第17話『宇宙の逃亡者』

 ゲームショップ『ドリームドリーム』の頼れる店員であった昭兎は数多くの幼女を擁する幼女連盟の宇宙要塞『ラブリスター』へ舞い戻ってしまった。
このままでは真の幼女マスターになってしまう!
それを恐れ、なにより昭兎をずんどこ愛している美由紀は昭兎を追うため、
姉である相田芹香がデザインだけした宇宙船『極楽鳥(謎)』を駆り、
ついに宇宙(そら)へあがった。
あがったはいいものの予期せぬワープによるものだったので予期せぬ場所へ出てしまう。
幸い近くに宇宙ステーションらしき建造物を発見できたのでそこへ行ってみよう
ということになったのだが・・・。

 「よし!とりあえず通信回線を開いて!」
芹香は謎の宇宙ステーションに艦を進めながら通信を試みようと思った。
「了解・・・いえ、どうやら向こうから回線を繋いできたようです。主モニターに回します」
アリスの言葉が終わると同じにメインブリッジにいるもの全てに見える
8メートル程の巨大なモニターに通信相手が映し出される。
「なっ・・・」
モニターを見ていたクルー全員に驚きが走る。
なぜなら・・・。
「よ、幼女しか!!」
さよう!シロの言うとおり映し出されたのは幼女だったのさ!
なかなか可愛らしいですわよ?インカムをつけてるところをみると
どうやら管制官らしく
この幼女が通信してきたのは間違いないようだ。
向こうはたいして驚いた様子もなく淡々と告げてきた。
「こちらはトリウム星系第16777216宇宙ステーションラブリースター。貴艦の所属と目的をお教え願います」
「・・・この艦の所属って?」
「さあ。どう答えれば良いのでざいましょうな?」
芹香の疑問にさっぱりプーなセバスチャンさ!
「わかんないから聞いてるんでしょ!マートは!?」
「どうやら・・・我々が予想していた以上に宇宙は大規模に渡って組織化がなされていたようですね・・・」
「それで?」
「・・・どう答えましょう?」
「もう!!」
そんな3人の声も届かないくらい考え事をしている者がいる。
(・・・よ、幼女?いくらなんでも偶然に幼女とは思えないわ・・・)
美由紀だった。相手が幼女なのが摩訶不思議アドベンチャー!
ピキーン!
「そうだわ!!」
美由紀はニュータイプばりに閃いた!!
「そこに昭兎君がいるに違いない!」
「え?そ、そこに?」
「確かに幼女がでてきたとはいえあの子だけ幼女なのかもしれないにゃあ」
「そんな都合良くいくでしょうか・・・」
美由紀の意見にみんなは肯定的でない様子。
「いるわ!みえる・・・みえるのよわたしには!!そこの幼女!!」
美由紀が通信してきた幼女管制官に向き直る。
「はい?」
「昭兎がね!?」
「え?昭兎お兄ちゃんがどうかしましたか?もしかして昭兎お兄ちゃんのお友達ですか?」
「かかりましたね!!」
美由紀が会心の不敵な笑みを浮かべる。
「オーノー」
「宇宙はせまいというが・・・まさかね・・・って言わないか」
「都合良すぎるにゃあ!」
「でもここに昭兎がいる・・・?」
幼女の発言にみんなは色めきだった。
美由紀はもう勝ったも同然!って感じで大胆不敵なのぉ。ダイターン3かね?
「短刀直入に言うわ!昭兎君を返して!」
「返してと言われましても・・・」
モニターの向こうで幼女が可愛らしく首をかしげる。
「可愛いにゃあ・・・ぽるわ!」
「うかつな!!」
うかつな発言をしたシロは美由紀のギャラクティカマグナムで宇宙のどこかへ飛んで行った。
ファントムをだすまでもないわ!!
「わざとらしくかしげおってからに!!あなたじゃ話にならないわ!なんか偉い奴をよこしなさい!!」
「えっと・・・少々お待ち下さい」
プツン
「通信途切れました」
「昭兎君・・・」
一刻も早く昭兎会いたい美由紀であった。

 ここはKINGと魔亜夢なところ。
先刻に引き続き伝説の幼女を降臨させる儀式的実験が行われていた。
「ひゃっひゃっひゃ・・・うんまーい!」
「オーマイコンブ!!」
みるみる上昇する幼女エナジーの値に歓喜してヒャッホィ音頭を踊るKINGと魔亜夢。
ピコッ
そのとき端末に通信を知らせる警告音が鳴った。
「オーマイ・・・ん?誰です?こんなときに・・・魔亜夢ですが?」
魔亜夢が通信に出た。相手はさっき美由紀達に通告を言い渡していた幼女だ。
「あ、魔亜夢様・・・申し訳ございません。なんかへんなおばさんが・・・」
「お、おばさん?どういうことです?」
「実はかくかくしかじか・・・」
「これこれうまうまで・・・なるほど・・・それは厄介ですね・・・
今昭兎君を失うわけにはいきません」
「どうしましょう?」
「・・・わかりました。私が自ら話してみましょう」
「お願いしますぅ!」
プツン
「・・・KING様。どうやら招かれざる客人が参ったようなのであしらってきます」
「オッケーオッケーよ〜♪」
シュン・・・
魔亜夢は消えた。
 シュン・・・
「・・・あ!魔亜夢様!」
「お仕事ご苦労様ですねみなさん」
「そんな・・・魔亜夢様のためなら・・・」
魔亜夢がウルテクで管制室に瞬間移動してくると幼女達が魔亜夢の周りを取り囲んで
ロリロリしている。
さすがに幼女連盟の副会長といったところか・・・。
別の視点からみればただのヤバイ人だが(爆)
「どれ、そのおばさんとやらと話をしてみましょうか?」
「あ、はい。通信開きます」
ピコン!