第11話『ぱいや〜メモリー』
「きっしいしい・・・このソフトはいくらくらいにするかにゃー」
昭兎はソフト買い取り価格表を作っていた。もちろんゲームのだ。
そしてもちろんここはゲームショップドリームドリーム。
「うごっ!?」
突然昭兎が苦しみの声をあげた!
「ウボァー」
声をあげたかと思うとみるみるうちに溶けていった。
すでに原形を留めていなかったりする。
「腹減ったんじゃよ〜」
どろどろに溶けた肉塊から声がする・・・はっきりいって不気味さ!
そう、昭兎は腹が減るあまりなぜかメルトダウンしたのだ。さすがだぜ!!
「美由紀さんはやく帰ってきてほしいですぅ!!」
なぜか語尾がですぅ。
現在の時刻は1時35分。ランチタイムはちょっと過ぎたといったところ。
美由紀は料理の材料がないので買出しに行っている。買い出し紀行だ。
かれこれ一時間が過ぎようとしていた。
「ひゃっひゃっひゃ・・・ああ・・・アムロ・・・時がみえる・・・」
昭兎はすでにおかしくなっているヨ。
だが昭兎はいきなり元に戻った!!どうやら客の気配を感じたようだ。
「いらしゃいませ・・・え・・・」
次の瞬間、昭兎は固まっていた。きしぃな事体!!
「あ・・・あ・・・まさか・・・」
昭兎が声をしぼりだす・・・。
「か、かあさん!?」
昭兎が声を張り上げた。そのとおり!!
昭兎の目の前にいるのは昭兎の母、その人であった。
「久しぶりだね昭兎。元気にしていたかい?」
昭兎の母、昭夜(アキヨ)が話し掛けてきたおぅパールぅ?(謎)
「あ、う、うん・・・」
昭兎はどうも落ち着きがない。
久しぶりに会う母親だというのにあまり喜んでる様子は感じられない。
昭夜はドリームドリームの店内をキョロキョロと見回している。
「ふ〜ん、ここが今アンタがバイトしてるとこ」
「う、うん」
「まったく、相変わらずゲーム好きだねぇ・・・。
今も昔と変わらずゲームばっかやってるんでしょ」
「ま、まあ」
昭夜の問いに対して適当に相づちをうつ昭兎。
「あ、あのさ」
今度は昭兎からはなしかけた。
「なんだい?」
「もしかして今日ここに来たのは・・・」
「そうだね、多分アンタが思ってるとおりの用事できたんだよ」
「あがが!」
昭兎はあががさ!
「ってことは、お、オレを・・・その・・・」
「そう、アンタをいっしょにアメリカへ連れてかえる」
「ウボァー」
昭兎は再び溶け出した。しかも今度の溶け具合は並ではない。
床をも溶かしている。
っていうか昭兎は床を溶かしながら地下へと進出していった!
「・・・しばらくみないうちに人間離れしたねえ、あの子も」
人間離れというよりすでに人間ではないような気もするが・・・。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ〜」
昭兎なぜか天井から帰ってきた。
「なにがだい?」
「その・・・アメリカンに連れてかえるっていう件だよ・・・」
「いやなのかい?」
昭夜が凄味をきかせてきた。
「うっ・・・うぎちちっちちちちっちい・・・いやじゃよ!!」
昭兎はまけじと言い返した!
「・・・なぜだい?」
「なぜって・・・」
「どうせこっちにいてもバイト生活を送るだけだろ?通うって言ってたゲームデザイナー関係の専門学校とかにも行ってないみたいだし」