GS美神


ばれんたいん

二月の都会は程よく涼しくて、 コートなんかのお洒落が楽しい季節である。 夏にはこういう楽しみはない。 何せ着るものが絶対的に少ないのだから… しかしそんなことに全く関係ないのもいるのだった。 「横島さ〜ん」 コンコン♪ 巫女服から伸びた手がドアを叩く。 白い上着と赤い袴が煽情的だ。 「…居ないのかな?横島さん」 すっ…とドアを通り抜けるおキヌちゃん。 手を伸ばしてカギを外すとドアを開けて入り込んだ。 なぜこのようなことをするかというと、 手に持った包みはドアを抜けられないからだ。 大事そうにそれを抱えておキヌちゃんは横島の部屋に入った。 相変わらず男の一人暮らしで汚い部屋だが、 あやしい物体が部屋の真ん中に倒れていた。 「…なんだろこれ…」 不審に思って覗き込むおキヌちゃん。 するとその物体が喋った。 「め…めし…」 「ああっ!!横島さん!!」 なんとその物体は腹が減って倒れていた横島であった。 ☆ ★ ☆ 「…ふぅ…ありがとうおキヌちゃん」 おキヌちゃんの緊急に持ってきた「緑のたぬき」を食べ終わると、 ハシを食わえながら言う横島。 (今から御飯を作っていたのでは間に合わなかったのだ。) 「どーしたんですか?」 「実は…給料日前だっつーのにお金が尽きてしまって…」 「…やっぱりお給料安すぎますよね?美神さんに…」 「話さなくて良いっ!!大丈夫! ホラっ。そのお陰でこーやっておキヌちゃんも来てくれるし!」 (…実は全財産エロ本に使ってもーたからなー。 なんで文無しかって聞かれると辛い…) 「…私…来ても迷惑じゃ…」 「そんな!おキヌちゃんが居なかったら俺は死んでたよ…」 (それも良いな…幽霊の横島さんと…) 目が光るおキヌちゃん。 「…おキヌちゃん…何考えてんの?」 横島はなんかおキヌちゃんの態度が 変なのに気付いて問い掛けた。 「へ? あ…。そんな横島さんに死んでもらって 一緒に暮らそうなんて考えてません! …あ」 口を抑えるおキヌちゃん。 「…おキヌちゃん…」 「…いや…ちが…」 おキヌちゃんの目から涙が零れる。 「ごめんなさい!ごめんなさい! 横島さん…私…悪霊です!…!!」 横島に抱きすくめられるおキヌちゃん。 「そんなことないよ…俺のこと想ってくれてるからそう思うんだ…」 「横島さん…」 マジメな顔で話す横島。 だが頭の中では全然別のことを考えている。 (よっしゃ!自然に女の子を抱けたっ! この際幽霊でも良いっ!) 「…でも…私最初に有った時も横島さんを殺そうとしたし… 幽霊なんかがまわりをうろついていても夏に涼しいだけだし…」 「いや、俺の部屋にはクーラーが無いからいいんだ!」 「でも冬は寒いですよ…」 「…その時は…こうやっておキヌちゃんを抱いて暖めあうさ…」 「…横島さん…うっ…」 全然理屈にも何にもなっていない横島の言葉で涙腺が緩んだのか、 おキヌちゃんは横島の胸の中で盛大に泣き始めた。 「もーちょい…もーちょいで落ちる!」 横島もなんか良い雰囲気だったので油断したのか、 つい本音が声に出てしまった。 「…今なんて言いました?」 「…あっ…タンマ…今の無し!」 「…横島さん…」 おキヌちゃんが怒った顔をして問い詰める。 「あ〜っ!!カンニンや〜!!仕方がなかったんやぁ〜っ!!」 頭を抱えてうずくまる横島。 「…ぷっ!…ふふっ…良いです。 横島さんバカでえっちでスケベだけど…そんな横島さんが好きです」 あまりのバカにおキヌちゃんは思わず吹き出してしまった。 微笑みながら言う。 「…おキヌちゃん!」 「きゃっ!横島さん!」 その言葉を聞いた途端突然おキヌちゃんに飛び掛かる横島。 「…えっちな俺が好きってことはこーゆーこともあーゆーことも 全部OKと言うことッスね?!」 「…なんでそーなるんですか〜!! …でも嫌じゃないです。」 横島に抱きしめられて頬を染めながら言うおキヌちゃん。 ゴクっ… (でも嫌じゃないです…) 横島の人生の中でこんな白紙委任状を手に入れたことが有ったであろうか… いや無い!(反語) 「じゃあ…じゃあ…こんなことも…」 恐る恐るおキヌちゃんの胸に触れる横島。 むに… 柔らかい感触が横島の手に伝わる。 「…ポッ…」 男の手の感触に真っ赤になって横を向くおキヌちゃん。 (嫌がって…ない…) つまりさわるだけじゃなくて… も…揉んでも… むにむに… 「あっ…」 巫女服の上からゆっくりと胸を揉まれて、 おキヌちゃんは背筋に電流が通ったような快感に思わず声を上げた。 (え〜感触やぁ〜…) 幸せを噛み締めている横島。 「横島さん…口を…吸って…」 横島に抱かれる感触で恍惚となったおキヌちゃんが呟く。 だが、すぐに自分が何を言ったのか理解したのか、 耳たぶまで真っ赤に染めて俯いてしまった。 「おキヌちゃん…顔…上げて」 横島が手に顎を載せて優しく上を向かせる。 (キス…俺がおキヌちゃんとキス…) 顔を近づけていく横島。 おキヌちゃんも目をつぶる。 唇が合わさる。 ごん… (やべ…前歯に当たり掛けた…) 慎重に唇をあわせ直す横島。 柔らかい唇が自分の唇に当たって心地よい。 「…はぁ…」 「横島さん…」 一連の前戯でおキヌちゃんもすっかりその気になったようだ。 肌が桜色に染まって、胸に当てた手に心臓の動悸が伝わる。 「おキヌちゃん…最後までやってしまうけど…いいか?」 「…して…下さい…」 ☆ ★ ☆ 布団におキヌちゃんを寝かせると、 横島は服を脱ぎ捨てておキヌちゃんに覆い被さった。 「あっ…私…服を着たまま…」 「大丈夫…俺が脱がすから…」 (というか…そんな楽しいことやらいでか) シュル… 衣擦れの音と共に袴の帯が解かれる。 そのまま袴をずり下ろすと、白い下帯が見えた。 「…湿ってる…」 「…やだ…恥ずかしい…」 下帯に手を触れた横島の呟きにおキヌちゃんは両手で顔を覆う。 横島が巫女服の上衣をはだけさせると桜色に上気した おキヌちゃんの肌があらわになった。 そして胸の膨らみが控えめに天井を向く。 「…ぅ、ん…」 横島はその膨らみを手で揉みながら、 顔を胸の突起に近づけていく。 「…ふあっ…あっ…」 硬く勃起した乳首を吸う横島。 彼の口が動くたびにおキヌちゃんの身体が震えた。 (…いかん…もう出てしまう…) 先ほどからの行為で横島の肉棒は止められないほどに怒張していた。 手早くおキヌちゃんの下帯を脱がすと、 自分のものをおキヌちゃんの女陰にあてがう。 「横島さん…ああっ…」 「くぅっ…出るっ…」 温かいそこに触れただけで、横島の未熟な肉棒は精を解き放った。 ぴるっ…ぴるっ… 「きゃっ…」 白濁した液体がおキヌちゃんの身体に掛かる。 「…もう終ったのですか?」 横島の脱力した顔を見ておキヌちゃんが不思議そうに問う。 「…ゴメン、まだ終ってない…」 情けなさそうに横島は答えた。 ☆ ★ ☆ (すっごく痛いって聞いてたけど… さっきから気持ちいことばかり…) おキヌちゃんは身体に掛かった精液を眺めながら考える。 「あのさ…おキヌちゃん。これ…触ってみて」 「これですか…?」 言われるままにおどおどと横島のものに手を触れるおキヌちゃん。 「くっ…」 「ご、ごめんなさい、痛かったですか?」 突然横島がうめいたのでびっくりして手を放す。 「ちゃうちゃう。気持ち良かったの。 もっと触ってくんない?」 「…は、はい」 にぎにぎ… おキヌちゃんの手が動くたび、 横島の肉棒が力を取り戻していく。 「…すっごく大きくなってきました…」 「ありがとうおキヌちゃん」 「きゃっ!」 再度おキヌちゃんを押し倒す横島。 「入れるよ…」 「はい…」 横島の肉棒がゆっくりとおキヌちゃんの膣内に埋没していく。 「あっ…ああっ…横島さん…横島さんっ!」 『初めて』の感触に耐え切れず、横島に抱き着くおキヌちゃん。 横島を膣内に迎え入れれば迎え入れるほど強く横島に抱き着く。 「力…抜いて」 そう言うと、横島は軽く口付けをした。 「…はい…は…ああっ!!」 ひときわ大きな声をあげるおキヌちゃん。 横島が一気に全部を入れてしまったのだ。 「あ…ああっ…」 痛さの入り交じった甘い感触に涙が零れる。 (き…気持ちいいっ! 直ぐにでてしまうそうだ…) おキヌちゃんの膣内は狭くて温かくて、 充分に濡れていながら横島のものを締め上げる。 ぬるっ… 「ああっ!…ああっ!!…」 横島が動くたびにおキヌちゃんが甘い声を上げる。 埋没した横島のものが半ばほど出たかと思うと、 またおキヌちゃんの肉の中に沈む。 「横島さんっ!!…なんか…変な気分で…」 「それで良いの…。おキヌちゃんの中…気持ち良いよ」 「…横島さんのも気持ち…いいですっ!」 横島の腰の動きが早まった。 肉棒に身体を衝かれるたびにおキヌちゃんの身体が揺れ、 顔が快感と痛みに歪む。 「ふぁっ…横島さんっ!横島さぁんっ!!」 「おキヌちゃん…イクっ…」 おキヌちゃんが横島を一段ときつく抱きしめると、 横島の精がおキヌちゃんの膣内に放たれた。 温かいものがからだの中に広がっていくのをおキヌちゃんは感じていた… ☆ ★ ☆ 「…横島さん。はい、これ」 おキヌちゃんが横島に包みを手渡す。 「…チョコ…?そう言えば…」 「横島さん…好きです」 「俺も…おキヌちゃんのこと好きだ」 そして二人はキスをした。
戻る

Page written by Eque Somatoya Novels written by Souma Toriya