シャーマンキング


そしてこの夜にあたしは

                                                 チリーン… 「いい度胸じゃない」 立ち尽くしたまま言った。 「帰るなりあたしにあいさつもなしで寝るなんてさ」 シャーマンファイト前夜。 葉の寝室を訪れたアンナ。 しかし葉は布団を被ったまま。 一言もない。 葉の枕もとにはヘッドフォンが横たわり、 蓄音機にはレコードが置かれていた。 葉はいつも寝る前にレコードを聞く。 今日もいつもと同じ… 「フン…相変わらず普段どおりなのね。 明日はいよいよ本戦だっていうのに」 なんか自分が馬鹿らしく思えて、 荷物を葉に投げつけて、 適当におやすみを言って部屋から出てしまった。 起きて引き止めてくれるんじゃないか… そんなことも思いつつ。          ☆       ★      ☆ ギシ… (…葉。 あんたは――本当に強くなったよね) (昼間はたまおにあんな事言ったけど。 あんたは何があっても動じない本当の強さを身に付けたわ) たまおは寝ている… それだけ確認して音がしないように襖を閉める。 (…なごりを惜しんでるのはあたしの方よ。 あんたはもう明日からこの「炎」にはいないんだもの) このままバラバラに明日を迎えるなんて… 嫌だ。          ☆       ★      ☆ 何時の間にかまたアンナは葉の寝室に居た。 「今夜だけは一緒に寝てもいいよね」 「…」 静かだ。 僅か数秒の間をアンナは酷く長く感じた。 葉がまだ寝ていたら… あたしは葉にとって何なんだろう。 二度と逢えないかも知れないのに、 普段どおりに接するだけの対象なの…? それとも…絶対また逢えると思ってるから? 「おお」          ☆       ★      ☆ 布団の中は暖かい。 葉のぬくもりがすぐそこにあった。 だけど… そのすぐそこが遠い。 もっと近くに葉がほしい。 それなのに身体が動かない。 なぜか自分の心臓の音ばかり聞こえる。          ☆       ★      ☆ ぎゅ… 突然手を握られた。 ふと気付くと葉がこっちを向いて微笑みかけていた。 すごく落ち着く。 自然に笑みがこぼれて、 葉に微笑み返していた。          ☆       ★      ☆ そしてゆっくりと抱き寄せられて、 葉の唇があたしのに触れる。 柔らかい。 葉のぬくもりがもっとちかくにあった。 あたしも葉の背中に手を回す。 葉をあたしのものにするんだ。          ☆       ★      ☆ 葉の手がそっとあたしの首筋を撫でる。 触れるか触れないかぐらいの強さで、 少しずつ上にあがってきて、 髪の生え際から耳のあたりを触ってきた。 なんかとても気持ちがいい。 そしてもう一度キスされた。          ☆       ★      ☆ 葉の右手が首筋から背筋へとだんだん下がってくる。 腰にまわってきて… ふくらみのあたりを撫で始める。 同時にキスも首筋から胸元まで下がってきた。 「ん…」          ☆       ★      ☆ なんかいろいろされてるうちに胸元がはだけられていた。 葉の手があたしの胸を触っている。 ささやかにふくらんだ部分をゆっくりと撫でていた。 そして小さな突起にキスされる。 ピクッ… 弱い電流が身体を流れたように身体が反応する。 でも葉はキスを続ける。 なんかこそばゆいような頭の中が痒いような感覚が身体を駆け巡る。 「あっ…」 つい声が出てしまった。 葉もちょっとびっくりしたようにあたしの顔を見上げる。 なんか恥ずかしくて顔が熱くなっているのが自分でもわかった。 きっと真っ赤なんだろう。 葉はそんなあたしを見てにっこりと微笑むと、 またキスをし始めた。 あたしはあお向けにされた。 今度は胸元から帯を解いて、おなかにキスし始める。 だけど葉はそこで止まらずにもっと下まで降りてきた。 足を開かれる。 葉があたしのあの部分にキスする。 「…んっ!」 なぜか軽いキスが奥まで響く。 葉の舌がその部分を這いまわる。 その動きがそのたびに大きく増幅されて、 身体中に響くのが分かる。          ☆       ★      ☆ 葉の舌がすこし上に上がった。 突然震えるような快感が襲ってくる。 「…ん…くぅ…」 あたしが身体を震わすのに気付いた葉は、 さらにその部分を責め始めた。 「あっ…んっ…んんっ…ああっ!」          ☆       ★      ☆ ちょっと気が遠くなっていたらしい。 ぐったりとしたあたしを葉が抱きしめてくれていた。 こんどはあたしから求めてキスをする。 「葉…こんどはあたしから…」 おんなじように葉の身体中にキスをするあたし。 段々と降りていくと、葉の腰のあたりに変なものがついていた。 たぶんあれだと思うのだけど、こんなに大きかった? あたしはそっとそれにキスをすると、 葉がしたように舌で責め始めた。          ☆       ★      ☆ 「くっ…んっ…」 葉も声をあげはじめる。 もっとしてあげる… あたしはソレを口に含むと、 舌を使って刺激する。 「あっ…出るっ…」 口の中に葉の味が広がった。 全部飲んであげた。          ☆       ★      ☆ 一度出したのに、葉の方はすぐにまた復活してきた。 「アンナ…」 葉があたしの上になる。 「来て…」 あたしの足の間を割って、 葉の足が入ってきた。 葉があたしの足を持ち上げて、 大きく開く。 なんか恥ずかしい。 でも…          ☆       ★      ☆ 葉が入ってきた。 なんか熱い。 熱いものが… 葉の息がだんだん荒くなっていく。 動きも速くなってきた。 頭の奥が熱くなってくる。 突然葉にキスされた。 そして葉が身体の中に広がっていくのを感じながら、 あたしは気を失った。 そしてこの夜にあたしは…          ☆       ★      ☆ 気が付くと朝だった。 あたしが起きたのに気付くと、 葉はやさしくキスしてくれた。 そしてなんか照れていた。 あたしも。          ☆       ★      ☆ 葉を見送ると、その日は一日中なんか理由をつけて座っていた。 だって立ったら…あれだし。 それにゆっくりと葉のことを考えてられたから。 たまおはちょっと怒っていた。 それは襖を棒で固定したのは悪かったと思うけど… 馬に蹴られて死なないだけよかったじゃないのさ。
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Page written by Eque Somatoya Novels written by Souma Toriya