vol.2『挌闘悪寺院』-sternnes-
デュイは、ヨサゲな場所を見つけたので車を停めた。
廃工場か何かの建物だったようだ。
重い横引きの鉄扉を開けて中に入った。
デュイは、扉を閉めて二人の後ろに回り込むと言った。
「これだけ広いと、少々の声では見つからないな」
「?」
「なんだと?!シゲルっ?」
言うなり、シオリの腹部に強烈な前蹴りを入れた。
女は、2メートルくらい吹っ飛んだ。
「うっ、、」
派手な音と共に、何かの大きな機械に背中をぶつけて倒れこむ。
「何のマネだ、、うわっ」
詰め寄ったタクヤの胸部を平手で突き、重心を崩してから後方の鉄扉に投げつける。
「裁きだ。警察が追って来た時に、もちろん俺自身が『捕まってたまるか』と思ったが、お前達を『捕まえさせてたまるか!』とも思ったのさ」
言いながら、タクヤの顔面を何度も蹴飛ばした。
鼻はひしゃげ、血が噴き出した。
デュイは、意識して薄気味悪く笑って見せる。
タクヤは、とんでもない奴に関わってしまったと感じた。
シオリは、痛みと恐れで涙を浮かべて、早くも「助けて」と口にしている。
「助ける訳ねぇだろーが!」
言いながら、デュイはタクヤの左足のカカトとつま先を持ちスピニングトーフォールドの要領で回転した。
最初から手加減などは頭にない、一気に体ごと捻って倒れこんだ。
ブチブチッと靭帯が断裂する音をかき消すように、タクヤの悲鳴が広い空間に響き渡った。
デュイは、サディスティックにその足を蹴り上げ、踏みつける。
シオリは怯えていたが、なんとか逃げ出そうと立ち上がりかけていた。
それを感じるなり、腕関節を極めてシオリをタクヤに向かって投げつけた。
そのまま離さずに、一気にシオリの右腕をへし折った。
体験したこともない激痛に、シオリは絶叫して悲鳴をあげる。
力任せに2人を何度も蹴飛ばした後に、タクヤを担ぎ上げ肩からコンクリートの地面に叩き落とす。骨が砕ける鈍い音と悲鳴が起こった。
さらに、タクヤの右足をさっきと同様に破壊して完全に動きを止める。
そして、近くにあった作業用スコップで、2人をまとめて滅多突き。
シオリが、泣き叫ぼうが容赦はしなかった
「幸せそうでムカツイタから、仲のいい恋人達を殺してやったと言ってたね。それって、かなり楽しそうだなー」
叫びながら、ナイフでシオリの服を乱暴に引き裂いた。
薄皮が裂けて、肌に血の筋が走る。
「止めろっ、止めてくれー」
タクヤは痛みと悔しさで、涙を流しながら許しを乞う。
「そうか、そんなに自分の女が犯されるのを見たくないか、、」
シオリの腹を蹴飛ばしたり、胸を踏みつける。
「なら、声だけ聞けよ!」
タクヤの目を、ナイフで一文字に斬り裂き、目の辺りを蹴り飛ばす。
「ぎゃぁぁぁぁ」
もんどりうって転げるタクヤからシオリに向き直ると、ナイフで体中を浅く八つ裂きに切り裂いていく。
「きゃあぁぁぁ、痛い、やめて、許して、いや、きゃぁぁ、、」
声だけ聞くと、さぞや無理やり犯しているように聞こえたことだろう。
タクヤの悲痛な叫びとシオリの悲鳴が長い時間続いた。
「飽きてきたな、、うるさいから死ね。後悔したなら、来世で悔い改めろ」
タクヤに向かって、首の骨も折れろとばかりに顔面や頭部を蹴ってから、ナイフで体中を滅多突きにしてトドメを刺した。
その頃には、周辺にバケツでひっくり返したような、血溜りが出来上がっていた。
わざと狂ったような表情としぐさで、シオリに向き直る。
シオリは、目の前の惨劇に失禁してしまい、軽い放心状態になっていた。
「今から本当に犯してやる!この鉄パイプやナイフでな。突き刺し蹴り込み、エグってやる」
言うなり、タクヤと同じく目を一文字に切り裂いた。
「へへへっひゃひゃひゃはーっはっはっはっ、、」
狂気を装って、狂わんばかりの恐怖心を植え付ける。
今のデュイを動かすのは、裁きの2文字だけだ。
目を覆わんばかりの残虐さで、シオリも地獄へ叩き落した。
処刑が終わった後には、血の匂いと静寂が支配していた。
(俺も必ず行くよ。っか、、ケーキ届けなきゃ)
そう思いながら、デュイは廃工場から去っていった。
新展開のvol.3「蜘蛛神伝説」に、ご期待下さい。