其の参『伽羅迦の約束』
誰もが入れないはずの結界の中、4人の人間がそれぞれ異界の者と戦っていた。4人、沙羅沙と深雪と松平トミー忠春と、、。
沙羅沙たちは、校舎の2階へ進んでいた。
毒小人が敵の注意を誘い、その隙をついて沙羅沙が得意の空手で倒す。すでに、なかなか板についてきたパターンになってたりした。
敵をなんとか倒した後、教室の戸に鍵をかけて久しぶりに床へ座りこんだところさ。
「やっと休めたょね。えっと、何て呼べばいいのかな?君、名前は?」
沙羅沙は、激戦で負傷した左手を気にしながら話しかける。
「ゲレ造だが、、」
「じゃあ、ゲレゲレと呼ぶね」
「ゲロゲロだけは絶対にヤだ、、ふーみんがいいなー」
ゲレゲレは、例の如く手足をバタバタして楽しそうな動きさ。
「あははっ、却下。そうそ、これ何が入ってるのだろ?」
沙羅沙は言いながら、妹に渡された赤いリュックの中身を見る。
ごそごそ出してみたら、バナナ・ピカチュウのぬいぐるみ・そして、子供の頃に見たことのあるペンダントだった。
「むぅ、それのおかげで射すくめの術が効かなかったのか。魔法防御の宝玉だな」
桃尻博士のように、ゲレゲレがプリケツだ(違。
「へぇ、そうだったんだ、、深雪のおかげで助かったや」
バナナを食しながらのそんな会話も、ほんのつかのまの休息だった。
(ガガッ、ドンドドンドンッ、、)
教室の戸を、何者かが破ろうとしている!数秒後には壊されそうな勢いだ。
「私の名は雨宮沙羅沙。それを食べ終わったら、食後の運動だょ」
言うなり、バナナの皮を捨てペンダントを身に付けて立ち上がった。
完璧二重瞼は同じだが、妹より少し身長が高く凛々しい印象だ。スタイルのいい上半身を被う白地のTシャツに、足が長いのでジーンズがよく似合っている。
戸が壊されて異界の者が入ってくると、疾風のような中段への飛び蹴りで出鼻をくじき、攻撃の手を休めることなくコンビネーションで攻めつづけてKOした。彼女が舞うごとにセミロングの髪もキラキラとなびく、観衆がいたらきっと心を奪われたことだろう。それほどまでに彼女は強く美ちかった。
「ボブは観衆じゃないのかー?」
ゲレゲレは、勢いよくガバッと立ち上がるなりバナナの皮でズッコケ。一瞬、カメラが追いきれないくらいの唐突ささ。おいしいなー
その頃、雨宮亭ではゴンザレスがしどろもどろだった。
「ムケるかムケないかは、心の奥の勇気とにらめっこでもちて、、たら『ほんとにムケるの?』って俺かママのどちらかに聞かれて、ついつい説明する為に自慢クラブのチャックを、、、あ、いや違うです。んで、深雪には危ないから『野菜ダメ厚底ダメ』って注意しました」
「ってことは、、2人を結界の中に入れたってことか?」
と、呆れと怒り気味でゴンザレスに問う人物は、探偵の金田一(オヤジの(・e・)ホウね)みたいな服装のオヤジであった。沙羅沙と深雪の父親で、名を雨宮伽羅迦という。
「ついて来い!このデクブードゥーがっ。早くムイて貰うぞ」
サザエボンがミッキーボン、、いや、カツオの耳を引っ張るが如くなり。
「えっ、ナニをですか?っていうか、それはデクノボウでしょ」
そう応えるのがやっとのゴンザレスが、学校に着くなり強制でナニをムかされる。
「3時間後に再びムけ!帰ってくるから、遅れるんじゃないぞ」
そう告げて、オヤジは結界の中に颯爽と消えて行った。
残されたゴンザレスは、テケテケと家に戻りはじめー。
「3時間か、、昼寝でもすっかな」
存在事態が怪しい彼は、帰宅途中に暇つぶしでダウジング(2本の棒を使っての物探し)をしていた。
そして、、な、なんと!!徳永埋蔵ナニカ(日本人にして約百億人相当)を探し当てた。
「あわわわわっ、、超とんでもないモノを見つけてしまった。急いで報告しないとー」
帰ってから、急いで飼い猫のちーに報告した。
「にゃ!?にゃにゃにゃにゃんぷー(訳:わぉ!?そいつは辛抱堪らないゼ?)」
ちーは、一見ただの黒猫だが、、当然ながら猫星人である。
ゴンザレスの報告に驚いたが、次の瞬間には冷静で的確な行動を取っていた。
それは、謎の通信端末で故郷の猫星に速攻でメッセを送ったのだ。
「にゃんぷー、にゃんにゃ(中略)、、にゃんふみー(訳:これを上手く5段活用して全宇宙を征服するしか!やってやららーーっ)」
これを受けた猫星の精鋭部隊は、最新鋭の221B戦闘機に乗り込み出撃を開始した。
しかし、、このメッセは近所の犬星人と、アダルトフェイスプラネッツ(何の店だろう?)の店長であるソンペー善活(50過ぎのオッサン)に傍受されていたのだ。
この元・台湾出身のインターナショナルなプロナニカだった善活さんは、顔は内閣総理大臣DE純一郎とヒートたけしを掛けてお冷で割った味わいさ。ダークグリーンの作業服を着ている。
「ワンワ!?(中略)、、ワオォーン(訳:なんだって!?猫が人間のー)」
「口の中で溶けんねん。ん?!、、ひほはほほへへ、ぷれぱぽぴー(中略)、、ほべー(訳:大変だ!人類存亡の危機じゃねーか)」
順に、善活さんと犬の反応だ(その順番なのか、それでいいのか?)。
んー、、なんだか大変なことになってるね。じゃあ