vol.6『闘いの意味』-for_my_dear-

私(葵)は、神社に娘として生まれました。
時に記憶を失って、、気が付くと帰ってきてて、怪我をして寝込んでたりね。
私には、特別な血が流れているのが、なんとなく分かってたよ。
んで、体育館での闘いから逃れて、病院のベッドで前世のことなんかを垣間見たりした。
前世で、、
どんな困難に直面して挫けた時も、力を貸してくれたり手を差し延べ続けてくれたのはデュイだった。
絶対的な真実の愛に巡り会えたと思う。
----
ちょうど、1年の月日が通り過ぎて、葵は卒業・ゼロとデュイは3年・雪羅は向こうの住人になったまま2年になっていた。
葵の卒業を見送ったこの日。
デュイは、葵が卒業した後を決戦の日とすると決めていた。
ゼロが急かしたが、これだけは譲らなかった。

ミカルが、1年かかって雪羅の意思を覗き。
『初音の母親の奏子を比良坂初音に再会させる』のが、目的であると分かった。
分かったけど、、あんまし関係ない感じがした。

ゼロは、修行をしていく上で、己の強さを極めることを目指していた。
(デュイは強い、、化け物だとさえ思える。だが、その強い男と闘って勝ちたい!勝ちたいんだ、、命を賭けてもっ)
ゼロは、その方法が己を解き放つことにしかないことを感じていた。


それぞれが違った思いを胸に決戦の時が来た。
「踏み込むのは、朝の10時10分眉毛で鼻が尖ってる感じな(?。戦闘に入ったら、俺が時間を稼ぐから、お前は宝玉を奪い取れ。いいな」
「その後は、、状況によるか」
----
しかし、、デュイったら、どっかのオジイちゃんに助けを求められて、30分ほど遅刻した。
大急ぎで駆けつけ1杯なデュイ。
「スマンかもー」
「デュイ、遅いじゃねーか」
ゼロは、所々に刃こぼれした小太刀を片手に、10数体もの贄と闘っていた。
人外のパワーの贄を相手に、ナントほとんど無傷であった。
「ゼロ、潜在能力を解き放ったのか」
「空羅のおっさんなら、10年以上前にやってることだぜ」
「そうこなくっちゃな」
デュイは、贄を大東流で次々とぶちのめす。
一体の関節を極めて、人形とダンスしてるかのような闘いだった。
(謎の声=すごいや、テリー)
その間隙をついて、ゼロが俊速で奥に居る初音と雪羅に近づく。
糸の攻撃に捕まっては、小太刀で断ち切る。
デュイが投げた贄の影に入り、逃げる雪羅のスピードを上回り、薹霊の宝玉をついに奪い取った。
(さて、どうする?ゼロよ)
ゼロは距離を取り、宝玉をデュイに投げた。
「預かってくれ」
パシッとデュイは宝玉を受け取った

「ゼロ、返してー」
「取り返せばいいのね」
雪羅と初音は、徹底抗戦の構えだった。
ゼロが突進し、デュイはサポートに回る。
このメンバーの中では、雪羅は戦えるには非力だったので、1vs2の闘いだ。
波状攻撃で揺さぶり、、ゼロの鉄指が初音の胸を貫いた。
しかし、、次の瞬間には初音の鋼鉄のような蜘蛛足がゼロの体を貫いていた。
『相打ち』だった。
激しく血を吐き流血して崩れ落ちるゼロと初音。
「ねぇさまー」
「ゼロ、、」
ゼロは、ピクリとも動かない。
だが、、初音の胸の傷は、修復されていき全く分からなくなった!!
(犬死に、、なのかっ?ゼロは)
デュイは、薹霊の宝玉に祈りを込めた。
「宝玉よ、奇跡をっ」
デュイの体が黄金に輝くと共に、時間が巻き戻り始めた。
初めて見るビジョンが展開されていく。
(これが、神の力なのか、、)

時間は、戻った。
--
ゼロは距離を取り、宝玉をデュイに投げた。
「預かってくれ」
パシッとデュイは宝玉を受け取った
-
「ゼロ、俺は過去に行ってくる!待っていてくれ。そいつは不死身だから、防御に徹するんだ。いいな」
「何っ?!、、分かった」
「させない!そんなことー」
初音がデュイを狙った糸を、ゼロは小太刀の鞘で防ぐ。
デュイは、奏子が行った過去へ行きたいと念じた。
空間に黄金の穴が開いた。
デュイは、その身を一気に次元の穴へ投じた。

「死んでもらうしかないようね」
「さて、『シラフにさせない、理性喰いちぎるshow_time』だな」
ゼロは、一つの覚悟を胸に戦闘を開始した。
生き延びてデュイを待つ、、敵の攻撃を凌ぎながら、掴みかけた最強へのキッカケを解放することを。
そして、雪羅もまた固い覚悟を決めていた。