scene6『社長キャラット来襲』

ついつい、ユキコとサラサは変態おやじを見てしまったや。
見てはいけない者を、見てしまったって感じだ。
「シャチョキャラット、シャチョ子って呼んでにゅ。これからも、シャチョキャラットの時代や!」
ベラベラなシャチョキャラットに、二人は放っといてと
「うるさいっ」とユキコ
「今、それどころじゃないの」とサラサ
「何、言うかなぁ」とふてくされなシャチョ子
『一瞬の静寂、そして奇跡への流転!真紅の伝説が今蘇った』みたく、戦闘での緊張が戻るのに時間は要さない。
そう、シャチョキャラットも仕方なく固唾を飲んで見守っていた。
今度は、サラサがダッシュで突っ込む。
近距離で、左右ジャブのワンツーから息も吐かせぬラッシュに持っていくつもりか。
これを下がらずに、ユキコは受け止め、抜き手で弾き、次に払う!都合にして、サラサの3倍の動きだ。
(避けると思ってたのに、どういうこと?!)
サラサは、ワンツーが弾かれたと同時に、右のローキックを出している。
(どの道この蹴りで、動きは止まるね!足の骨にヒビがはいるもの)
ユキコは避けなかった!しかし、すでに姿勢を落としていた。
「ううぅっ」
左足に受けた衝撃に食らい付くが如く、サラサの足を左手で掴み引き込んだ。
サラサは反射的に軸足で飛び、そのまま側頭部に蹴りを叩きこむ。
即座に、ユキコは逆に頭からタックルを食らわせていた。
もちろん、ダウンしたサラサにユキコは、アキレスホールドをかけて締め上げる。
サラサが攻撃を仕掛けてから、なんと5秒足らずの間だった。
「ああぁぁぁっ、、」
サラサは、左足の踵蹴り10数発でやっと逃れる。
「どう?降参していいよ」とユキコ
「くっ、、(これが、Realの力なのっ?!)」
サラサの右足は全く使えなくなった。ユキコも左足を引きずる状態となっている。

、、工事現場にて、1回戦が始まろうとしていた。
アシュリンVSゼロの毒小人対決である。
「へへっ、僕は何だってできるんです」
そう言うゼロに、負けずにアシュリンが吐き捨てる
「うるせぇ!レフェリー、ゴング鳴らせゴング」
急いで、レフェリーのジーナは試合開始を宣言した。
「おし、レディーGOっ」
アシュリン、右手を差し出し握手を求める。
意外に思いつつも、それに応えるゼロ。
しかし、アシュリンそのまま左へ強引に振りつつサミング(指での軽い目潰し)
右の金的への膝蹴り、たまらず前かがみになったところへ、後頭部へ左のラリアット、そのまま前方より右のラリアットを食らわせた。
ゼロ、なす術もなくダウン!カバーに入るアシュリン。
もち、そのままカウント3だった。
「き、きたねぇーーーっ」言ったのは、ゼロとサノス。
すでに抱き合って喜んでいたアシュリンとジーナはこう言った。
「いっつも、俺らがやってることじゃねーか」
威張って、言うことじゃないね
「んじゃ、俺はあの娘を呼びに行ってくるぜ。いやー、勝ったから足取りも軽いよ」とアシュリン
「そんな必要はない。俺達は2連勝するからだ!」
ジーナは、薹霊の宝玉を自分に使った。
まばゆい白銀の光が、薹霊の力を急速に蘇えらせていく。
「うわっ、、ど、どういうことなの!?」と驚くアシュリン
「それに、今はアシュリンをサラサに吸収させる訳にはいかないんだ」とジーナ
サノスとゼロは、驚きつつも余裕を見せて言う
「なんか、勝手なことを言ってるね」とサノス
「同じ戦法は通用しないぞ」とゼロ
しかし、ジーナは自信に満ち溢れていた。
「全ての闘いは過去のものとなる。古い価値観なんて、何の役にもたたないぜ」
一方、サノスは結界の中で業火を発生させた!凄まじい殺気だ。
「燃え尽きろっ!」
灼熱の攻撃が、ジーナを完全に包み込んだ。
「我は光、我は闇、我は力、、、」とジーナは気を収束させていく
完全なる存在の前では、業火も何の役にもたたないのか。
「薹霊は一人で充分だ!灰燼に帰れ、サノス。ダメなものは全部、破壊される時代なんだよっ」
今度は、獄炎を打ち消すが如く急速に広がった聖なる光がサノスを包んでゆく。
「バカなっ、俺は薹霊なのだぞーーっ、、」
ネタリロクワカケ〜なセリフを言いながら、サノスは浄化され消え去っていった。

戦いが終わり静まり帰った世界は、残った3人の行動を見守っているかのようだ。
「ゼロよ、俺に牙を剥くか?どうだ」とジーナ
ゼロは、落ちついた表情をしている。やっぱ、ただの毒小人じゃないらしい。
「いやぁ、今日は帰って寝るよ。んで、その後は次期シリーズで、アシュリンにリベンジ戦をする!待ってなよっ」とゼロ
暖かな光に照らされ、3人とも心から笑っていた。

テケテケテケテケテッテッテ、、、(足音。
ゼロと分かれたアシュリンとジーナは、W・グルーブ邸に戻るところだった。
「スゲぇ力だったぞ、、つーかなぁ、展開が目まぐるしいっての」とアシュリン
「わりぃ、俺は刹羅みたいにできないんだな。そう、俺は伝説になっちゃダメなんだ。やっぱさ」とジーナ
(これも友情なのだろうか?ボブには入りこめない世界であるな。狂ってる、、っていうか深いのかも?)と思うアシュリン
「そんな訳で、『決め手のフェイクを重ねたら、上出来、恋は2乗♪』みたいなー」とウキウキ歩くジーナ
「ウソツキなジーナ君は、恋なんてしないだろ?なんかね」と返すアシュリン
「そうだな、サラサが最後だったね。たしかにさ」とジーナは優しく微笑んだ