殺していた。
☆ ★ ☆
氷女の国を見つけることは不可能だと悟ったのは、
それから暫くだった。
妖怪としての質を変えてまで邪眼を手に入れたが、
それには代償が要った。
「能力は最弱まで落ちる」
「そして、人生の一部。
妹を見つけても名乗らない事」
どうでもよかった。
見つけたら犯す積もりだったからだ。
氷女を全員犯す。
そうすれば全員死ぬだろう。
☆ ★ ☆
弱くなったのは幸いだった。
人間界にも簡単に入れる。
妹は魔界に居なかった。
だから人間界にまで捜索の手を伸ばした。
だが、そこで馬鹿な人間と出会った。
☆ ★ ☆
俺は少しづつ変って行くのを実感していた。
どこまで行っても低レベルな馬鹿ばかりだったが、
今は俺がその低レベルな馬鹿の一人だ。
それに気が付かずに死ぬほど俺も馬鹿ではなかった。
いや、馬鹿では無くなった。
☆ ★ ☆
垂金の所で、妹を見つけたのは、
それからしばらくの事だった。
妹は毅然としていた。
だが脅えていた。
泣いていた。
苦しんでいた。
見つけたら犯すつもりだったが、
そんな気分はなくなっていた。
☆ ★ ☆
今、あいつは人間界に居る。
そして俺の知る限りもっとも馬鹿な人間の所に居るらしい。
とりあえずそれでいい。
あいつはあの人間と居る時に笑った。
だから。
☆ ★ ☆
躯は震えていた。
脅えていた。
苦しんでいた。
だから?
☆ ★ ☆
「あの幻想は殺意を抱いた時に出てくる保険だ」
「お前が苦しんでいるのを知って悦んでいた」
「好きにしろ。飽きたら殺せばいい」
☆ ★ ☆
「ハッピーバースディ」
誕生日プレゼントは『ブタ』にした。
その時躯は笑った。
何かから解放されたような、
心から自然に出てくるような笑み。
妹の時と逆だった。
その顔を見て、
犯したくなった。
☆ ★ ☆
ベッドに押し倒すと、
躯が呟いた。
「飛影…」
取り敢えず言う。
「犯させろ」
一瞬、躯はたじろいだようだったが、
すこし顔をしかめると、
観念したかのように言う。
「…いいぜ」
躯はもう笑っていなかった。
躯は『オモチャ』としてのセックスしかしらない。
だから、飛影に求められた時。
『オモチャ』に戻った。
躯はもう笑っていなかった。
そしてそれを見た俺は哀しくなった。
「…やめだ」
躯はきょとんとしていた。
痛くても、
辛くても、
一度くらいならと思っていたのだろう。
馬鹿。
☆ ★ ☆
翌日。躯の寝所に行くと、
躯が話し掛けてきた。
「飛影…なんで…」
躯は理解できていない。
俺も理解できているわけではない。
だが、笑ってほしい。
それだけだ。
☆ ★ ☆
しばらく話し込んだ。
回収のこと。
大会のこと。
人間界のこと。
浦飯がいかに馬鹿かと言う話をした。
すると彼女は笑った。
今度は同じまちがいはしない。
俺は躯の顔に手をやると、
軽く口付けをした。
それだけで彼女の体は震える。
表情が硬くなる。
彼女が俺を殺さないのは
…偶然か。
それ以上は何もしなかった。
回復を待ちたかったし、
それに死にたくも無い。
☆ ★ ☆
毎日そんな風だった。
彼女を少しづつならしていった。
心の回復。
俺も忍耐強くなったものである。
☆ ★ ☆
ある日。
寝所で躯がキスを求めてきた。
応じる。
焼け爛れた左顔が目の前に来た。
嫌悪感はない。
それどころか愛しい。
柔らかな唇の感触をしばらく楽しんでいたら、
躯が俺を押し倒した。
「飛影…オレはもう大丈夫だ。
だから…させてくれ」
☆ ★ ☆
躯は俺のズボンを下ろすと、
俺の肉棒をつかみ出した。
右手で優しく撫でると、
口に含む。
「んっ…」
あっという間に生暖かい粘膜に包まれた。
躯は舌を絡めながら頭を上下に動かしはじめる。
断続的に飛影の棒の根の部分が顔を出す。
飛影はその快感に流されそうになったが、
なんとか踏みとどまると、
「躯…待て」
躯の口から愛撫されていた部分を抜き出した。
その部分は躯の唾液でぬらぬらと光っていた。
「…飛影!」
躯が怒ったような顔をする。
俺は無言で、逆に躯を押し倒した。
シャツの中に手を入れて、
胸を弄る。
右胸は爛れた感触で少し堅い。
しかし乳首のあるハズの部分を指先で責めると、
躯の体に反応が出てきた。
モゾモゾとシャツの中で手が動く。
俺は躯のシャツを脱がせると、
左胸の先っぽを口で吸った。
お椀を被せたように形の良い胸は、
手に吸い付くほどに柔らかい。
赤黒い皮膚に包まれた右胸も、
忘れずに愛撫する。
口に含んだ乳首を舌で転がす。
するとだんだんと堅く勃ってきた。
「はぁっ…」
躯が耐え切れずに色っぽいため息を吐く。
顔もすこし上気してきて、
桜色に染まっている。
俺は開いている右手を躯の股間にやった。
ズボンの上から、
大体の予想をつけて撫でる。
突然躯が俺にしがみ付いた。
手が俺を乳房に押付ける。
息が詰まる。
「うぷっ…」
「あっ…飛影…」
気付いた躯が手を放す。
気恥ずかしそうに躯は笑った。
笑っている。
☆ ★ ☆
「ああっ…はぁあっ…」
躯がだんだんと甘い声を上げはじめた。
ズボンを脱がせて、
股間に顔を埋め、
下着の上から奥に隠れた部分を舌で責めている。
「飛影…飛影…もっと…」
たしかに下着の上からでは物足りないだろう。
しかし少しづつ俺の唾液以外のものが下着を濡らしはじめている。
下着を脱がすと、
指を使って茂みの奥を探索する。
ほどなく愛液が溢れつつある泉を見つけた。
そこを重点的にイジる。
☆ ★ ☆
「飛影…もうだめ…」
躯は突然起き上がると、
俺に覆い被さった。
屹立する俺のモノを手で掴むと、
すこしづつソレに向かって腰を下ろす。
ズブ…ズブ…
溢れんばかりの愛液が潤滑油となって、
順調に躯の蜜壷は俺の肉棒を飲み込んでいく。
ぴっちりした膣内の感触が、
俺に絡み付いてくる。
「あああっ…」
最後まで飲み込むと躯は歓喜の声を上げた。
俺は繋がったまま動かなくなった躯を寝床に横たえると、
抽送を開始した。
俺は腰を動かして猛り立った俺のモノを出し入れし始めた。
その度に不規則に締め付けてくる躯の膣内の圧力が変る。
「はああっ…ああん…あああっ!!」
躯はもはや快感に溺れ、
涙を流しながら飛影を受け止めている。
「んっ…!」
「あああああっ!!」
そして二人とも絶頂を迎えた。
☆ ★ ☆
「…こんなに気持ち良かった覚えはないぜ」
躯が飛影の体を突っつく。
「愛が無かったからだろ」
飛影は無愛想にそれだけ言うと、
向こうを向いた。
「…ん?」
躯は一瞬納得しかけたが、
飛影の発言に驚いて飛影の方を向いた。
飛影は柄にも無い事を言って真っ赤だ。
「ははは!真っ赤だぜお前」
躯が無心に笑う。
飛影は振り向かずに言う。
「愛しているから笑ってくれ」
躯はもっと笑った。
そして飛影は少し嬉しかった。
あとがき
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Page written by Eque Somatoya
Novels written by Souma Toriya