第13話『きっしいい』

 (嫉妬・・・というのかしら、この感情を・・・)
ひとりの女がそんなことを考えている。その女はすんごいゼ?なにかが。
(そうね・・・わたしは嫉妬しているんだわ・・・あの娘・・・)
「アリスにな!!」
最後のアリスにな、は声にしている。
「ちぃぃ・・・あの娘、こうもあっさり昭兎を取り込むとは・・・やる!」
なんだかシャアっぽい口調で言うその女・・・相田美由紀はゲームショップ
ドリームドリームの店長である。
すこぶる快適に美人だ。ついでに乳もでかいぜ!!からあがるゼ?
「このままでは昭兎があの娘に・・・あの娘に奪われる!!」
かなり興奮しておられるようじゃ・・・ひゃひゃひゃ・・・。
「そんなことさせるかよ!!」
そう言って美由紀は自分の部屋を・・・いや、ドリームドリームを飛び出した!
「シロちゃん!お店お願いね!」
後に残されたのは昭兎のペット、シロネコのシロだけ。
「お願いっていわれてもにゃあ・・・」
もっともである。
 
 最初はささいなことだった。
「昭兎、これはなんですか?」
アリスが問う。
「これはTVですよ、アリス様」
昭兎が答える。
「昭兎、あれはなんですか?」
アリスが問う。
「あれは飛行機ですよ、アリス様」
昭兎が答える。
「昭兎、それはなんですか?」
アリスが問う。
「これはオレのトランクスですよ、アリス様」
初めて外にでてきたアリスにとって見るものすべてが新鮮だった。
興味津々、大冒険だ。
そしてそこにいたのが親切青年昭兎というわけだ。
昭兎はアリスがもつ高貴なオーラを感じ取りなぜか様づけでアリスを呼んでいた。
昭兎は次々にアリスの質問に答えていった。
そしてあるとき。
「昭兎、わたしはTVゲームというものをやってみたいのです」
「おっけ〜おっけ〜よ〜」
そんなアリスの一言から、昭兎はずんどこアリスにゲームのなんたるかを教えることにした。
毎日暇があればアリスにゲームを教えておるのじゃよ・・・。
「ここはですね・・・こうやるんじゃあ!!」
「まぁ・・・すごいですわね」
二人で楽しそうにゲームをしている姿は知らない人がみれば
「恋人どうしけ?」と言うほどだゼ?
 そんな二人を悪意のオーラを放ちながらみているものがいた。
そう、昭兎君すきすき・・・美由紀おねいさまだ。
「・・・昭兎君・・・あんなに楽しそうに・・・」
美由紀はとっても悲しいぜ・・・。
「あぁぁぁぁぁりぃぃぃぃぃすぅぅぅぅぅ・・・・」
そして同時にアリスに対する憎しみが増大していくぜ!!
そんな感じでドリームドリームはなんだか
もきゅもきゅな雰囲気全開になりつつもなんとか均衡を保っていたのだが
決定打は今日訪れたのだよ・・・。
「昭兎、わたしはいろんな場所をみてみたいのです」
「じゃあ、ちょっと町にくりだしますか!」
これだけ聞けば町を案内しますよ昭兎だが楽しそうに語らい、
「こういうときはこうするものなのでしょう?」と言って
昭兎と腕をくんでよりそうように歩く的なデートっぽいんじゃよ?
昭兎なので美由紀の怒りは頂点に達したヨ!
 ・・・で「これは嫉妬なのね・・・」と、
いきなりシリアスモードになったが次の瞬間には
二人を追って飛び出したというわけですぅ。

 「あの二人・・・どこへいったんのだ!!」
美由紀は焦っていた。わたしの知らないところで二人が
あんなことやこんなことをしてたら・・・きぃぃぃぃぃぃぃっ!!ってな。
「そんなのいやいや!美由紀・アイ!!」
説明しよう!!美由紀・アイとは宇宙規模で昭兎の位置がわかるすげえ千里眼!
「・・・いた!!3時の方向に13キロ!!・・・加速装置!!」
言うがはやいか美由紀はこんなこともあろうかと
ひそかに開発しておいた加速装置で加速した!
その速さは美由紀のオーラちからも手伝って光以上!!
だがそのあまりのはやさが災いした!!
光の速さを超えた美由紀はオーラロードをつらぬいて別の世界へいってしまった!!
 
 「しまった!!ここは!?」
「よくぞきた・・・異世界の勇者よ・・・」
美由紀の目の前にはローブを羽織ったばあさんが!!
「魔王ぱいやーを倒せるのは異世界の勇者だけ・・・
たのむ!なにとぞ魔王を倒してくれ!!」
「うっさいわね!!そんな暇はないのよ!!はやくしないとあの小娘・・・なにをしでかすか!!」
美由紀の焦りは高まる一方だ。
「うぬぅ・・・しかし魔王を倒さねば元の世界には帰れないぞよ」
「なんですってぇぇぇ!!魔王はどこやねん!!」
「この城の対岸に見える魔の城にすんでおる・・・しかしそこへ・・・」
「キーーーン!!」
美由紀はアラ○ちゃんばりに両手を広げてすっとんでいった。
「はやっ!」
ばあさんはそういうしかなかった。
「ムハハハ・・・まさかもうこまでくるとはな・・・」
「死ね!!美由紀サマーソルト!!」
「ウボァー」
美由紀のサマーソルトを受けた魔王は3秒で死んだ。世界に平和が訪れた!!