逃避と輪廻と真実と

嘉神幻斗=長身でロン毛のにいさん。薹霊との闘いで右腕を失った
空羅=幻斗の親友
レイド=幻斗へ想いを寄せる少女。前世は不明?
ダルジィ=農家に住む少女。前世は不明?
鴛鴦=でっかいナイスガイ

あれから、、60数年の月日が流れた。

幻斗と空羅は、スパーリングに余念がない。
っか、お前らは何才なんだ?って感じ。
すでに、90才は超えてるはずだが、、。
見た目は、あいかわらず20代のまま

薹霊でも神でもない(一時は薹霊だったり、、したが)。
流れる時に流されずに、力強く立つ異端児が二人。
吹きすさぶ風の中、数分間の組み手が終わる。
片腕の幻斗は、息が乱れ少し疲れている印象だ。
対する空羅は、胸の前に合わせた手の平と甲を斜め下へ降ろすと「ふーーーーっ」と息吹を吹く。吹き終わると、回りの風も止み静まりかえった。

互いに自分の力を確かめ合い、満足げな表情で頷く二人。
そこへ、、
「幻斗、カッコいいー!っか、お疲れ様。愛飲ドリンク・レイドトマジュだよー」
レイドトマジュ、、レイドが持ってきたトマトジュースらしい。
150cm台の身長に均整の取れた身体つきの10代の娘・レイドだった。
顔立ちは、元モーモーの後藤真燐っぽいとか
駆け寄る時に、金髪のポニーテールが馬の尻尾のように揺れた。ノーズコーンが、まんまマーチ

幻斗に駆け寄り・抱き付き・キスしたりのイチャつきMAX。
(なんて羨ましいんだーーー)


「今日もいい天気だね。いつか、太陽が燃え尽きるなんて想像できないよー」
「そうだね」と応えるパパの荷馬車の後ろに乗っかり、伸びをしながら微笑む少女が居た。
身長は160cm台だろうか、細身に背中までの赤毛が印象的だ。
顔立ちは、愛内リィナみたいな。
荷台の干し草ベッドで、空を見上げる10代の少女・ダルジィは、農家で働いていた。
農家っていうか、牧場とかトータルバランスな西洋風ね。
お好み焼きていうか、ピザマンって感じ。
今は、隣町で買い物を済ませての帰りだったり。
干し草を回収して、牛さんにあげたりが彼女の仕事だったり。だーたにー
パパとママは優しくて、ほのぼのMAXで幸せな毎日だった。
本当の幸せって、魂がおちつける場所なのかもしれないね。

ママは、台所で夕ご飯の用意をしている。
緩やかな暖かい光の中で、幸せな時間が流れる。
もう一人、ダルジィとパパの帰りを待つものがいた。
外で野良仕事をしながら、ニコニコしてる大男だ。
その2メートルを超す巨体の鴛鴦も、ここで働いている。
ダルジィの来た頃から、やってきたのだった。
(お前は俺の全てだよ。悔しいけどな)
そんな風に呟き、遠くを眺めたり、、味噌を舐めたり。

「みそ鴛鴦プー」って感じになりながら、強大な敵が現れる予感がしていた。
(だから、ダルジィの側にいるのだろうか?それとも、俺はダルジィを愛してるの?)
自問自答しながら、、パクパク、口が動いていた。
「ちょっと、鴛鴦っ!また、味噌を食べてるでしょー?」
ママがあきれるほど、味噌好きな鴛鴦君であった。


♪嘘にまみれた、世界は今、雪の中
レイドのキスも、燃えるように熱いのが、僕らの真実