vol.4『無敵への道』-mark_of_wolves-
場所は、恭都木屋町の「裏返しまくりタワー」。
高校から距離が、遠いってのはあんまし気にするな。
とりあえず、こやつらの走りは凄まじいスピードって訳ね
なんやかしらの酎ハイを飲みながら、ゼロがベラベラと話をしだす。
デュイは店員さんにオーダー
「隠してある豚玉、出して」
「そんなものは無い!」
しかたないので、デュイはノーマル豚玉を焼き始めー
----
約束の5年後に、彼はやってきたよ。
そう、オリジナルとアナザーの闘いから5年後だった。
つまりは、今からいうと3年前ということになる。
(ガシバシッ、ウワーッ)
俺(ゼロ)は、空羅の繰り出す八極拳の前に、完膚無きまでに打ちのめされた。
「なまってるな!そんなのじゃ、大切なものさえ守れないぜ」
空羅は、くたばった俺を蹴飛ばしながら言った。
「うぅっ、、(ちきしょう、クソ親父がー)」
空羅は、俺の好きな雪羅の親父だったさ。
我が娘がカワイイから、その彼氏が憎かったのだろう(違うけど)。
空羅を倒すまで、雪羅を自分のものにできない!と思って、頑張ったさ。たぶん
「ゼロ!俺に勝ちたかったら、強くなれ」
疲れ果てて棒立ちになったところへ、ボディーブローを叩き込まれ血反吐を吐かされた。
俺の鉄指が届くまでに弾き飛ばされて、1ダース攻撃を決められる。
俺は、リーチを伸ばす為に鐘巻流小太刀を習って、勝つためにストリートでラフファイトを覚えた。
もう、雪羅を手に入れたいとか、どうのこうのなんてどうでもよくなっていた。
(強くなりたい、、誰よりもっ)
そんな想いだけが、ボロボロの俺を支えていたや。
そして、2年後だった。
張っておいた罠で一瞬の隙を作り、小太刀で急所を刺してひるませて、容赦ない骨破拳の速射を決めた。
「それでこそ、、幻斗の見込んだ男だ。任せたぜ(いろいろ)」
ついに勝ったが、、ただ、虚しさだけが残った。
彼の死体が横たわる側で、俺は血の付いた自分の手を眺めていたよ。
----
「へぇ、それ相当にアレだね」
「、、そんな反応なのか、おまえ」
デュイは、具の上にベースを裏返す。ジュージュー
「っか、こういうことがあったんだよ。ゼロちゃん」
(、、ちゃん、ですかー)
-----
俺(デュイ)は、現世で格闘家の息子として生を受けた。
英才教育って訳じゃないが、お遊戯みたいな感じで教え込まれていた。
そして、あれはちょうど11年前の話だ。
俺は6才、まだまだ体も子供だった。
親父は、上背はなく普通の体格で、、ってか、調子いいおっさんだった。
「な、お父さんは、realよりも強い?」
「さぁな、こちらは柔術、向こうは関節技主体だからいい勝負かもしれんな。ただ、奴は心を読めるから強い!ギャンブルでいうと、透視ができるようなものじゃ、、ははん、お前realが好きなのか?」
「違うっての!俺は、、」
「んじゃいっちょ、卑怯拳を使って正義の制裁を見せてやるさ」
親父、試合を申し込んだ、、あっさり負けた。
「心を読むなんて、卑怯だー」
「このユキコ様に勝とうなんて、、というか、そもそもエッチなこと考えたり雑念が入りすぎっ」
「お、親父、、考えてたのか?」
「ちょ、ちょっぴりな」
そんな親父だったけど、大東流は強かった。
特に1対多数の闘いで真価を発揮した。
相手の関節を極め、あたかも武器のように使った。
だけど、親父は格闘家であり、悪を見逃せなかったので、そっち関係に恨まれることになった。
闇討ちで刺されたり、銃で片腕を負傷したりした。
そして、強敵に殺られた。
母親が人質に取られたからだ。
まだ小さかった俺は、強いrealに助けを求めたよ。
その時に帰ってきた言葉を、俺は忘れる事はなかったさ。
「ゴメンねー、大切なデートがあって急いでるの。ひえーっ、遅れちゃう」
俺は、それから一人で修行に出た。
(強くなりたい、、強くなって親父の仇を取りたい)
ただ、それだけの思いだったさ。
んで、10年後に仇を取った。ついでに、こないだユキコも殺したよ。
-----
たまらなくウマイお好み焼きをパクツク2人。
食い終わって、飲み終わって一言。
「、、お前、相当の悪だな」
同時発声。
(クロ高の神山君ほどじゃないけどね)
「それはそれとして、ここってゲームでいうところの試練の塔でしょ?簡単に出れないのでは、、」
「そう、1年ぐらいね」
「、、お好み焼き屋になるつもりかー」
「くっかっくっこっ」
2人揃ってズッコケて気絶、閉店時間に店から追い出された。
よくわからない感じで、vol.5「永遠の約束」へ続きます。うん