フルメタルパニック
宗介のジャングル作戦
「こっちにもっと歩兵をまわせ!」
「却下する、どこにも余裕はない」
「なら重火器でも…」
「駄目だ、そちらで何とかしろ」
「くっ…やられたら化けて出てやるからなっ!」
軍服に身を固めた男性が電話を置く。
司令部は喧騒に包まれていた。
「B1-12前線突破されつつあります!」
「林水大佐!援軍は暫く送れそうにないと…」
「全く…それでどうやってここの戦況を維持しろというのだ」
林水『大佐』と呼ばれたその男性は暫く呟いていたが、
おもむろに受話器を取ると電話を掛け始めた。
「大佐、キャッスル分隊が帰還しました」
「おお、相良軍曹か。
そうか…ならば即座にB1-6地点の増援にまわってくれ。
二時間耐えれば状況が変る」
「了解いたしました、早速曹長に伝えて参ります」
相良軍曹と呼ばれた少年兵はへの字に結んだ口のまま、
敬礼すると去っていった。
☆ ★ ☆
パパパパ…
機銃の音が響く。
隠れている薮の近くの葉が派手に飛び散る。
(どこだ?)
射線を見極めてそこに攻撃をしかける。
下手に動くのは危険だ。
発見した。
すぐさま対人グレネードランチャーを構えると
そこへ向けて発射した。
爆発音。
沈黙。
「曹長殿、敵銃座は完黙、ただし未確認」
「すぐさま追及する。そちらは銃座の確認をしろ」
「了解」
レシーバーを切ると宗介は考え込んだ。
下手に出て行くのは危険だ。
狙い撃ちにされる。
薮を伝って銃座に近づくことにした。
完全に破壊された無人銃座を確認すると、
宗介は再度連絡する。
「曹長殿、敵銃座の破壊を確認」
「よろしい、敵は接近していないな?」
「敵影は視認なし、気配もしません」
「よろしい、追及するまで待機せよ」
「了解」
念のため樹に登ってみる。
どこまでも視界は不完全でろくな射界も取れないが、
それは向こうも同じだ。
敵影は見当たらない。
問題はあの銃座を設置した敵部隊はどこに行ったのか?
だ。
コードでB1-6と呼ばれるこの密林地帯は、
先刻まで第225小隊が頑張っていたのだが、
先ほど敵重装歩兵の強襲を受けて小隊は撤退。
そのうちに奪回作戦を行ったが、
敵兵に銃座を設置されていたのでそれを破壊した。
しかし敵部隊は?
考えてもしょうがない。
気配がした。
見覚えのある軍服、キャッスル分隊の兵だ。
☆ ★ ☆
「敵がいないならしょうがない。
小隊が陣地を再構築するまで周囲を偵察する」
曹長が指令を下す。
「了解」
相良軍曹は千鳥伍長と組まされてジャングルに埋もれた。
☆ ★ ☆
バババ…
サブマシンガンの音が響き、周囲の落ち葉が舞う。
「曹長殿、現在優勢なる敵の攻撃を受けつつあります。
敵の規模は一個分隊程度。」
「即座に撤退しろ」
「了解」
「いくぞ千鳥」
「わかったわ」
追いすがる敵に向かってマシンガンを薙射する千鳥。
早々に切り上げて宗介の後を追う。
突如、グレネード弾の爆発が彼らを襲った。
「くっ!」
「きゃっ!!」
全く別の方向に吹き飛ばされる二人。
「しまった、千鳥速く!」
「まってソースケ!」
パパパパパ!!
機関銃の斉射がかなめを救おうとした宗介を襲う。
標準が甘かった為に当たらずにすんだが、
反撃しても数が違いすぎた。
射撃を停止する宗介。
「逃げてソースケ!」
見るとかなめが敵兵に捕まりつつあった。
急いで救出に向かおうとするが、
再度グレネード弾が彼を襲った。
なんとか躱してさっきの地点に戻ったが、
かなめの姿はすでに見えなかった。
☆ ★ ☆
「今日一番の戦利品だな…」
「婦人兵ですぜ…しかも上玉」
「ちゃんと武装は外してあるな?」
「ええ、その時にちょっと身体も改めましたが
イイ身体してやがりますぜ…」
男達の手がかなめに伸びる。
「やめろーっ!!」
自分で叫んで、宗介は目を醒ました。
☆ ★ ☆
「俺はジャングルで戦っていたはずだが」
時計を見る。
4時23分だった。
「俺は相良宗介だ。日本国東京都陣代高校の学生」
そこで宗介は夢だと言うことに気が付いた。
枕元には寝る前に読んだ『キルゾーン』が置かれている。
「…」
宗介はもう一度寝ることにした。
なぜならば
(まだかなめを救い出してない)
からだ。
宗介はどうやら寝ぼけているようである。
☆ ★ ☆
「おう、コラ。抵抗すんなよ」
「しない訳ないでしょ!」
かなめの蹴りがゲリラAの顎にヒットする。
両手を縛られているのに元気である。
「いてて…なんで脚を縛らねぇんだ!」
「そうしたら股を開かせれませんよ」
「それもそうだな」
「やめろ変態!捕虜はもっと丁寧に扱え!」
「おれたちは捕虜はとらねぇんだよ」
「女の子で良かったねぇ…オトコだったら瞬殺だよ。
大丈夫、ボロボロになって使いようが
無くなったら殺してあげるから」
さぁっ…
かなめの顔から血の気が引く。
こいつらは本気だ。本気であたしを陵辱して弄んで、
飽きたらころすつもりなんだ…
「おい、脚抑えろ」
「へい」
ゲリラBがかなめの脚を抑える。
ゲリラAがかなめの髪の毛を乱暴に掴んでにやりと笑う。
「何か希望があるかい?俺達ぁやさしーんだ」
「あるわけないでしょ!」
かなめは乱暴に答えるが、ゲリラAは気にも留めずに。
「そんなコトを言ってられるのも今のうち…
いずれ自分から欲しがるメスブタになるんだ」
そう言ってかなめの胸を乱暴に掴む。
軍服の上からでもなかなかの触り心地だった。
☆ ★ ☆
(…大変だ、千鳥がゲリラに強姦されてしまう。
俺はどこだ…)
宗介は分隊に戻ってキャッスル曹長にかなめの
奪還を力説している自分を発見した。
「奪還は当然だ。場所は分かるか?」
「はい」
「ほぼ同規模か…、クーンツの馬鹿は兵をまわさないし…」
「ま、なんとかなるでしょう、こちらには大変やる気の
ある人材が要るようですしね」
そう答えた大男が宗介をちらりと見た。
(よかった…しかし速くしないと千鳥の危険があぶない。
急げ!)
自分の夢ならもっと自分に都合が良くすればいいのだと思うが…
とりあえずここの世界観にハマっている相良宗介であった。
☆ ★ ☆
「へへへ…」
ゲリラAがシャツを引き裂く。
ボタンが飛んで下着があらわになった。
年に似合わず豊満な胸が下着の下から
せり出していた。
涙目になるかなめ。
「いい身体だねぇ…」
下着を引き剥がすと直接胸をさわるゲリラA。
「いいなぁ…こっち触っても良いですか?」
「好きにしな」
「あたしの身体を勝手にしないで!」
「ん?何か言ったか?」
乱暴に胸を揉むゲリラA。
痛いのと屈辱で涙が零れるかなめ。
ゲリラBはそんなかなめに全く構わずに
脚を撫でて感触を楽しんでいる。
少しづつ上に移って行って一番のお楽しみは最後と言う訳だ。
ズガガガーン!!!
突然爆発音がした。
「敵だぁっ!!」
「なんだと?!」
ゲリラABは銃を取って走り出す。
「いいかっ、続きはあとだっ!」
(ふぅ…間に合ったか)
間に合うようにしたのは自分なのだが、
それに気が付いていない。
☆ ★ ☆
「千鳥!救出に来た」
「ソースケ!」
危ない所を救われたかなめは
もはや泣きだしそうだ。
とりあえず現在分隊は敵と交戦中である。
宗介はその隙をついて敵の背後に回り込み、
かなめを救うか、後方撹乱を行う手はずであった。
「曹長殿、救出に成功しました」
「よろしい、分隊は作戦目的を満たした為に撤退する。
後方撹乱を忘れるな」
「了解」
レシーバーを切った宗介は背中に背負っていた
TNT火薬と地雷セットを取り出した。
☆ ★ ☆
突如ゲリラ達の後方で爆発が起こった。
「しまった!まわり込まれたか…」
「大丈夫ですよ…後方には…」
「おお、そうだったな」
爆薬を起爆させた宗介がであったのは
敵一個中隊であった。約100名。
ちなみに分隊は十数名程度だ。
とにかくかなめと二人で地雷をばら撒いて逃げ出したが、
報告も忘れなかった。
「一個中隊ぃ?!撤退だ!
クーンツ少尉の隊と合同するために陣地まで引き上げる!」
「了解」
そのころB1-6のクーンツ小隊も敵の大部隊に総攻撃を食らっていた。
「糞ぉ!だからキャッスル分隊がいなければいけなかったんだ!」
少尉は大声で文句を言っていた。
☆ ★ ☆
そんな時、空の向うから飛来してくる物体群があった。
「あれは?…」
「やった!爆撃機だっ!」
分隊員は無邪気に喜んでいたが、
ゲリラの方はそうも行かなかった。
「何っ!飛行場は使用不可能のはずだっ!」
「30機以上あります!どうしますか!?」
「逃げるか白兵戦に持込むか…」
不利を悟ったゲリラはばらばらに撤退していった。
散開していないと被害が大きくなるからだ。
そんな彼らを爆撃が襲う。
陸上部隊の指示を受けているので
かなり正確に敵を狙ってミサイルが飛んだ。
しかしその量があまり多くないことに気がついた
ゲリラはいなかった。
☆ ★ ☆
「上手く行ったかね?」
「はい、航空勢力を持たない敵は全方面において
潮が引くように逃げていったとのことです。
「しかしどこの飛行場が使えたのですか?
林水大佐、この島の飛行場はたしか…」
「そう全滅している」
「でしたら…」
「大陸から呼び寄せた」
「大陸ですか?航続距離が足りないはずです!」
「そう足りない」
「それならばどうして…」
「実は彼らはミサイルを殆ど塔載していない」
「あっ、その手が…」
「搭載しているのは増槽だ。新型の数機を除いてね」
「…つまりあれはこけおどしですか?」
「その通り、今のうちに各部隊に増援を行おう」
☆ ★ ☆
「千鳥、もう大丈夫だ敵は撤退した」
「ソースケぇ…」
安心したのか、かなめは泣き崩れて宗介にすがる。
宗介が掛けてやった軍服の下から裸が姿を覗かせた。
(……周りには誰もいない…集合は一時間後だ…)
「千鳥」
「何?ソースケ…」
宗介は無表情のままかなめにキスをする。
かなめは意外にも素直に彼のキスを受け入れた。
地面に上着を敷く宗介。
そこにかなめを押し倒して、胸に手を伸ばす。
温かくて柔らかいかなめの胸を揉む。
だんだんと先端に上がっていって、
人差し指と親指を使って乳首をつまんで刺激する。
「はあっ…ソースケぇ!!」
かなめが感じているのか甘い声を出す。
「千鳥…」
今度は宗介は手を下着の下に差し入れた。
春草の上からやさしく割れ目を包む丘に触れる。
「ソースケ…入れて…」
「ああ」
下着ごと彼女のズボンをずり下ろすと、
すでにいきり勃った自分のモノを突き立てた。
桜色に上気したかなめの身体は美しくも妖しく
宗介自身を迎え入れて、無上の快楽を与える。
狭く温かい彼女のなかで自分のモノが擦れるのを
感じて宗介の中で射精感がせりあがってきた。
「イキそうだ…千鳥…」
「かなめって呼んで…ソースケ」
熱い肉棒にその身体を貫かれたかなめは、
融けてしまうほどに宗介を感じていた。
「かなめっ!!イクっ!!」
「ソースケ!!ソースケっ!!」
宗介がかなめの中で果てるのと、
かなめが絶頂を迎えるのとは同じだった。
☆ ★ ☆
チチュン…
「朝か…」
時計を見る。
7時03分である。
このぐらいに起きないと朝の用意はできない。
宗介はとりあえず装備の確認をするまえに、
パンツを代えることにした。
戻る
Page written by Eque Somatoya
Novels written by Souma Toriya