美由紀、アリス、ヴァリスの三人がしばしのティータイムを
楽しもうとしたそのとき!
「キャーーーッ!!」
店中に響き渡るほどの悲鳴が!!
「今のは!?」
美由紀が驚いて立ち上がった。
「モニカおねえでしょ」
ヴァリスがうろたえるでもなく淡々と答える。
「モニカちゃんの身に危険が迫っているのね!今行くわ!」
シュタタ!!
美由紀は光速で駆けだした!
ギュイーン!
しかしあまりの速さに時を超えてしまった!!・・・っていうか前にも似たようなことがあった気が。
「きゃー」
美由紀は光の彼方に消え去った。
「・・・どうしましょう?」
アリスが苦笑いを浮かべる。
「ま、美由紀おねえはそのうち帰ってくるだろうし、モニカおねえの方もそんなたいしたことじゃないと思うけど」
ヴァリスがゆっくり紅茶を味わいながら言う。
「でも・・・一応カウンターの方に行ってみます!」
アリスはタタタと休憩的空間を後にした。
「・・・せわしないわ」
あくまで冷静沈着なヴァリスであった。
 そして悲鳴をあげたモニカの方はというと・・・。
「な、な、なんですの貴方達は!く、くるならきなさい!わたくしのけけけ・・・剣術でみじん斬りにして差し上げますわよー!!うそじゃありませんわよー!!ここに剣もありますわー!!だから近づくんじゃありませんですわでございますことよ・・・ですわ!!」
かなり錯乱!!
なぜこれほどまでに錯乱しているかというと店中にいるからだ・・・。
さよう・・・2メートルはあろうかというゴッツイ体を黒のスーツで包み、
強面の顔にはサングラスをかけ、あまつさえスキンヘッド!!
そんな連中が店中にあふれ返りモニカを凝視しているのさ・・・。
モニカはハッとし、
「・・・わ、わかりましたわよ!!このわたくしをさらうつもりですわね!た、確かにその気持ちはよーくわかりますわ!わたくしほどの女はそうそういないというか全然いないですものね!わたくしをさらってどこか暗い倉庫とかじめじめした地下室に閉じ込めて、あーんなことやこーんなことをするつもりですわねー!!誰が貴方達なんかに!ですわ!そんなことされるくらいなら舌を噛み切って死にますわ!!というか今ここで皆殺しにして差し上げますわよー!!」
一気にまくしたてる。
完全に目が据わっている。
 スッ・・・
突然男達の一人が動いた!
「ビクッ!!ですわ!!」
モニカはビクッとしてあとずさる。といっても後ろが壁なのでそこで止まったが。
男が口を開いた。
「・・・お嬢さん」
「な、なんですの!?」
「手紙を預かってまいりました」
「・・・は?」
男はふところから一枚の封書を取り出した。
そしてそれをカウンターに置く。
「確かにお渡ししました。では我々はこれで」
ザッザッザ・・・
男達は去っていった・・・。
「・・・ぽかーん・・・ですわ・・・」
モニカはポカーンとしている。マジョレットミニカー!
そこへアリスがやってきた。
 「どうしました!」
「・・・あ、アリス・・・なんか・・・いかつい兄貴達が・・・」
「え?」
「いえ・・・かくかくしかじか!!」
「これこれうまうまで・・・そんなことが・・・」
いつもどおり三秒で事態を把握した。
「これがその手紙ですね」
アリスが手紙を手に取る。
「ええ」
「読んでみましょう」
そう言って封を破り手紙を読みあげる。
「前略ドリームドリームの皆様・・・特に美由紀だけど。バカ昭兎を生き返らせることができるかもしれないので至急相田邸まで来てくれる?・・・と、書いてありますね」
「美由紀さんの姉の芹香さんですわね。・・・っていうか電話とかEメールでいいじゃないですの!お金持ちの考えることはよくわかりませんわ!」
「まぁモニカさんもですけど」
「なにかおっしゃいました!?」
「別に・・・」
などと二人が言ってるとヴァリスがやってきたヨ?
「なんかわかったみたいね」
「そのようですわ。さっそく行くことにしますわよ」
「オッケーモニカおねえ。こんなこともあろうかと屋上にヘリを用意しておいたわ」
「そいつはいいですわね!」
そう言って二人で屋上へ向かう。
「ちょ、ちょっと待ってください。美由紀さんが消えたままですし・・・リナさんも吸われたままですけど・・・」
アリスがおろろってね!
「ほうっておいても勝手に来ると思う」
「そうそう。あの二人は殺しても死にませんわ」
「そうですよねー、アハハ」
もうどうでもよくなったアリスだった。
 昭兎を生き返らせる・・・。
さよう、このゲームショップドリームドリームの店員一号であり
超絶アホいゲーマーの徳永昭兎(とくながあきと)は先日、宇宙にて死去した・・・。
いつもなら復活するのだが諸々の事情で復活しなかったぜい!
そのため美由紀達は相田財閥の力などを用いて
生き返らせる方法を探っておったのだよ・・・。