(書誌+要約+請求の範囲+実施例)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】第2576687号
(24)【登録日】平成8年(1996)11月7日
(45)【発行日】平成9年(1997)1月29日
(54)【発明の名称】振幅変調送信機
(51)【国際特許分類第6版】
   H04B 14/04                 
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【FI】
   H04B 14/04        Z        
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【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願平2-330724
(22)【出願日】平成2年(1990)11月30日
(65)【公開番号】特開平4-207425
(43)【公開日】平成4年(1992)7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝5丁目7番1号
(72)【発明者】
【氏名】佐川 正人
【住所又は居所】東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株式会社内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 梅雄
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】実開 平4-61947(JP,U)



(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】入力されたアナログ信号を搬送波周波数を標本化周波数として多ビットデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器と、このアナログ・デジタル変換器から出力された多ビットデジタル信号を入力として制御信号を出力するデコーダと、このデコーダから出力された制御信号によりオン・オフ制御される複数の高周波増幅器と、この複数の高周波増幅器と前記のアナログ・デジタル変換器に搬送波信号を分配して供給する高周波分配器と、この高周波分配器に搬送波信号を供給する搬送波周波数発振器と、前記複数の高周波増幅器の各出力信号を合成する出力合成回路とを備えることを特徴とする振幅変調送信機。
【請求項2】前記アナログ・デジタル変換器は音声入力端子を有し、この音声入力端子にアナログ音声信号が入力されるように構成してなる請求項1記載の振幅変調送信機。



〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る振幅変調送信機の構成を表すブロック図である。ここに、第4図と同一構成部分は同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例の振幅変調送信機では、高周波増幅器51、52…510と搬送波周波数発振器6との間に高周波分配器13を備えている。
複数の高周波増幅器51、52…510は、共通の高周波信号源である搬送波周波数発振器6より高周波分配器13を通じて搬送波信号が供給されるとともに、デコーダ4より出力される制御信号によりそれぞれオン・オフする。
一方、アナログ・デジタル変換器3には音声入力端子1に入力されたアナログ音声信号とともに高周波分配器13の出力が標本化周波数信号として入力される。このため、アナログ音声信号はアナログ・デジタル変換器3で標本化量子化されて、デコーダ4に入力される。このデコーダ4では、多ビットデジタル信号をアナログ音声信号の振幅に応じて複数の高周波増幅器51、52…510のオン・オフ動作を制御するための制御信号に変換する。このデコーダ4から出力された制御信号で各高周波増幅器51、52…510が動作し、これらの出力信号を出力合成回路7で合成することにより出力端子8から入力信号に応じて階段波状の振幅変調高周波信号が出力される。
第2図は例として音声入力端子1に三角波14を入力した場合の出力端子8に現れる出力波形15を示すものである。
このように本実施例の振幅変調送信機では、一連の動作中、標本化周波数と搬送波周波数が同一であるため、第2図に示すように、標本化周波数の周期Ts2と搬送波周波数の周期Tcも等しくなる。このため、Tc2期間中には、必ず搬送波の極大値が1回発生するだけである。このことは、標本化信号と搬送波信号の位相がずれていても同じである。したがって、1の標本化した振幅と1つの搬送波の振幅が量子化誤差を除き完全に1対1で一致し、不完全な振幅を持った合成出力が発生しないので、高調波の発生を防止できるとともに歪率を減少できる。
なお、第5図に示したように搬送波周波数よりも標本化周波数を高くとると、さらに歪等が減少すると思われるが、搬送波周波数の周期Tcが標本化周波数の周期Tc3よりも長くなるため、無駄な標本化が行われるだけで、歪、高調波は減少しない。ここで、第5図は、第4図の送信機の音声音声入力端子1に三角波11を入力した場合の出力端子8に現れる出力波形12を示すものである。
また、本実施例の振幅変調送信機では、搬送波周波数発振器6とは別の標本化周波数発振器が不要になるので、送信機のコストを下げることができる。さらに、アナログ・デジタル変換器3は標本化周波数が高くなると、一般的には高価になるが、搬送波周波数以上のアナログ・デジタル変換器を使用せずに済むので、送信機のコストが必要以上に増えることはない。
 



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