其の七『魔王伝』
沙羅沙は、深雪の形見の護身刀を握り締め、最後の部屋のドアを開いた。
部屋の中は、おびただしい異界のものの死体が横たわり、それだけでも尋常でないことは分かる。そんな非日常の中に、日常と同じように奥のイスで座り眠りこける美しい青年がいた。
「ん、、刹羅?」
幻斗は、沙羅沙のたてたドア音で目を覚ました。
「幻斗っ、無事だったのね!よかった」
沙羅沙は、会えたことが嬉しくて駈け寄ろうとした。
しかし、、幻斗の次の言葉に制止される。
「何をしに来た?私が用のあるのは刹羅だ。」
沙羅沙は、その言葉に立ち止まり状況を把握した。この部屋は何か大切な場所であるということが。
「帰らないの?魔王にでもなるつもり?」
沙羅沙は問う。
「魔王って、そこら辺に転がってる奴か?くくくっ、、期が熟せば、滅ぼしてやるさ!人間全てを」
「幻斗、、どうして?!」
沙羅沙の言って欲しいセリフとは違う言葉が、幻斗の口から発せられていく
「人間は、欲望のままにしか動かないような下等動物だからだ。肉体も精神も何一つまともにコントロールできもしない。私から見れば、愚者の集まりにすぎん。お前だって、欠陥品を見てたら気分が悪くなったりするだろ、違うか?」
「!?いつから、そんな風になっちゃったの?こんな地獄に居たせいね。昔の優しかった幻斗に戻って」
沙羅沙は、『あはは、冗談だょ』とか言ってまた笑いかけて欲しかった
「お前に会うずっと前からだ。人は全て自分で選べる選択肢を持っていながら、いつも誤った答えに進んでいる。あまりにも愚かだ!その点で、お前はマシだ。自分の信じるものを貫いている。その宝玉が作用したのも、それが認められたからだ。」
「ありがと、、そうそ、私強いのよ。今は、負ける気がしないわ」
「いにしえの数千人の知と力が宿ってるからな。だが、猿は猿にすぎん。私は、魔王や神などではなく、万物の創造主・薹霊(touchi)なるものだ」
「寝言は、寝てから言いなさい」
沙羅沙は、身構える。
「お、役者が揃ったな!役不足だが」
ようやく駆けつけた伽羅迦は、入るなり衝撃的な場面に出くわした。
「ぐぁぁぁっ、、、」
「さ、沙羅沙っ!?」
沙羅沙の胸から背中へ、幻斗の手刀が突き抜けていた。
「さぁ、どうする?伽羅迦ッ」
オヤジは、立ちつくし必死に考える。(刹羅に『絶対に誰も入れない』って約束したのにな。沙羅沙と深雪を連れて帰ろうとしたのだが。沙羅沙はもう、、深雪だけでも、なんとか)
(取り乱すと思ったのに、、恐ろしく冷静なオヤジだ。つまらん)
幻斗は、冷静に考え逃げだしたオヤジを見て溜息をついた。そして、あたりまえのように時間を戻した。(やりなおしするか、、役者が揃ったところから)
「お、役者が揃ったな!役不足だが」
沙羅沙は振り返えろうとする瞬間に、後頭部に衝撃を受け、気を失った。
「空手は、ケンカに使うのじゃない!ってあれほど教えたのにな」
伽羅迦は、沙羅沙を肩に担ぎながら言う。
「うるさいから、さっさと帰れ!寝る」
幻斗は、自分の居場所にとどまるだけらしい。
「お、エアロビクスに間に会わねぇ。んじゃ」
オヤジは、スーパーダッシュを使った。
スーパーダッシュは、時速300kmを越えると言われている。その後、3日間寝こむから使いどころが難しいらしい。とかなんとか
それはそれとして、、
ミニチュアダックスのナッツは、犬生活を満喫していた
マスクマジシャンがネタばらしすると、ゴンザレスは呪術で猫のチーと入れ替わってたが、
善活さんは超能力犬のナッツにチェンジ・イモータルされてたみたいさ。
ってことで、
現在、犬の中身は善活さんです。
「わんわんあぅわーぉ(JCやJKのスカートの中身が覗き放題じゃー)」
ご満悦の変態犬星人だ。
「きゃー、かわいかわいー」
「かわいーぃ、連れて帰りたいょー」
女子中高生達に、、、なんて言われてます。
「あぅあぅもちー(かわ、かわいいなんて言われてる、、たまらーん)」
なで撫でされまくりっぷー。
しかし...
犬オヤジは、大切なことに気付いた。
「くんくんくぅ〜ん(犬のままじゃ、援交できんじゃないかー、、むぉ)」
持ち上げられ、抱っこされちゃったらしぃ
ここぞとばかりに、女の子の顔とかを舐めまわす犬人。
「いやーん、舐められたっ」
かわいい外見に騙されて、間違っても怒る訳なんてありえないの。
「わぅわんみゅ(役得だなぁ、、しかし!)」
次の瞬間、腕の中もがいて欲望という名の逃げ道を走っていた。
「わおわおわぉん、、(援交の興奮と快感が、まだ忘れられなくて〜)」
その後の「猫星人vs犬星人」のことは割愛、、いや、どうでもいいので書きません。
後に、降ワン戦争と呼ばれるものだから、少しは有名だったりダッドリー。
すっごく暇な人は「キャッツ&ドッグス」でも見ましょう。
悪いネコたんが出てくるの