『さて、おねぇの後を追ってきた!まぁ、おねぇは力が強いけど、私には1000の技がある。合流したら、2000万パワーズだね!』
などと、深雪が思ってるのはつかの間だった。
「た、助けてくれー」
「うおぉぉぉっ、、」
右方向より、一人だけ生き残っていたであろうオッサンが、深雪を見つけて向かって歩いてくる。
その後方から、いくつもの人影がいかにもおかしな動きで追っかけてきた。
生存者のオッサンは傷付き消耗しているご様子で、なかなか追っ手を振り切れないようだ。
さらに怨念を含む叫び声は、地上からだけでなく上空からもしていた。
深雪が見上げると、沙羅沙が倒したはずの怪鳥が、骨や肉が見えたまま復活している。
「うげぇ!?あれって、、(どう見てもアンデットさん。こりゃ、やり過ごすしか!早いとこ、あの校舎の中に逃げ込まなくちゃだわ)、、おねぇ、来たょ。っか、助けて!ねぇさまーーっ」
超アワアワでようやく走り出そうとする深雪の肩に、オッサンの助けを求める右手がかかった。
その時
「いくぞ!奥義、忠春斬りぃ」
「みぎゃーーーっ」
何者かの二段攻撃(左右の袈裟斬り)で、生き残りのオッサンはもーサックサクって感じー。
「ん?」
振り向いた深雪のパッチリおめめに映ったのは、苦悶の表情を浮かべながらスローモーションで崩れ落ちるオッサン、、そして、ポケモンのヤドランに髪の毛を付けたような男だった。スーツ姿で、柄に何やら見覚えのある家紋が入った刀を持っている。怪しさ超ガモガモっ
「そ、それは葵のご紋!さては時代劇の人だね?」
「半分正解です。いや、危ないところでした、お嬢さ、、アウチッ」
ヤドランは、後ろから来たキノコルゲ、、いや、ゾンビに肩口を噛まれたらしい。
「が、頑張ってね。忠春さん?だっけ」
深雪は、ちょっぴり顔を引きつらせながら、おててで軽くバイバイちた。そして、すたたたたっ
忠春のおかげで、深雪は逃げられたみたいさ。
(カチャッ=刀を裏返す音)
ゾンビに睨みをきかす忠春、、彼は『俺は今最高にかっこいいっ』と思っていた。
しかし、脳みそが腐って食欲しかないゾンビ達には全くもってムイミダス。
「おのれぇ、世を松平トミー忠春と知っての狼藉か!天に代わって成敗してくれ、、アーーォッ」
松平トミー忠春、、大奥で乱世の限りを尽くし、それにも飽き足らず旅に出た。
浮世の鬼を成敗する為に、、たぶん