Execution

レイド=永遠の距離へ挑んだ少女、前世は八神葵 
セス=万能文化格闘娘、前世はゼロ
ダルジィ=紫水の繰り出した闇に飲み込まれた。正体はデュイ
嘉神紫水=絶対神

「親切なアラジンよ、お前に何でも願いの叶う呪文を授けよう」
「願いが、何でもっ!?(少し妄想しちゃう)」
「ヌーダラサン・クンヨブアム・ハンガロマンガロ、、、」
いきなし授けだすオッサン。
慌てるアラジン。
「ペン、ペンっ、、おばあちゃん、ペンは?」
婆さまに聞くが、当然ない。
「ないよー」
どうだー『すごいすごーい、ザ・ムービーショー』と言わんばかりに、小数点のバカ暗記の如く延々とジュゲムの名前を呼ぶオッサン。
「、、ヒンガロヌンガロ・ガンガラメ、、、」
アラジン、後に述懐す。
「あの時、メモ帳とペンさえあればなぁ」
(ってか、、三日三晩、言い続けそうな勢いだったにゃー)
そんな走馬灯を見ながら、猫は昇天しちゃいました。

紫水は、二つ目の閃光拳を繰り出していた。
「ちっ、猫切れか」
セスは、攻撃方法を一つ無くしてしまった。
(なかなか手ごわいな。けど、何とかするから、、、空羅、空のように大きな人)
息つく間もなく、剣の攻撃がきた。
明らかに剣の届かない間合いからなのに、セスへ攻撃が可能だった。
日本でいうところの居合いのような感じなのだろう。
一つ二つ三つ、、斬撃を左右のスウェイとバック転でかわす。
(見切りを覚えた。次は、、)
違った。
敵は、上昇してのビーム攻撃を放った。
「うわわわーっ」
何だか、ちょこまかと走らされるセスであった。
紫水は、追いまわすように高速移動。
「閃光拳」
三つ目の閃光拳を出した。
ジリジリと周りの温度が上昇する。
「熱っつーい。はっ、さては『暑かったら、脱げば?』ってつもりなんじゃー?ムッツリすけべー」
「遊びは、、楽しまないとな」
言うものの、紫水はあまり表情を変えないので不気味だ。

次に、剣の攻撃がきた。
中間間合いからの斬撃。
「一つ、二つ、、」
(ヒュン、、ザクッ)
「手応え有りっ」
セスは、三つ目の攻撃を仰け反って避けつつ、背面から武器で反撃した。
「九節鞭か、、」
紫水は、払った左手をしたたかに切っていた。
小刀に見えたのは、束ねられた武器だったっぷー。
「私のお返しはした。ここからは、幻斗の分じゃー」
武器を引き戻し、回転しながら前からナイフを投げるように使う。
引き戻し、すかさず下段攻撃へ。
流れるように一気に攻めたてるセスに、紫水は剣で何とか防御して後ずさる。
(キン、キン、キキンッ)
剣と刃のぶつかり合う音が続く。
セスは、武器を引き戻し、根元と先を両手に持ち突進を開始した。
中間距離から、近距離へ。

(ビュンッ)
「!?のあーっ、危ねぇーんじゃー」
セス、うつ伏せに倒れた。
背後から、弓矢が飛んできたからだ。
さらに、セスの上を女の子が飛び越えて行った。
颯爽と現れたレイドである。
パツ金ロングヘアが、風に舞いぱっと広がった。
ダッシュハイジャンプから、空中でクロスボウのトリガーを連続で引く。
(ビュンビュンビュンビュンビュン、カチッ)
紫水は、硬質バリアで5本の矢を弾いた。
ただ、頭上を通過してからの1本は剣で払う。
「えーーいっ」
さらに、掛け声と共にレイドが投げつけたクロスボウは、閃光のような蹴りで弾き返した。
口には、呪文が唱えられている。
「マズい!レイド、避けろーっ」
セスが叫んだ。
背後から紫水へ、ダッシュ攻撃を仕掛けようとしたが、急いでレイドに向かう。
紫水の足元から、レイドに向けて影が走った。
「閃光拳」
レイドを救出に向かうセスの前に、光球が放たれた。
「げーーーっ」
セス、急停止。

クロスボウによる攻撃を防がれたレイドは、ジャージ先生のポッケからナイフを取り出して特攻するところだった。
セスの声を聞いて危険を察知した次の瞬間、影が足元に高速移動してきた。
「ヤだ、何?!」
影から伸びた無数の手が、レイドを暗黒へと引っ張る。
窮地に直面したからか、レイドの瞳が金色に輝いた。
葵の力が目覚め、背中から生えた白銀の蜘蛛脚が、影の縁にしっかりと掛かった。
外から見ると、蜘蛛脚しか見えないっぷー。