chapter1『ピーナッツ対決』

登場人物
戒斗(kaito)=短髪で容姿端麗、ビジュアル系ロック主体の攻撃を得意とする
紫玖真(siguma)=長髪で長身の七曲、ラウドロック主体の攻撃を得意とする
鏡維(kyoui)=短髪で普通だが頭脳派、パンクロック主体の攻撃を得意とする
ハナ垂れ小僧さま=えびなますが喰いたいんじゃー(?
という、、メンバーなバンド(小僧は除く)の物語

ハナ垂れた子供が覗き込む。
「おっちゃん、それおもろいんか?」
街中で、さるのこしかけに腰かけてる若者に声をかけたのだ。
短髪のパツ金、パンツもジャンも黒皮&黒ブーツで一色に決めているさ。
身長は188cm。投げ出した脚が、やたらに長い。
「ん、面白いょ。知らなきゃさ、、君の人生、新崎かも」
若者・戒斗は、顔を向けずに応えた。
やってるのは、G-PHONのJAVAアプリゲー(RPG)だ。
ちょい前からハマッているそうな。
ダイトーの「おてガアルだんじょん」は、Lv94でHPとMPが999になったので飽きたらしい。
今日から、兄気の「インフィニティーラビリンス」を始めたものだった。
キャラクターは「獣人(猫耳)・女(ロリ)」を選択、名前は「ちゅよあい」に決定だ。
「ちゅよあいにゃん、大好きっぷー」とか言いながらプレイしているさまは、、徳永の冒険風に言うとトッテモ「あがが」だ。
見た目は貴公子なのに、ちょっと違った性格っぽいね。ぽいぽいっ
「戒っ、あんなストーリー切り出してどうすんだよ?っか、レコーディングもあんだぜ」
って、セリフと共に現れたのは、196cmでトップロープを跨いで入場する男・紫玖真である。
ノーズコーンが、まんま「鼻曲がり署・捜査一課」さ。
長い黒髪がストロングな印象だったり。
紺ジーパンにボア付きのこげ茶の皮ジャン姿&こげ茶ブーツだ。

(あんなストーリー)とは、、の前に説明。
この戒斗・紫玖真と、もうひとり鏡維の三人は、ミュージシャンでありつつプロレスラーなのであった。
人気プロレスラーが、曲を出したのとは違う。
格闘好きだから、猛トレーニングして入門し、レスラーになったのである。
ミュージシャンだから、試合中もコーナーでライブだ。
試合の権利があってもなくても、ずっとずっと完全燃焼みたいさ。

で、GHC(グローバル・ハニープーさん・クラウン)の6メンタッグ、初防衛直後のことだ。
三人がチャンピオンベルトを巻き終わってのマイクタイム。
「お前ら、誰が一番強いのか分かっただろ?」
紫玖真が、大歓声の観客に向けて叫ぶ。
「俺たちに、恐れるものは何も無いんだー」
173cmでジュニアな体格の鏡維が同調する。
短髪茶パツで、くりくりした目が特徴的さ。
「、、いや違う!チャンピンは、三人もいらないっ」
無思考性好色発電所なこと言ったのは、戒斗っぷー。
すなわち、仲間割れ開始。
「あ?フザケんじゃねー」
「誰が一番強いか、勝負だっ」
戒斗と紫玖真がやりあい、鏡維が止めに入る。
「じゃ、3wayダンスで勝負すりゃいいじゃん。勝った者は『負けた者の言うことをたまに聞く』ってね」
鏡維が彼特有の発言だ。
「まわりくどい言い方しやがってー」
「熱くて死ぬかも。おらおらっ」
三者入り乱れての攻防は、お約束に若手選手達が止めに入って終了。

(...どうすんだよ?)に、戒斗が応えた。
「まぁ、やればいいから。紫玖、任しといて」
ちょい紫玖真へ向けて、目を携帯へ戻したその時。
戒斗の前には、ハナ垂れ小僧の後頭部があった。
まさに、子供の集まるゲーセンで新作ゲームをした感じさ。風林火山の『侵略すること火の如し』である。
「これくれや。おっちゃん」
垂れたハナの付いた携帯を握って、今はハナ垂れてない子供が言う。
「ダメだよ。これは、ちゅよあいにゃんとメッセしたり写メールする大切な物なんだ」
戒斗は奪い取る感じで、今どうでもいいことを説明したりした。
「そんなのくれてやれよ。それよか、レコーディングすんだぜ」
紫玖真が促すように言う。
そこで、鏡維が登場。
黒パン&黒シャツに白のハーフコート姿、紺の皮靴っぷー。
「おふたりさん、じじいになれば分かるだろうぜ」
左手二本指でふたりを指差しながら、俺が裁いてやるって感じだ。
「おっけ、さっさとレコーディング行くぜ」
うなずきながら、鏡維の方に足を向ける紫玖真。
「待てよ、どうすんだ?これ」
困った感じの戒斗が、二人に問う。
「きにいったからもらうわ」
子供、ハナ付き携帯に食らいついて離れない。だだっ子の様相さ
「よし、シリトリかピーナッツで決めよう」
『俺はお前らを見捨てない』って感じで鏡維が言う。
(ピ、ピーナッツ?!)
戒斗&紫玖真は、声に出さなかった。
「おっけ、シリトリね。俺が勝ったら、携帯は子供のもの。戒が勝ったら、戒のものだ」
紫玖真が男気を見せる(?。
「ちょい待ち!ヤな予感がする。鏡維のことだ『おっさんの尻を早く取ってきた方』、、つまり何だ。ヤバイかも」
能天気官能爆弾な戒斗くんだ。
「じゃ、分かった。ピーナッツでいい」
仕方なく紫玖真が応える。
「鼻に詰めたのを飛ばして、その飛距離で勝負すんだよね?」
戒斗は言った。
もち、紫玖真もそう思った。