「なんだか面子が足りないわね。美由紀とリナちゃんはどうしたの?」
「美由紀さんは光の世界へ・・・リナさんは吸引されました」
芹香の問いにアリスが答えた。
「なんだってー。まぁいいか・・・んじゃさっそく話すとしますか。座って座って!」
みんな思い思いにソファーに腰をおろす。
「もうすぐ紅茶とクッキーを持ってきてくれるからそれを待ってからね」
芹香はお菓子好きだ。
コンコン
と芹香の部屋のドアをノックする音が!
「紅茶をお持ちしました」
「入っていいわよ」
芹香が言うとメイド服のメイドが!
眼鏡をかけた眼鏡娘メイドだ。
そしてそれぞれの場所に紅茶と後クッキーを置きなさった・・・
ありがとう!クッキーの神様!(謎)
「それでは・・・」
メイドは去ろうとした・・・だが!
「お待ちなさい!ですわ!」
「え?」
いつの間にか起きていたモニカがメイドを呼び止めた。
「な、な、なにか御用でしょうか?」
なにやらうろたえるメイド・・・。
「どうしたのよモニカ?」
その様子に芹香が尋ねる。
「その女・・・メイドじゃありませんわ!」
「なんだってー」
モニカの一言にみんなは驚きさぁ!
「何をおっしゃられるのやら・・・」
メイドはホホホと笑っている。
「ちぇい!!」
「なっ!!」
モニカはいきなりメイドに手錠をかけた!
そしてそれを自分にもかけた!
「ほーほっほっほ!ですわ!これで逃げられませんわよ?」
「ワオ!」
メイドはびっくり!
「はっ!」
アリスは気づいた。
「まさかそのメイドは・・・」
「さよう!!こやつはスリだ!!・・・いや、こやつは魔亜夢ですわ!!」
「なんだってー」
みんなはさらに驚くさ。
「なんでバレたんですか・・・?」
メイド・・・いや、魔亜夢は観念したようだ。
ドロン
っと魔亜夢の姿に!
「愛のちからですわ!!」
「ひゃ、ひゃあ!」
「もう離れられませんわよ!この手錠は硬度16777216のうえに、施錠するとなぜか鍵穴が無くなって二度と開けられなくなるのですわ!さらに空間に干渉して空間転移とかの技も封じるのですわ!」
「タスケテー」
「ほほほほほほっほっほほほほほーーーい!ですわーーーーー!!」
モニカは勝ち誇った!
「うーん・・・魔亜夢だったとは・・・全然気がつかなかったわ・・・」
芹香はうーん・・・としておる。
「でもなんでここでメイドを?」
アリスが魔亜夢に問う。
「いやぁ・・・地球に来たはいいんですがお金が無くて。ここメイドの給料アホほどいいんですよねー。だからメイド姿にメタモっていたんですよー」
「なるほど・・・」
みんなは納得した。
「納得したところで本題に入るわよ!・・・うんまーい!」
芹香がさあさあとみんなを席につかせる。最後のはクッキーがおいしかったのさ!
「確か昭兎を生き返らせることができるかもしれないという話でしたね」
アリスがそう切り出す。
「そう、単刀直入にいうと・・・
北極のどっかにいるというファイナルサンタに会えばいいのよ!!」
シーン・・・
しばしの沈黙。ややあって。
「・・・本当ですか?」
「そんな話を信じろというの?」
「信憑性に欠けますね・・・」
「スバッカーですわ!」
芹香の話にしきりに怪しがるみんな。
アリス、ヴァリス、魔亜夢、モニカの順な。
「本当よ!そのファイナルサンタはどんな願いでもかなえてくれるのよ!」
「ますます怪しいですわ!」
モニカもにもに。
「相田財閥の情報網をなめたらアカン!!百聞は一見にしかずや!!とりあえず行ってみたらええやろっ!?」
芹香さんは大阪モードに突入です!
「とりあえずって・・・そんな寒いところにとりあえずで行くのですか・・・?」
「いやなんかい!?」
芹香がくわっ!とアリスの胸倉をつかむ。
「きゃっ!い、いやじゃないです」
「ならええ。みんなも異議はないな!?」
と言って残りの三人をギロっと睨む芹香。
「しょうがないですわねー」
「いいけど」
「好きにしてください。手錠がはずれない限りモニカについていくしかないわけで・・・」
モニカ、ヴァリス、そして魔亜夢も異論はないようだ。
「よっしゃ!ならさっそくいくで!せっかくだから船でな!」
「船・・・ですか?」
解放されたアリスが胸元を払いながら言う。
「そやっ!うち船って乗ったことないねん!」
「きゅい〜ん!」
みんなきゅい〜ん!そして旅立った・・・。
ここはどっかの海・・・。
一隻の船がずんどこ北極を目指していた。
「やぁ!海もなかなかええもんやな!大航海時代って感じやなっ!七つの海のティコって感じやなっ!スイートマドンナって感じやなっ!うみにんって感じやなっ!」
芹香が船の舳先に立ち、海の雄大さを楽しんでいる。いまだ大阪モード。
「うおえ・・・気持ち悪くなってきました・・・」
「しっかりしなさいですわ!それでもわたくしの婚約者ですの!?」
「婚約者と違うさ」
「ムダぁ!!」
「うごっ!!」
甲板では船酔い気分の魔亜夢がモニカに膝蹴りをもらってらっしゃる・・・。
「海とはなんと広いものなのでしょう・・・」
アリスはマストの高見台に登って海を眺めている。