★★★作品紹介★★★
OVA 神王伝説クリスタニア〜はじまりの冒険者
ロードス島を脱出した漂流王アシュラムがクリスタニアへ上陸してからのお話です。話としては、「上陸」と重なっています。
祖国を追われ、新天地をめざし航海を続ける彼らの前に現われた神々の大地"クリスタニア"。
そこは外界からの混沌を拒絶するかのごとく、ルーミスの結界に守られた神の聖域。
アシュラムはその結界に向かって呪いの言葉を吐きます。
「これが神の意志なのか?邪悪なる者には、生きる資格さえないというのか?答えろ、神よ!答えろ!!」
その声はルーミスの結界を越え、支配を司る神獣バルバスに届きます。
バルバスは、暗黒の民の上陸と引き換えに、アシュラムの身体を要求します。
それは、彼の肉体が神の器となりうる為。自らが神の肉体を持っていた頃と同じ力を手に入れるためです。
アシュラムはその要求に応えます。しかし、それは神に服従したのではなく、神と戦う為。
そして、"器"をめぐるアシュラムとバルバスの精神世界での戦いが始まります。
その間、ピロテースはアシュラムの勝利を信じ、彼が再び目を覚ますまで、その玉座の傍らで待ち続けます。
300年経って・・・彼の肉体は目を覚まします。
しかし、それはバルバスでした。アシュラムの魂は"混沌輪"と呼ばれる祭器によって、混沌界へと飛ばされていたのです。
ピロテースは愛する王の魂を取り戻すため、混沌輪を奪って逃走します。名前もシェールと変えて。
・・・・という話です。
この後の展開については、小説版、映画版、ラジオドラマ版、コミック版(うるし原先生版、姫川先生版)で異なります。
私が初めて神王伝説を見たのは、うるし原先生の描いたコミック版です。
その頃はダークエルフの女性というだけで、髪も黒く、名前もありませんでした。
可能性として、以下の3つが考えられました。
@ピロテースが髪を染めているAピロテースとは別のダークエルフBアシュラムとピロテースの娘(笑)
ラジオドラマ版ではじめてその名がシェールだと明かされたのですが、
声を聞いた瞬間、玉川沙紀子さんの声だったので、「まさか???」と思いました。
そのまさかを持ってくるなんて・・・(苦笑)
映画のクライマックスの所で「私の陛下を返せ!」発言には思わずニヤリ。所有格で呼んでいるんですもの。
主人公を食ってしまうキャラなんですね、アシュラムとピロテースってば。(レードン、可哀相な奴だ・・・。)
でも何回見てもラストシーンは泣けてしまいます。
バルバスを封じるため、私の肉体を滅ぼせ、とアシュラムに命じられたピロテースの苦悩する様がなんとも可哀相です。
300年以上待ち続けた愛する人を自らの手で殺めることに躊躇う彼女。
結局は、ソウルクラッシュを彼の身体に突き立て、バルバスを(一時的ですが)封じることに成功します。
しかし、それは同時にアシュラムの精神を傷つけることとなり、彼も又、眠りに入ってしまいます。
300年振りの抱擁は死の抱擁・・・。
ピロテースに向けられたアシュラムの微笑みは、彼女にとって救いとなったのでしょうか?
映画版について、友人(♂)から「男同士の三角関係ってコワイね。」とのコメントをいただきました。
まあ、間違っていないんだけど・・・(苦笑)
守る女と守られる男という構図がいいですね。(違う?)
この後日談がOVA版やリプレイ版です。
OVAでは、ピロテースは混沌界に封じられたアシュラムに会いに行きます。
可愛いんですよ、健気で(はぁと)
たとえ幻とはいえ、恋人に抱きしめられて優しく言葉をかけられたら、クラッときちゃいますよね。
結局、アシュラムが目覚めることはないんですが、
アシュラムもピロテースも互いに自分一人で戦っているのではない、と気付くのです。
究極の遠距離恋愛でしょうね。