空を愉しんだ男に捧ぐ


 陽のあたるエプロンで、ひとり逆立ち。会場上空から、超上機嫌な声で陽気に無線を入れてくる。ディスプレイが終わって降機すると、エプロンを端から端まで笑顔のガッツポーズで駆けてゆく…そんな、ごく当たり前の光景は、もう永遠にみることはできません。航空機は、半端な乗り物ではありません。コンマ数秒引き起こしが遅れたというだけで、死んだ飛行士なんて星の数ほどいるでしょう。しかし、5,000時間を超えるベテランをもってしてもなお、そんな陥穽に墜ちてしまうなんて (T-T) わが国に本格的なアクロバティック・フライトチームを根づかせるという夢を、自らの力と努力で実現してきた人でした。そして、空を愉しんだ人でした。たくさんの、ほんとうにたくさんの人たちに、空を愉しむことを教えてくれた人でもありました。もう、この空の下で、あのご自慢のスパイラルダイヴを見上げる日は永遠に訪れないけれど、空を愉しむ多くのひとたちにとって、瞳の奥に焼きついた、あの雄姿は永遠の財産です。ほんとうにありがとう。そして、しばしサヨナラ。わたくしが天国へ行ったら、またあのスパイラルダイヴを見せてくださいね〜。



−ロック岩崎さんへ☆

Apr.22.2005    
CDR. "Hal" Matsuzawa    
(Galaxy Airspace, WAKO City)    

三角翼爆撃機愛好會