美由紀が案内されたところはちょっとした庭園だった。
そこの一角に大理石でできたテーブルとイスが設けられている。
アリスはそのイスに腰掛け、美由紀も座るよううながした。
「ステキなところですね」
「ふふ、ありがとうございます。しかし所詮は室内にあつらわれたもの・・・。本当の自然にはかないませんわ」
美由紀の言葉にアリスがいった。
そして美由紀はいろいろはなしたゼ?
「TVゲームですか・・・外の世界にはそのようなものが・・・」
「ええ」
美由紀はそれから自分がそのTVゲームを売る店をやっていること、そして昭兎のことをはなした。
「昭兎さんとは・・・美由紀さんの恋人ですか?」
「え!?や、やーね。そんなんじゃ・・・あるかも・・・きゃっ!言っちゃった!」
美由紀はなにやら一人でにやにやしている。
「恋人ですか・・・いいですね。わたしは人と出会う機会なんてないから・・・」
「どうして?あ・・・でも今わたしと会ってるじゃない」
美由紀がそう言った。
ちなみにいつのまにか美由紀のアリスに対する口調がからあげ的に。
「ええ・・・それは美由紀さんから会いに来てくれたからなんです。わたしは・・・わたしはこの塔から出ることができないんです・・・」
「は・・・出れない・・・?」
「はい・・・」
美由紀はおうむ返しに聞いていた。
「どうして?」
「それはわたしにもわかりません・・・。でも出れないんです、どうしても」
アリスが自虐的にわらう。美由紀はなにかこう熱きものがこみあげてきた!!
「そんな!!そんなのあんまりだわ!!かわいそうじゃよ〜」
なんか昭兎っぽくなってるし!
「でも・・・出られないんです」
「そんな・・・はっ!」
美由紀はなにかに思いあたった。そしてすぐにそのなにかがわかる!
「わたしに心あたりがあるわ!」
「ほ・・・本当ですか!?」
「ええ!」
美由紀が自身満々に答える。
そしてにっこりわらって。
「昭兎君ならなんとかしてくれるわ!!」
ここはゲームショップドリームドリーム。
そのドリームドリームで一人の男と一匹のオスネコが激しく踊りに興じていた。
いや、踊りに興じているのではなく、ゲームに興じているといったほうが正しいのだろうか。
そう、その男・・・昭兎と昭兎のペット、シロネコのシロはDDRの真っ最中!
「はっ、はっ、シロ!お前なんでそんな手足が・・・短い!のに・・・そんな・・・う、ま、いんだ・・・よ!」
昭兎が踊りながらシロに問う。
「機敏やし」
「さよけ」
そんな感じで2時間ほどDDRをやっていた。
ちなみにその2時間の間に客は来なかったのかというと来なかった。
この一週間、ドリームドリームの売上はがたおっち!!
なぜなら美由紀がいないからー。
「美由紀さんどこ行ったんじゃろー」
昭兎が呟いた。その刹那!
突然昭兎の目の前の空間が歪んだ。
「え・・・?なに・・・これ」
昭兎は目の前で起こっていることがよくわからない。
まぁ空間の歪みなんて普通みれるもんじゃないからわかるわけないが。
そして次の瞬間まばゆい光と共に空間がさけて中から人が!!
それは昭兎のよく知った人ですたい!
そう、空間から現れたのは美由紀だった。
「み、美由紀さん!?」
「ただいま、昭兎君」
美由紀がにこっと笑う。
「それからシロちゃん」
シロにもただいまって!
「にゃあ・・・!」
(いきなり現れたぜこの女!!)
「昭兎君、突然だけど人助けをかってでて!」
「え?」
言うがはやいか、美由紀は昭兎の腕をとってさきほどの空間の裂け目にとびこんだ。
「ぎゃわー!」
もちろん捕まれていた昭兎もいっしょに。
「にゃちちち!!」
シロは狂っていた。
「と、いうわけなのよ」
ここはアリスの塔の庭園。先ほど美由紀とアリスが話をしていた場所だ。
「いや・・・そういわれましても・・・オレに何をしろと?」
昭兎は困惑ぎみに言った。
「だから、アリスを助けてあげて!アリスSOSよ!!」
「きししし!!」
なんだかよくわからない状況デシ!!
「まかしてちょーだい!ではさっそく塔の出口へ案内してちょ」
というわけで昭兎、美由紀、アリスの三人は塔の出入り口・・・
美由紀が入ってきたところとおなじ所に来ていた。
「出てみてほしいんじゃよー」
「無駄ですけど出てみますよ?」
そういうとアリスは外へでようと一歩踏み出した。すると!
アリスが出てきた。入口から。
「え?え?」
昭兎と美由紀はメダパニ!
「そっから出てきたってことは外に出たんじゃ・・・」
「いいえ、でてません・・・空間がおかしなふうに!!」
アリスもなんだかおかしくなってきたヨ。
「きしいしい!許さんぞフリーザ!!」
昭兎がよくわからんことを口走りながら空間にむけてギャリック砲をはなつ!!
そのエネルギーはすさまじいっす!
「ウボァー」
空間の断末魔が響きわたった!!
「ヤッター」
昭兎は勝利した。
「これで・・・これで出られるのかしら!とう!!」
アリスはさっそく外へ躍り出た!!出れた!!
「やったわペータ!クララが立った!」
「ああハイジ!!クララが立ったぜ!ずんどこ立ったよ!!ついでにオレのあそこもな!!」
「やった!出れたわー!!」
「クララが立った!クララが立った!」
なぜだかさっぱり確実に解らないがそこはすこぶるアルプス化していたさ!
ぱわふるに!!
いっぽうシロはというとひとりでカードキャプターさくらを堪能していた。
なんだか萌えー萌えーとか言ってる。
「あにゃにゃにゃにゃん!!」
ちなみにしばらくして昭兎と美由紀は正気にもどった。
が、なぜか数日間アリスはクララと呼ばれていたという・・・。
ひゃっひゃっひゃ・・・アホですねほんと(汗)
でも続きます。