シカゴの現在時刻と気温 | ||
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![]() エッセイ… 『シカゴ初上陸のこと』 |
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成田空港から出国-国外旅行に発つ-する時、北海道を起点に考えると、東京都内から成田空港への移動が億劫だ…北米へ向かう便は午後の出発が主流のようなので、飛行機の運航時刻表を見る限りでは、朝の飛行機で千歳空港を発ち、羽田に下りて成田へ向かうというのも無理な日程ではない。初めてシカゴの地-より正確には空港ビル内…-を踏むことになった際、その経路での移動を計画した。 千歳空港でチェックインをした際、航空会社の地上職員に、預ける荷物がある場合、羽田で一旦受取って成田でもう一度チェックインする際に預けなければならない旨を告げられた。私の場合、機内持込手荷物のみでの移動だったため、心配は無用だった。羽田空港も、近年は京浜急行の電車がターミナルビルの地下まで乗入れているので、何処へ行くにもそれなりに便利だ。この路線には、都営地下鉄を経て京成の路線に入り、成田空港まで行く列車もある。もしそれがあれば、黙って乗っているだけで、しかもバスのように道路の混み具合を心配する必要も無いので、快適な移動となる筈だった。ところが日中、これは1時間に1本程度しか運行していない… 千歳から羽田へ向かう飛行機は、機材繰りの都合などというアナウンスが入って、定刻から20分程遅れて離陸し、到着も20分以上遅れてしまった。成田への移動と、その後のチェックインがあるので、時間が気になる…小走りに広い空港ビルを動き回り、地下の駅に着いた時、成田空港へ真っ直ぐ行く列車は「1分前に発車した」という状態だった…次の同じ列車は1時間後で、それを待ったのでは成田空港に遅れてしまう…次の列車に飛び乗って乗り継ぎを重ねて成田空港へ向かった… これも考えてみると、自分一人で、機内持込手荷物のみだったので予定どおりに動けたという話しで、何人かのグループだったり、大きな荷物を預けてというような場合なら、成田空港出発に間に合わない事態も発生し得る… 最初から走ることになったが、シカゴでも慌てる羽目に陥った…2000年から2001年にかけての旅行では、シカゴでワシントン行きに直ぐ乗り換え、ワシントンでドイツのフランクフルト行きに乗ることになっていた。国際線に付いている、飛行機の現在位置を示すモニターが、殆ど定刻でシカゴ上空に差し掛かったことを示したが、なかなか着陸の案内が無い…世界一忙しいという説もある空港のことで、何かで少し遅れる場面もあるだろうが、それにしても不自然だと思い始めた頃、案内があった。滑走路除雪作業のために45分から50分程遅れるということだった。乗り継ぎが非常に気になる。 案内どおりに下りて少し安堵したが、米国への入国希望者が形成する長い行列に加わって気を揉んだ…米国へ入国する外国人は、所定の書式に必要事項を記載し、旅券(パスポート)と併せて係官に提示することになっている。この中に米国での滞在場所という項目がある。私はこの時、その欄に何も記さなかった。それを係官に見せた。必要事項を書き漏らして、係官に促されて加筆するという例も多々あるようで、係官は私に記入を促そうとしたが、私は撥ね付けて航空券を示した。「これからドイツへ飛びます。米国とは、あと数時間でお別れです…」と言ってスタンプをパスポートに押してもらって通過した。続く税関で乗客に質問をしたり荷物検査をしていた係官は、機内持込手荷物のみで「先を急いでいるから通してくれ!」と言わんばかりにパスポートを提示する私に、「あなたはもういい…」と言わんばかりに手を振って出なさいと促す。勢い良く出口の辺りに行き、航空会社のカウンターで談笑していた数人の職員を見つけると「ワシントンは何処だ!モニターのとおりか?」と問う。「間違いございません…」との回答を聞くか聞かずで駆け出し、搭乗の案内が始まっていたワシントン行きに乗ることが出来た… というように、初めて上陸したシカゴでは、とにかくも走っていた… |
2002年3月8日 管理人 タシケント |