魔術師オーフェンはぐれ旅無謀編
ラシィの生活向上大作戦
「なんでこの街ではこんなに魔術士関係の事件が多いんですか?」
「いやぁはっはっはっ。まぁ急ぐほどのもんでもないから気楽にやって下さい」
そういうものらしいとハーティアは思った。
まぁ幾ら仕事があったって自分は一人だし、
ゆっくりじっくりやる以外にどうしようもないということは理解できた。
そんな感じで新しい街で新しい仲間と新しい仕事をすることになった。
ほんの数年前にはその時が永遠に続くと思っていたのに…
☆ ★ ☆
大陸魔術師同盟(ダムズルズ・オリザンス)トトカンタ支部の一室。
「8時55分・・・」
呟いてみる。
「おはようございます!ハーティアさん!」
「おはよう、ラシィ司書官」
「ラシィって呼んで下さいぃー」
口を尖らせて文句を言うラシィ。
年の頃は17、8歳の黒髪をポニーテールにした黒髪の少女である。
黒と赤の布で作った服にマントという制服姿だ。
大きな目をくりくりさせて続ける。
「トトカンタはもう慣れましたか?」
「ああ、うん。ありがとうラシィ…
ところで君の仕事はどうだい?」
「昨日のモグリさんの生活環境向上策はあんまり成功しませんでした…
でも私あきらめません!あきらめなければいつかいいことあるって
おばあちゃんも言ってました〜」
「ふーん…ところでそのモグリさんってどんな魔術士(ひと)だったっけ?」
「年の頃は20前後で…ハーティアさんと似たようなものです。
黒髪で黒服、目付きの悪いモグリって感じの人です〜」
キリランシェロでは絶対ないな。
とハーティアは断定した。
もしかしたらトトカンタに来ているかと思って
それとなく記録を探ってみたりしたのだが…
「今日もそのモグリさんの生活向上かい?」
「はいぃ。って言うか民間人が邪魔をするんですよ〜。
それの排除が先ですけどぉ」
「ふ〜ん…ま、穏便にね」
「わかりましたぁ」
…やっぱり勿体無い。
ああいう可愛い子は外回りなんかより内勤にすべきだ。
仕事はあとで他の男子委員に押付けてしまおう。
とハーティアは決心すると
「やぁキーナ、仕事はどうだい?」
とりあえず次に目をつけている女子委員に声を掛けるのであった。
☆ ★ ☆
トトカンタの路上。
「モグリさんっ!!!」
「我は放つ光の白刃っ!!!」
カッッ!!
「…あぶないじゃないですかぁ〜民間人だったら死んでますよ〜」
「いや…近頃民間人が民間人らしくないし…」
「言い訳をするなんてモグリさんも往生際がわるいですぅ。
この際私と一緒に生活を向上させてみるです。」
最初の声で防御魔術を使っていたのだろう、牽制程度の威力しかなかったから効かなかったのだ。
オーフェンはそう思うことにした。
全身全力の攻撃を受け止められたら自己嫌悪に陥る所だ…
「…だからな、俺もそうそう暇じゃねえんだから。」
と黒髪黒目黒づくめでやぶにらみの青年はぶっきらぼうに答える。
「オーフェン様っ!!」
「我は放つ光の白刃っ!!!」
カッッ!!
「オーフェン様♪今日も良い天気ですわね♪
オーフェン様の愛情表現が身に染みますわっ!」
「実例その一」
それだけ言うとホーロー鍋を装備したボギーを指差すオーフェン。
ラシィも肯いてみせる。
栗色のロングの少女はあまり気にもかけずに
「キースが言うには何も言わずにこの薬を飲むと幸せになれるそうですわっ!
あ、その前に筆跡を手に入れて置きたいのですけどこれにサインして頂けません?」
「いやだっ!!」
「なんでですのっ!!あ、別にこの薬は痺れ薬でもないですし、
筆跡を手に入れたからってキースに複製させて結婚証を完成させようなんて目論んでませんわ!」
「どこがだっ!!」
「モグリさん、モグリさん…」
「ん?なんだラシィ」
「愛情表現は嬉しいのですが、やっぱりまだそういうのは早いと思うんです。
椅子に縛られたりちょっとそういう特殊なのは…」
「違うっ!!」
「いえ、三度目のデートでキスまではいいんですぅ…でも…」
「なにをしようとしているんですの!!竜の時代からオーフェン様は私の物と決まっているんですからねっ!
というわけでマント女から二人で逃げましょう、愛は地球を救いますわ。」
「二人ともまてぇっ!!」
「でも二股かけようなんてちょっとそういうのはずるくないですか?」
「我は築く太陽の尖塔っ!!」
ゴォォォォオオオオオッ!!
「いーかっ!まず人の話を聞けっ!俺は結婚するつもりもないし、
幸せにしてもらいたくもないっ!!もーいーから俺に構うなっ!!」
クレーターを後ろにして演説するオーフェン。
「そのとおりよっ!!オーフェンは私と市中の見回りよっ!
ということで向こうで酔っ払いが暴れてるんだけど恐いからオーフェンやっつけてっ!!」
「我は放つ光暦の魔弾っ!!」
…誰一人動くものの居ない町角で…
「帰ろう…」
オーフェンは一人ごちた。
☆ ★ ☆
「こーなったらどっちがオーフェン様を幸せにできるか勝負ですわっ!!」
「わかりましたあ、そっちがそういうならうけようじゃないですかぁ」
☆ ★ ☆
「人を幸せにするには」
女を幸せにする方法
キスする
愛する
可愛がる
誉める
抱きしめる
守る
お金を使う
食事をする
買い物に行く
話を聞く
手助けをする
花を買う
世界の果てに行ってみる
男を幸せにする方法
お酒を持って裸で出てくる
☆ ★ ☆
「と、言うわけでオーフェン様のベッドに居るわけですけど…」
「まだ寝てますよう、寝込みを襲うのは失礼じゃないですか?」
「大丈夫ですわ、オーフェン様も愛のためなら大目に見てくれますわっ!」
「愛じゃないんですけどぉ…仕事ですし」
「ぐー…」
オーフェンは寝ている。
「うふふ…可愛いですわ…」
「そうですねぇ…モグリさんはこんな顔もするんですかぁ…」
「それでは始めますわよ…」
「でもまだ寝てますよぉ?
大体訓練を受けた魔術士が無防備に寝てるなんておかしいです〜」
「キース!!」
「はっ、実は私が一服盛りまして。
味付けを濃くしておいたので気づかれてはいないかと…」
「もしかしてあの『三日ぶりの食料だ…』とか言いながら涙を流して
食べていたあれに入ってたんですかぁ?」
「そうですわ、こちらは気付け薬、でもその前に…」
「ところで貴方は何処から現れたんですかぁ?」
「はっ、それは…」
キースはポケットから細長い紙を取り出してメビウスの輪を作ると、
真ん中をチョキチョキと切って一個の輪にしてしまった。
「こういう訳です」
「ああ、わかりましたぁ」
「さ、キースは向こうで待機していなさい」
と言うが早いか消え去るキース。
「うふふ…始めますわよ…」
「いいですかぁ?あくまでもオーフェンさんが良かったほうですからぁ」
布団を剥ぐボニー。
寝間着など持っていないオーフェンはシャツにトランクスという姿だ。
とりあえず二人とも脱いでいる。
「胸の大きさでは勝負がつきませんわね…」
「実力のほうで勝負ですぅ」
『先攻後攻インジャンでホイの出さんと負あけ!!』
『ホイ!』
「勝ちましたわっ!!」
「後攻のほうが有利だって決まってるんですよお〜」
「それでは気付け薬を…」
「う…あれ?ボギー…ってうわああああっ!!」
起きたオーフェンが見た物は裸のラシィとボニーだった。
「オーフェン様っ♪なかなか勝負がつきませんので
この際どちらがよりオーフェン様を幸せにできるか勝負することに致しましたの」
そういいながらボニーはオーフェンに覆い被さって股間に手を伸ばす。
「おっ…」
ボニーの手がオーフェンのトランクスに潜り込み愛棒をまさぐる。
愛撫に答えてオーフェンのそれは硬さを増していった。
「おい、ボギー…」
ボニーを押しのけようとした手がボニーの胸に触れる。
「あん、オーフェン様…優しく触れてください…」
もみ…もみもみ…
柔らかくて気持ちが良いのでつい揉んでしまう。
それにあわせてボニーのほうもオーフェンの愛棒をやんわりと揉みあげる。
「オーフェン様…」
ボニーがキスを求めてきた。
唇を合わせる。舌を差し入れ、絡める。
「あっ・・・くぅん・・・」
オーフェンンも手を伸ばしてボニーのすでに湿り始めている股間を撫で始めた。
割れ目の周りをなぞった後、陰茎を刺激する。
「はぁああん…」
ボニーが耐え切れずに声をあげる。
「モ…モグリさん…私も…」
ラシィが擦り寄ってきてキスしてくる。
見ていて我慢しきれなくなったらしい。
オーフェンは二人ともを抱き寄せて後ろから右手と左手でボニーとラシィを愛撫し始めた。
ラシィの股間はまだ綺麗なピンク色に染まっている。
オーフェンは左手で割れ目に指をあててなぞり、軽く沈めてみる。
「あううっ!!」
血色の良い顔を紅潮させてラシィがよがり声を上げる。
その間も右手はボニーを愛撫していた。
胸を揉みしだき、人差し指で乳首を刺激する。
「オーフェン様…」
ボニーはいったんオーフェンから離れると股間に顔を埋めて
オーフェンの愛棒に奉仕し始めた。
ボニーは愛しげに頬擦りをすると、下から丁寧に舐めあげた。
手はオーフェンの睾丸を触っている。
「あふぅ…モグリさん…気持ち良いですう…」
潤んだ目でラシィが言う。
オーフェンの上体に跨って、足を広げてオーフェンに触らせている。
「はむぅ…」
「う"っ!」
ボニーがオーフェンの愛棒を頬張る。
ぬ"るっ…
ぬ"るっ…
ぬ"るっ…
顔を上下させてオーフェンに刺激を与えつづける。
と、いきなりオーフェンが身体を起こす。
「ボニー、むこう向け」
「はい…オーフェン様」
オーフェンがラシィをボニーに抱き着かせるとボニーが下になって
ラシィと正面から抱き合っている形になった。
まだ興奮している二人は互いに求め合った。
ボニーの手がラシィの胸に伸びてラシィはボニーにキスをする。
オーフェンはしばらく二人の絡み合う様を見ていたが、
やおら自分の愛棒をボニーに挿入する。
「はぁん!!」
ぢゅにゅ…
ぢゅにゅ…
ぢゅにゅ…
「ああっ…オーフェン様っ!!」
激しく腰を動かすオーフェン。
アソコが擦れてラシィにも快感が伝わる。
「ふぁっ…モグリさんっ!!」
「ぐ…出るかも…」
「まだですわっ!オーフェン様もう少し…」
オーフェンはこみ上げる快感を抑えて腰の動きをゆるめた。
そしてラシィを後ろから愛撫する。
「ひゃっ!…ふ…ああうう…」
ラシィの背筋を舐め上げる。
「ああん…オーフェン様もっとぉ…」
オーフェンはまた腰の動きを早くした。
「あ・あ・あ・あ・ああっ!!」
ボニーがイったのかぐったりとする。
オーフェンはそのまま出し入れを続けてボニーの中で果てた。
どくっどくっ…
精液を出し切ると引き抜く。
「モグリさん…」
まだイっていないラシィが恍惚とした表情でオーフェンに抱き着いてくる。
もう一度今度はディープキスをすると、ラシィは柔らかくなったオーフェンの
ソレを握ってしごき始めた。
先端を含んだり舐めたりしながら棹の方を手で刺激する。
すぐにソレは元の硬さを取り戻した。
今度はラシィを後ろから抱きしめて挿入れる。
「はぁ!!うう…」
濡れているのでさほどの抵抗もなく入ったが、
膣中は適度に圧迫感があり、暖かかった。
ピストン運動を始める。
「あ、あ、あうあうぅ…イ、イイですぅ…
モグリさん…」
ぬ"じゅぬ"じゅ
ぬ"じゅぬ"じゅ
ぬ"じゅぬ"じゅ
「あ…イクっ…あ…あ…ああん!!」
ほぼ同時にオーフェンもイった。
ラシィはぐったりとなって荒い息をし始める。
「さてと…」
オーフェンはベッドに横になっている二人をしばらく見ていたが、
やがてまた勃起ってきたのでボニーを起こす。
「おい、ボニー」
「…なんですの?オーフェン様?」
「二回戦いくぞ」
☆ ★ ☆
「あっ!あっ!あうう!!オーフェン様ぁ!!」
「ふむ…どうやら混ぜた精力増強剤が強すぎるようですな。
すでに6回戦ですが…」
キースは天井裏から覗いていた。独り言を続ける。
「まぁ原稿は取れましたし、よしとしましょう」
キースは眼下で繰り広げられる光景をせっせとメモっていた。
エロ小説にして投稿するつもりなのだろう。
「それに皆様充分満足しているようですし」
覗き穴を閉じて何処へともなくキースは去った。
☆ ★ ☆
「ちなみに勝負は俺の勝ちな」
「え?!」
「なんでですか?モグリさん!」
翌日、バグアップインの食堂でオーフェンは宣言した。
「二人ともイかせても俺はまだ元気だった。
結局二人とも自分が俺を気持ち良くできなかったんだから俺の勝ち。」
「そんな…」
「え"ぇ"〜」
「ということで俺を幸せにするのは俺に決定。
一件落〜着!」
結局何も変らないのでありました。
☆ ★ ☆
「大丈夫大丈夫、ラシィは全力を尽くしたんだから。」
「そうですよね!」
「ということで仕事は…」
「やっぱりハーティアさんもそう思いますかあ?
全力を尽くした以上は結果が出るまで頑張りますう!」
「いやあのちょっと…」
「それでは今日もラシィ・クルティは不幸な魔術士を幸せにしてきます!」
「おーい…」
ラシィを内勤にしようとするハーティアの目論見は敗れた。
こうなったら勤務時間の終了後に誘うしかない!
そうハーティアは心に決めたのだった。
伊達にいままで74人の女の子と付き合ったわけじゃないぞ!
悉く(ことごとく)ふられたというのはこの際関係ない!
「あ、キーナ。今日仕事が終ったら何か用事あるの?」
「すいませんがちょっと書類が溜まっているので…」
どうでもいいけど気が多すぎるぞハーティア!!
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Page written by Eque Somatoya
Novels written by Souma Toriya