美由紀がぜえぜえ言ってると背後から声がした。
「勇者よ!よくぞ魔王を倒してくれた!!心から礼を言うぞ!」
さっきのばあさんだ。
「礼はいいからはやく元の世界へもどして!!」
美由紀が叫ぶ。
「うむ・・・実はもどれぬのじゃ・・・」
「え・・・?」
美由紀とばあさんの間にしばしの沈黙が流れた・・・。
「い、今なんて言ったの・・・」
「帰れない・・・そう言ったのじゃ・・・。仕方ないからこの世界でくらしなされ。おぬしなら一国の主にもなれよう」
「ばばあぁぁぁぁぁ!!」
ヒュッ!!
ごきゃっ
「ウボァー」
美由紀の真空回し蹴りを食らったばあさんは首が折れて逝ってしまったそうな・・・。
「いやよ!!誰が・・・誰がこんな世界に残るものですか!!」
次の瞬間美由紀の体から謎のオーラがみちあふれた!!
「ちぇい!!」
しゅいーん!めたるだーだ!
美由紀は再びオーラロードを貫いて元の世界へ戻ってきた!すげえよー。
そのころ昭兎とアリスは喫茶店にいた。
「適当に注文決めていいですか?」
「あなたにお任せします」
「きしい!!」
ざわざわ・・・
昭兎とアリスは注目の的だった。正確に言うとアリスだけが、だが。
「すげえですたい・・・」「か、かわいい・・・」「美少女すぎる!!」
次々に感嘆の声があがる。
無理もない・・・、アリスはすんげえ美少女なのだ。しかも高貴な雰囲気もえやっ!!ってね?
「なんであんなやつが・・・」「ゆるせん!」「親衛隊の名にかけてころす!!」
昭兎に対する感情は正反対っす!
なぜか喫茶店にはいって3分で親衛隊までできてるし。
「うごっ!男どもの視線が物理的にささってる!!」
おかげであちこち傷だらけです。
「大丈夫ですか昭兎?」
「へっちゃらだい!」
なぜか子供っぽい。
「そうですか・・・しかしなんなのですかこの周りの人たちは」
「うぎぃー、みんなアリス様の美しさに惹かれて集まってきておるようですじゃ」
「美しい・・・わたしがですか?・・・わたしは美しいのですか?」
いやみではない。アリスはいままで一人だった。
もちろん比べる対象となる女性もいなかったわけで・・・。
「きし・・・少なくともこのまわりいる男達は全員そう思ってますよ」
「・・・昭兎はそう思ってないのですか?」
「美しいと思いますぜ?」
「そうですか。それを聞いて安心しました」
え・・・?それは一体どういう意味なんじゃろーか?
昭兎はちょっとドキっとした。だがすぐにおさめた。
(ふぃー、いかんいかん。ただでさえ美由紀さんの色香にまどわされてロリ好きじゃなくなりかけてるというのに、このうえこんな高貴な美少女に恋なんてしようもんなら・・・もんなら・・・・・・なんだ?)
きちち!!
「お待たせ致しました」
いやぁ、そのときウェイトレスが注文したもんをもってきたんや。
「昭兎、これはなんという食べ物ですか?」
「焼肉定食!!」
「ヤキニクテイショク・・・ではいただきます」
そういうとアリスは焼肉定食を口にした。
「どうじゃな?」
昭兎が問い掛ける。
「・・・ええ、おいしいです!」
そう言ってアリスは会心の笑みを浮かべた!!
「ぐわぁぁぁぁぁ!!」「ウボァー」「おだ・・・おだぁぁぁ!!」
するといきなり周りにいた男達がもだえはじめた!苦しそうだ。
さよう・・・あまりにかわいい笑みなためにかわいすぎるダメージをうけたのだ!
昭兎も例外ではなかった。
「うごっ!?」
「どうしました昭兎?」
アリスが昭兎の顔をのぞきこんできた。
(ギャワー!そんな近くに顔をもってこられたら・・・いける!!)
わけわからん!!
どきどき・・・!!
昭兎の心臓の鼓動がはやくなる。ドキンさん!!
「昭兎・・・顔が赤いですよ?熱があるのでは・・・」
そう言うとアリスは昭兎の額に自分の額をあてた!
(!?)
どどどどどどきききききき!!
昭兎の心臓のビートは最高潮!!いまなら血波が使える!!
(あ・・・ああああああああ・・・)
ぱたっ
昭兎は沸騰しすぎて体が耐えられなくなって気絶した。
「昭兎!」
アリスは気絶した昭兎の頭を自分のひざでまくら!!
「誰か、なにか冷やすものをもってこよ!」
アリスが命令口調でいう。実はもともとこういう性格なのだ。
「どうぞ!!」
次の瞬間周りの男達がいっせいに氷のうを持ってきた。はやいな!
「これで・・・」
アリスが昭兎のデコに氷のうをのせた瞬間!
じゅっ
溶けたよ・・・ぱわふる!!