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その日、あたしはちょっとした用事で出かけなければならなかった。お出かけは大好き。でもそれは、たつきちゃんやみんなと遊びにいったりするのが好きということで、1人での外出は少し憂鬱。 特に、移動に電車を使わなくちゃならないことが、憂鬱の原因だった。 目的地までは距離があるからいくつかの電車を乗り継がなければならないんだけど、実はあたし、電車があまり好きじゃない。なぜなら、痴漢に出遭うことが多いから。 これまでも何度か痴漢の被害に遭ったんだけど、特にその日は、すごくたくさんの痴漢に遭った。 これは、そんな悲劇の日の話――― |
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蒸し暑い満員電車の中、しばらくはなにごともなく過ごしてた。いくつかの駅を通り過ぎ、人がさらに増えたなと思ったとき、お尻になにかが触れた。 最初は勘違いだと思ったの。カバンが当たっているんだろうと。でもそれがウネウネと動き出したから、男の人の手だと分かった。 驚きの声をあげることもできず、後ろを振り返ることもできない。それどころか、どうしてあたしばかり痴漢に遭うのだろうと思って、体が固くなった。 あたしが悲鳴を出さないことに気を良くしたのか、男の人は手の動きを強めてきた。ぐいぐいと押し付けるようにしたり、あちこちを揉んだり。まだそれがくすぐったければ声を出せたかもしれないけど、力の入れ方が絶妙でただ息を呑むだけ。 満員だったからかな。周りの人たちが痴漢に気付くことはなかった。男の人の手はときに強くときにくすぐるようにして、お尻や太ももを撫で回してきた。でもこの程度なら、しばらく我慢していれば終わるだろう。そう思って、我慢することにした。 でもその人はどうも手慣れてて、スカートの上から触れていた手がいつの間にかあたしのスカートをまくり、直にお尻を触ってた。 |
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まず最初に、太ももの裏を撫でられた。それからスカートをまくりつつ、お尻の方へ。そしてお尻を大きくひと撫ですると、指をお尻の割れ目に這わせてきた。 たつきちゃん、助けてたつきちゃん! あたしはついあがっちゃいそうになる声を押さえ込んだ。こんなところを他人に見られたくない。もちろん、たつきちゃんにも。 その間にも男の人は何度か割れ目を擦りつけ、ショーツを食い込ませてきた。ピッタリとお尻に張り付いたようになった下着は、もうほとんど素肌と変わりない。 男の人はしばらく、愛おしむように撫で回してた。手のひらで押し込むようにしたり、指先でくすぐるようにしたり。さすったり、揉んだり、鷲づかみにしたり。 自分でも気が付かなかったけど、何度も何度も息を呑んでた。そのことに気付いた瞬間、男の人の吐息も聞こえてきた。 この人、興奮してる! お尻を撫で回す手から、その熱さが伝わってきた。ジンジンとした感覚がお尻から迫り上がり、あたしの心臓を高鳴らせる。でも、違う。あたしは興奮なんかしてない。痴漢されて、ヘンな気分になんてなるはずがない。 ぞわぞわと湧き上がる不快感に耐えながら、なんとか逃げ道を探す。でも満員の車内じゃ自由に動くこともできない。しかも、あたしのいる側のドアは乗換駅まで開かないことに気付いた。 このままじゃいけない。そう思ったとき、男の人が体を密着させてきた。 |
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ゴクッと喉が鳴った。男の人は、ただ体を密着させただけじゃなく、お尻を撫でていた手を股間の方へと回してきた。 慌てて足を閉じ、手がイケナイところに達するのを防ぐ。でも男の人は焦らず、その周囲を撫で回した。払いのけようとしても、がっしりとした腕が腰を抱き締めていて離れられない。 男の人はお腹を撫でたり、内ももに指を這わせたりして楽しんでた。あたしはくすぐったさとは違う感覚に身をよじりながら、まだなんとかして逃げようと頑張った。 その時、お尻になにか固いモノが当たった。 まさか? 動きを止めたあたしの耳元に、男の人の吐息がかかる。 「はぁはぁ言ってるね。気持ちよくなってくれてるんだ?」そのささやきが、あたしの耳を通して下腹部を直撃した。あろうことか、アソコが濡れ始めてしまっていた。 「違います」そう言うあたしに、男の人は満足そうに笑った。「でもほら、パンツが湿ってきてるよ?」その指が股間の割れ目に忍び込み、ショーツの上からアソコを撫で回す。お尻のときにもそうしたように、男の人はショーツを股間に食い込ませてきた。 「感じてくれて嬉しいよ。もっとしてあげるね」男の人は嬉しそうに言いながら、固いモノをお尻に擦り付ける。それがなんであるか、あたしは考えないようにした。 |
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いきなり、別の男性があたしの胸に触れてきた。 「こんなの見せられたら我慢できないよ」 あたしの胸を見て言ってるのか、 それとも痴漢されていたことを言っているのか分からない。 でもその男性は、もうお構いなしにあたしの乳房を揉み始めてた。 その男性はメガネをかけた、すごく普通の中年男性。 そしてあたしは、ようやく後ろを振り返った。 最初触れてきたその男の人も、どこにでもいるようなおじさんサラリーマン。 そのまま助けを求めるように周囲を見回したけど、 まるで痴漢に気付いているかのように全員が背を向けてた。 「一緒に楽しみましょう」メガネの人が言った。 それはきっと、後ろの人に言ったんだろう。 お尻に当たっていたモノが、さらに一回り大きくなったように感じられた。 メガネの人は少し力強く乳房を揉んできた。 服の上からだったけど、下からすくい上げるように揉み、満足そうな笑みを浮かべる。 その状態を後ろの人も肩口から覗き込んでた。もちろん、 股間周りを触る手の動きは止めずに。内ももに指を這わし、 そのままイケナイ部分にも触れてくる。 「おっぱい感じるの? すごく濡れてるよ」 「そうなんだ? じゃあもっとしてあげないと」 違う、などという反論をする余地もない。 メガネの人は服の上から乳首を摘み、 後ろの人は股間に指を潜り込また。 2人の愛撫は痛みをともなうことなく、あくまでも柔らかいタッチ。 それなのに振り解くことはできない。 押さえつけ方が上手いのか、あたしが弱いだけなのか。 そうこうしているうちに、男性たちの行為はエスカレートしていった。 |
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キャミソールをまくり上げられ、ブラジャーを剥き出しにさせられる。「可愛いブラだね」メガネの人はそう言いながら、あたしの胸をもてあそんだ。 息を荒くして、食い入るように見つめ。息を呑み、舌なめずりをした。「こんなに大きくちゃ、肩がこって大変でしょう」思わず頷いちゃいそうになったけど、男性は気にもとめずにひたすら胸を揉み続けた。 でも、ブラの上からされると、食い込んだりざらついたりして少し痛い。だからといって直接触って欲しいわけはない。あたしはなにも悟られないようにと、声を押し殺した。 でも、男性は慣れた手つきで愛撫をしてくる。自分でもイヤになるほど大きな乳房をタプタプと揺らして遊んだり、ブラの上の隙間をこじ開けて乳首を見つめたり。「綺麗なピンク色だね」そう言って、乳首に息を吹きかけてきた。 それでも、その敏感な突起にはまだ触れてこなかった。焦らしているつもりなんだと思う。実際、少しばかりの苛立ちをおぼえたのは確かだった。 その間、後ろの人は執拗に股間を撫で続けてた。 もう、驚くほどに濡れている股間を、飽きもせずショーツの上からまさぐっている。お気に入りのショーツがぐちょぐちょになり、アソコの割れ目に押し込まれた。 食い込んでいく下着の感覚。男性の指がうごめく感覚。嫌悪感しかないはずなのに、どうしてこんなにも濡れてしまうのか、あたしは自分の体を呪った。胸もそう。ちくちくとした痛みしかないはずなのに、その度に腰のあたりがうずいてしまう。 絶え間ない上下の攻めに、あたしはたびたび意識が遠のいた。それは決して官能によるものじゃなく、不快感のせい。男性たちの愛撫が、吐息が、そして舐めるような視線が、あたしの意識を奪っていく。 それでも、他の誰かに見られちゃうんじゃないかという不安から、声を出すことも暴れて振り解くこともできずにいた。2人の息がさらにあがっていくのが分かった。 |
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そして、ついにブラジャーを剥ぎ取られてしまった。 そんな! 心の中で叫んだ。でも取られたブラは、すぐにポケットにしまわれた。まさかそこに手を突っ込むわけにもいかず、身悶えるばかり。 「返してください」でも2人はニヤニヤと笑いながら、あたしの乳房を片方ずつ揉み始める。「大きいのに張りがあるね」「本当にすごい。肌ももちもちだ」感心されても嬉しくない。両側から挟み込むようにして乳房をもてあそぶ男性たちに、あたしはなすすべもなかった。 |
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そしてついに、今まで抑えていた声があがってしまった。 「あっ」それは、同時に乳首をつままれたからだった。慌てて口を閉じ、変な声が漏れてしまわないよう気をつける。でも男性たちは悦びをあらわにして、さらに乳首をもてあそんでくる。 「ここが気持ちいいんだね?」「ぷっくりとふくれて可愛いよ」両側からささやかれた。息を吹きかけられ、はぁはぁという吐息を聞かされ。あたしはもう、何度目になるか分からない息を呑み、乳首からもたらされる刺激に耐えた。 右の乳房をすくい上げられ、揉まれ。掴まれたかと思うと、くすぐるように優しく触られる。同時に左の乳首をつままれ、引っ張られる。でも痛みを覚える直前に放され、今度は胸に押し込まれる。 2人それぞれに好きな攻め方があるんだろう。似て非なる愛撫に、焦らされているような感覚におちいった。それがまた甘く痺れるような官能となり、あたしの息を荒くしていく。 「おっぱいが弱いんだね。可愛いよ」「こんなに大きいのに敏感なんだね」そんなささやきに、さらに下腹部を熱くしてしまった。違う。感じてるんじゃない。恥ずかしいだけ。我慢しているだけ。 |
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モジモジしていることに気付いたのか、今度はメガネの人が股間に手を伸ばしてきた。 「もうやめてください」そう言うあたしに男性たちは「大丈夫だって。気持ち良くしてあげるから」と同じことを言ってきた。身をよじっても、簡単に抜け出せない。つい、黒崎くんに助けを求めたくなったけど、心の中で叫んだところでその声が彼に届くはずもなかった。 「すごく濡れてるよ」男性の指が、イケナイ場所に到達した。後ろの男性より細身の指が、ショーツの食い込んだアソコを撫で回す。逃げだそうと腰を退くと、後ろの人が股間を押し付けてきた。そこにはもちろん、固いままのアレの感触がある。 「そんなにコレを擦りつけて欲しいの?」そう言って、まるで挿入してくるかのように腰を突き出してきた。お尻の割れ目に食い込んでくるソレから逃げようとすると、前の男性の指が股間の割れ目に進入してくる。 「濡れ濡れになってるところ、触って欲しいんだね?」嬉しそうにささやきながら、指をくねらせてきた。足を閉じようとしても、すでに突き込まれた指が密着するだけ。でも、開いてしまっては男性の思うがまま。せめてアソコだけは直接触られないようにと、身をよじり、足を締め、必死の抵抗を繰り返した。 もちろん、問題は股間だけじゃない。後ろの男性は股間をお尻に押し付けながら、乳房を揉みしだいてた。手のひら全体で揉み込み、指先で乳首を転がしてくる。そのこそばゆさにまた声があがりそうになるけど、なんとか堪えた。 「本当に大きいな。触ってるだけで射精しちゃいそうだよ」淫らな言葉をささやいてくる男性に、ただ首を振って抵抗の意を示す。それさえも嬉しいのか、乳房への愛撫は徐々に力を増していった。 それだけじゃ飽き足らなかったのか、男性はあたしのお尻に押し付けたモノを前後左右に擦り始めた。「お尻も柔らかくて気持ちいいな」割れ目に沿って、棒状に固まったモノを揺らす。 尾てい骨がくすぐられて、ひどく目まいがした。擦りつけられる度にえずくような感覚に襲われ、意識をもうろうとさせていく。それはまるで、体内をえぐられているかのような感覚だった。 |
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もちろんその間も、股間への愛撫もやむことはない。 「もうちょっと足開いて? アソコの奥まで指を入れてあげる」そんなことが許されるはずがない。あたしは断固として抵抗しようと、足を締め付けた。 でも、男性も慣れたもの。あたしの膝に足を潜り込ませ、指を奥まで入れやすいように割って入ってくる。内ももに、男性の足の熱さが滲んだ。 ダメ。抵抗しなきゃ! そう思っても、なかなか力が入らない。 |
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背後から乳房を揉まれているのも問題だった。乳首をつねられる度に背筋に痺れが走り、腰を震えさせてしまう。カクッと力が抜ける度、メガネの男性の足が私の股を割って入ってくる。 ダメ。このままじゃあたし! 心が折れそうになりながらも、必死で抵抗した。それが男性たちには刺激になったのか、嬉しそうに息を荒くして淫らな言葉をささやいてきた。 |
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「キミのいやらしいところがボクの指を欲しがってるよ?」「乳首が勃起してきたね」「こんなに濡らして、すけべな子だ」「立ったままで後ろから犯してあげようか」 一言ごとに下腹部がうずいた。こんなのイケナイと分かってるのに、つい官能に身を委ねたくなる。でも、すぐに正気に戻った。痴漢なんかに、好きにされたくなんてない! こんな強引な快楽に負けたくなんてない。 でも、あたしの中で一番敏感なところに触られた瞬間、ありえないほどの衝撃が体中を駆けめぐった。 |
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「クリトリスももう、しっかりとふくれてるね」男性の指が、直接アソコに触れてた。いつの間にかショーツはずらされ、一番大切な部分が剥き出しにされてた。 「あ、あ、あ!」もう、声を押し殺すのも辛くなってた。男性の指は的確にあたしの急所を捕らえ、ねちっこい愛撫で攻め立ててくる。今までで感じすぎていたせいか、クリトリスはもう皮から抜け出し、敏感な突起を剥き出しにしてた。 「ダメです、そこは」「ここかい?」「ああ」指先でクリトリスを転がされ、また低く喘いだ。男性はさらに気を良くして、執拗にクリトリスを攻め立ててきた。頭の奥が官能に痺れ、何度も心が折れそうになった。 しかも、まだ乳首も攻められたまま。クリトリスにするのと同じように、指先で転がし、摘み、愛撫する。敏感な突起ばかりを攻められ、声があがってしまう。 「静かにしないと、他の人に気付かれちゃうよ?」そんなことを言われても、理性でどうにかできるレベルを超えつつあったあたしにはどうしようもない。そのことに気付いたのか、男性はあたしの口を押さえてきた。 ホッとした、というわけにはいかない。このままじゃ、どこまでされるのか分からない。陰部をくすぐる指に快楽の波を与えられ、気を抜けば今にも達しちゃいそうなほど。一度絶頂を迎えてしまえば、もう完全に抵抗できなくなる。そんな気がした。 「そろそろアソコの中、掻き回してあげようか」クリトリスの愛撫に飽きたのか、男性が指の力を入れ直した。 いけない! その瞬間、あたしはほんの少しだけ理性を取り戻した。 もし神様がいたとしたら、この時ばかりはあたしの味方になってくれたのかな。しばらく開かなかった目の前のドアが、生ぬるい外気を取り込んだ。 |
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乗り換えの駅だ! あたしは力を振り絞って、男性たちを振り解いた。乗降客が多かったのも幸いしたかな。身が軽くなった瞬間、まくり上げられていたキャミソールを整え、小走りでホームに駆け出した。 怖くて後ろを振り返ることもできない。もし男性たちが追いかけてきてたら? あたしはそのまま小走りに走り、階段を上り下りして別のホームへと辿り着いた。 「追ってきてない?」どうやら、男性たちは追いかけては来なかったみたい。でも、安堵のため息に胸を押さえた瞬間、ブラジャーを取られたままだということに気が付いた。 一度、この駅で降りて下着を買いに行こうか。そう思ったんだけど、この付近には下着を売っている店どころかコンビニエンスストアもないことを思い出して諦めた。 ちょうどその時、乗り継ぎの電車がホームに入ってきた。あたしはなぜか安堵を覚え、電車に乗り込んだ。 どうして、再度痴漢に遭うことはないだろうなんて楽観的な思いに囚われちゃったのかな。 悲劇は、まだこれからだった。 |
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乗り換えた電車では、運良く座ることができた。 安堵のため息を吐いたあたしは、ふとブラジャーをしていないことを思いだして憂鬱な気分になる。下着もまだ愛液で濡れたまま。 でももう痴漢に遭うことはない・・・、その時は思ってた。 電車が出て、ふと気付くと先ほどと同じくらいの満員ぶり。この中に立っていたら、また同じ目に遭っていたかも。 あたしは考えるのも面倒になって、目を閉じた。仮眠を取ってれば、すぐに終着駅に着くと思ったから。 でも、それが悲劇の始まりだった。 |
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不意に太ももに熱いものが触れた。 慌てて目を開けると、それは隣りに座った男性の手。眠りに落ちそうになった瞬間の出来事で、あたしはなにが起きているのか分からなかった。でもその手は、明らかにあたしの太ももを愛撫し始めていた。 足を閉じ、その手が股間にまで潜り込まないように抵抗する。でも男性はお構いなく、太ももを撫で回す。「やめてください」つぶやくように言った言葉は、男性に届かなかったのか。太ももをこじ開け、股間へと押し込まれた。 濡れてるのがバレちゃう? そんな恐怖心が体を硬直させる。それを無抵抗の証だと思ったか、男性は指の動きを強め、内ももを掻き分ける。モゾモゾとうごめく指がイケナイ場所へと到達し、あたしは息を呑み込んだ。 「いやらしい子だね。もう濡らしてるの?」耳元でささやかれた。あたしはただ、首を振って否定するだけ。それでも男性は指の動きを弱めるず、内ももと股間を愛撫し続ける。「ねっとりと吸い付いてくるよ。キミもこうされるのを待ってたんだね」嬉しそうな声に、あたしはただ否定するだけ。いえ。官能の吐息を漏らさないよう、我慢するだけ。 男性の指は、的確に敏感な突起をくすぐってくる。濡れたショーツの上から、カリカリとくすぐるように。それが電気のように背筋をしびれさせる。あたしは、自分でも気付かないうちに喘いでたみたいだった。そして、そこから目を背けようとした。 座席についているときにこんなことをされれば、周囲の人たちにも見られているのだという簡単なことにも気付かなかった。どうして、見ている人たちが黙っているのかということも。 |
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神経が股間にいっちゃってたから、一瞬胸を触られているのに気付かなかった。股間を撫でる隣の男性が、もう片方の手で胸を触ってた。しかも、それだけじゃない。まったく別の男性が、横合いからあたしの胸を揉みしだいてた。 「あれ? キミ、ブラしてないの?」「なんだ、触られたかったんだね」そう言う男性たちに反論しようとした。でも、さっきまでも痴漢に遭っていて、ブラジャーを奪われちゃったなどと説明するわけにもいかない。あたしはただ「違います。やめてください」と繰り返すだけ。 もちろん、男性たちの手は止まらなかった。 服の上から乳房を揉みほぐされ、乳首をつままれる。ブラがなくなり、柔らかい服の上から直接揉まれる感覚は、どこかこそばゆくて胸を高鳴らせた。さっきまでの官能が、また湧き上がってきたのか、いやだと思っているはずなのに体は上手く抵抗してくれない。 終着駅まではあと数駅。座ったままだと逃げにくいし、胸を触られるだけなら我慢しよう。そんな諦めが、脳裏をよぎる。あと少し我慢すれば終わるんだ。その甘い考えは、痴漢たちに体を差し出したも同じだった。 「なんて淫らなおっぱいなんだろう」「ここ、触られるの好きなんでしょ?」卑猥な言葉をささやかれながら、乳房と股間を撫で回された。その指からぞわぞわとした感覚が湧き上がる。それは決して官能じゃないんだと自分に言い聞かせながら、ただひたすら時が過ぎるのを待った。 「乳首、ツンツンになってるよ。つまんで、引っ張ってあげるよ」「このぽっちがクリちゃんだよね。ほらほら、気持ちいいだろ?」 ただ触るだけじゃ足りないのか。2人は左右からささやいてくる。その言葉にもまたぞわぞわとしたモノを感じたけど、あたしはなにも言わず、黙ったまま。 それが気に入らなかったのか、それとも逆に気に入ったのか。 2人の行為はエスカレートし、さらに別の人までも痴漢行為に参加し始めた。 |
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前に立っていた男性が、バッグの中からハサミを取り出した。なにをするのか、とさすがに声があがりそうになったあたしを両側の男性が押さえ込む。口を押さえられ、足を掴まれ、そして開かされ。そしてハサミを持った男性は、まるで手術するかのように無表情なまま、あたしのスカートを切り刻んだ。 もう、眠気などどこにもない。黙っていることもできず声をあげようとするけど、口はがっちりと押さえ込まれたまま。足を開かれ、ショーツを剥き出しにされちゃう。もう、どこにも逃げられない状態だった。 「もうぐっしょり濡れてるね」スカートを切った男性が、股間へと指を伸ばす。外から見てもはっきりと分かるほどに湿ったショーツが、衆人環視に晒された。 そう。直接押さえ込んでるのは左右の2人。そして前からはハサミの男性。でも、他にも前や横合いに立った多くの男性たちが、あたしの痴態を眺めてにやにやと笑っていた。 彼らの目は一様にギラつき、胸や太もも、そして股間を凝視してた。中にはポケットに手を突っ込み、股間あたりで手を動かしている人もいた。なにをしているのかなんて、考えたくもない。 「こんなに可愛い子が」「すごい格好だな」「ブラ、してないみたいだぞ」「もう濡らしまくりじゃないか」「悦んでるんだ」「早く続きを」「早く」「早く!」 そんな声が聞こえてくる。この中には誰1人としてあたしを助けてくれる人はいないんだという深い絶望が訪れた。そしてそれは、肥大した官能を連れていた。 ハサミの男性が、クリトリスのあたりを引っ掻き始める。湿ったショーツの上から触られると、まるで直接されているかのような衝撃が走った。 さっきはこんなに感じなかったのに! 見られていることで興奮してしまったのか。あたしは自分が信じられなくなり、ひたすら首を振り続ける。それを見て、ハサミの男性が嬉しそうに頬をゆがめた。 |
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ショーツを剥ぎにかかろうとした男性の手を、隣に座った男性が止めた。もちろんそれは痴漢行為を止めようとしたんじゃない。「最初に触り始めたのは俺だぞ」と周りを諭すようにして、いの一番にあたしのショーツに手を入れるためだった。 あたしは抵抗した。足を閉じようと身をよじり、声を出そうと口を開き。でも、すべては徒労だった。男性の手は難なくあたしの秘部へと潜り込み、それを眺めていた男性たちからは感嘆の吐息が漏れた。 「やっぱり、もうぐしょぐしょだ」耳元でそうささやくと、アソコで指をくねらせる。 まずはクリトリスをこね回す。愛液で濡れそぼったソコは触りやすいのか。指先にぬめりを絡ませ、突き出た部分を撫で擦る。その刺激たるや、口を押さえられていなければ叫んじゃいそうなほど。 感じてなんかいない。そう自分に言い聞かせるけど、ひと撫でごとに跳ね上がる腰が、喉から迫り上がる喘ぎが、体中で快楽に反応してしまう。 それを見て悦んだのか、指はさらに奥へと潜り込んだ。女性の敏感な割れ目。そのクチビルのようなヒダをこね、撫で回す。そして男性は、感無量と言った吐息を吹きかけてきた。 「おっぱいは大きいのに、こっちのヒダは薄いんだね」そんなことを言われても、誰かと比べたことがあるワケじゃないから分からない。そのヒダをつまんだり引っ張ったりして、男性は息を荒くしていく。 じゅぶ、じゅぶ、と淫らな水音が響いた。それはこの車内にいる人全員に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい。男性もワザと水音をたてて悦んでいるよう。もちろん、周りで見ている人たちはそれを心底悦んでいた。 そしてついに、割れ目の奥へと指が潜り込んできた。 |
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たったそれだけのことで、イっちゃうかと思った。 男性の指は容赦なく膣へと入り込み、まずはその浅瀬をほじくり始める。「すごく狭いね。もしかして、初めて?」そんなささやきすら耳に入ってこない。膣内でうごめく指に全神経が集中し、あたしは激しく身を震わせるばかり。 男性の指使いが上手かったのか。それとも、それまでに感じすぎていただけか。少しずつ潜り込んでくる指に、激しい快楽がともなっていた。 たっぷりと愛液をまとった指は難なく膣壁を掻き分け、奥へ奥へと進入してくる。だからといってあまり急激に入れられるときついんだけど、男性は手慣れた感じで、押し込んでは退き、退いてはまた押し込んでくる。ところどころで止めては、周囲の膣壁をくすぐることも忘れない。体内の前後左右をくすぐられ、あたしは何度もイキそうになった。でも、残念ながらそう簡単にはイケない。人に見られているという意識が、あたしの官能にブレーキをかけてたみたい。 業を煮やしたのか。「こっちも可愛がってあげないとね」横合いから乳房にも手を伸ばされた。さっきまでと違い、こっちも直接素肌に触れ、揉み込んでくる。すでに張り詰めた乳首をこね、つねり、引っ張られる。でも、それが驚くほどに気持ちいい。いや、感じちゃいけないと分かってる。それでも快感のしびれは、乳首から全身に行き渡った。 |
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そのしびれは当然膣へも伝わる。乳首をこねられる度、膣口が締まるのが分かった。「おぉ、締まる締まる! すごすぎるよ」指を入れた男性から歓喜の声があがった。それに呼応して、見ていた人たちからも吐息が漏れる。 指はさらに奥へ奥へと進入し、あたしの中を掻き回した。指が膣壁を掻き分け、体内でうねうねと動き回る、この快感は男性には分からないだろう。それとも、分かっているからしてくるのか。 あたしはもう、自分が痴漢されているのだということすら忘れてしまいそうだった。アソコから迫り上がる快楽は、それくらい激しかった。でも、意識が飛びそうになる度、歯を食いしばって我慢した。こんな人たちに汚されたくなんてない。 「気持ちいいかい? なぁ、気持ちいいだろう?」そんな言葉に頷くわけにはいかない。なんとか理性を振り絞り、首を横に振った。 |
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それを見て、ハサミを持った男性が痺れを切らしたみたい。 膣をまさぐっていた男性の手を無理矢理どかせ、まずはショーツを切り裂いた。続いてキャミソールまで。あたしは、それをどこか別の世界の出来事のように、ただぼんやりと眺めてた。 わっとあがった歓声は、あたしの乳房と女陰を見てのことか。好奇と欲情の目にさらされ、あたしは恥じるどころか逆に快感さえ覚てしまった。 恥ずかしい。でも、気持ちがいい! そんな相反する気持ちが、あたしの中の淫欲に火を付けてしまったのかもしれない。体を押さえつけられ、大勢の人たちに裸を見られ、その上愛撫までされて、喘いで。 我慢に我慢を重ねた結果、あたしはもう自分が自分じゃない感覚に陥ってた。痴漢されている自分も、遠い世界にいる別の誰かなのだという錯覚に見舞われていた。 そんなとき、ハサミの男性があたしの割れ目に舌を伸ばしてきた。さっきまで膣内をほじくられていて、もう真っ赤に充血したそこに吸い付き、舐め始めた。 まずは膣口からだった。愛液がたっぷりとにじみ出たそこに舌を伸ばし、唇を押し付け吸い上げた。「じゅるっ、じゅるるっ」淫らな音をたてて愛液を吸う男性を、周りの人たちが羨ましそうに見てた。 伸ばした舌が膣内をくすぐり、陰唇に押し付けた唇はまるでアソコとキスをしているかのよう。口の周りを愛液でべとべとにしながら、男性はにんまりと微笑む。そして顔を揺らし、口全体であたしの陰部をこね回した。 どこからか「替われよ」という声が聞こえてきたけど、男性は聞く耳を持っていなかった。しばらく陰唇をもてあそんだかと思うと、今度は舌先でクリトリスを攻め立ててきた。 「ひっ」思わずあがる声に呼応して、舌なめずりの音が聞こえてきた。あまり声を出しちゃうと彼らの思うつぼ。こんな格好にされて助けを求めることもできず、いえ、この時のあたしは助けを求めようという思いすら湧かず、ただひたすら快感と戦っていた。 このまま身を任せちゃいけない。それは分かってた。でも、身体がいうことを聞いてくれない。服も切り裂かれ、途方に暮れるしかない。 あと、ほんの少しで駅に着く。そうすればなんとかなると、なんの根拠もなく思うしかなかった。 |
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すると、さらに数人があたしの体に手を伸ばしてきた。 体中をまさぐられるのはひどく背徳的な官能で、小刻みに何度も何度も震える。淫らな考えが湧き上がってしまった羞恥心もあったのか。震えは止まることなく、押さえつけられていなければ跳ね上がってしまいそうなほど。 あたし、痴漢されて感じてるんだ。その事実がさらに強い背徳感となって官能を刺激した。 「ぐちょぐちょなのに、すごく締まる。いいモノを持ってるね」舐めるのに飽きたのか、それとも別の誰かに交替したのか。あたしの膣は、再び男性の指による愛撫を受けてた。 先ほどより深く、そして強く突き込まれる。何度も何度も出し入れされ、淫らな水音を車内に響かせた。「ほら、気持ちいいだろ、ほら!」荒々しいその指使いに、悲鳴に近い喘ぎが漏れる。決して気持ちいいと言わないよう、快楽に負けないように歯を食いしばった。 「強情だな。それなら、ここはどうだい?」膣の中を出入りしていた指が、その動きを止めた。そして指を中程まで埋め、お腹の側にカギを作るようにして曲げる。最初はなにをしているのか分からなかった。でも、ソレはすぐにやってきた。 「あ、あ、あ、あ、あ!」ひときわ高い声があがった。今までにない刺激が、膣内から全身に伝わる。「Gスポットだよ」男性はそう言って笑った。それがどこなのか、詳しくは分からない。ただ、指先が触れている膣の壁は、他にはないほどの激しい快感を生み出した。 震えも激しくなり、知らぬ間に腰を跳ね上げてた。体がもっと快感を求めてしまったのか。あたしの意志とは関係なく、体が性欲を貪り始めた。 「乳首もビンビンだ。そろそろイクんだね」乳房をもてあそんでいた男性が、耳元でささやいた。 「そろそろイキたいだろ? ほら、もうイっていいんだよ」膣をほじくっていた男性が、笑いながら言った。 「イクとこ見せてよ」「潮噴くかな」「体中真っ赤だ。もう終わりだね」多くの男性に舐め回すように見つめられ、淫らな言葉を浴びせかけられた。 我慢しなくちゃ。彼らにされるがままにイったりしないように。好き勝手されて、達してしまわないように! そう思っていたはずなのに、あたしの口からは甲高い喘ぎと、最後の言葉が漏れてしまった。 「ダメ! イク、イっちゃう!」言葉にしたその瞬間、最大級の電撃が体中を駆けめぐった。 「あああああ!」体は驚くほど跳ね上がり、頭の中は真っ白になった。快楽の絶頂が、あたしのすべてを支配した。 しばらくの間なにも考えられなくなって、絶頂の余韻に浸ってた。 男性たちも満足したのか。束縛はゆるみ、胸や膣からも手は引かれてた。 終わったのかな。ぼんやりとそんなことを思った瞬間、目の前の男性が、ズボンに手をかけた。 「それじゃあ、そろそろ本番にいこうか」その言葉に、一気に目が覚めた。 本番。それは、男性のモノをあたしの中に突っ込んでくるという意味。これ以上はないと思った陵辱にまだ終わりがないことを思い知らされ、あたしは飛び起きた。 |
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ちょうどその時、終着駅に辿り着いたのは運が良かったからか。 あたしはまだ朦朧とした頭で、カバンと切られた服の切れ端を掴み駆け出した。満員電車から流れ出す乗客。その波に乗って、痴漢たちから逃げ出した。 追いかけてきているのか、それともいないのか。でも、制止の声は聞こえなかった。もちろん、聞こえていたとしても従わなかったけど。 あたしは、ただひたすら電車から離れるように走った。 |
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やっぱり、運が良かったみたい。彼らが追いかけてくることはなかった。 でも安堵のため息を吐くことはできない。切られ、まくり上げられたキャミやスカートをなんとか整え、髪の乱れも直した。それでも、かろうじて局部を隠せるだけの布地しか残っていない服は、とても人前を歩けるようなものじゃない。 「どうしたらいいの?」そんなつぶやきさえ、人に聞かれたくない。助けを求めようにも、家や学校からはもうずいぶんと遠い。 しかも、目的地まではまだ距離がある。こんな格好のまま電車に乗らなければならないのかと思うと、ひどく憂鬱な気分になった。 でもそれと同時に、イかされたばかりのアソコが熱くうずくのも感じていた。 次に出遭う痴漢たちには、すぐにそのことを気付かれてしまった――― |