いざという時に備えて……………………………………………………….…福光哲史
このところ連日、日本の新聞テレビなどが、三宅島を中心とした伊豆諸島全体の群発する地震の模様を伝えていますが、終わりの見えない自然の驚異の恐ろしさを感じておられる方も多いと思います。そんな折も折、9月3日早朝ナパを震源地とした地震が発生しました。幸いたいした被害もなくてホッとしたところですが、中には大きな地震になったらどうしようかと考えた方もおられたかと思います。ベイエリアは地震が起こりやすい地層と言われていますが、常日ごろから緊急事態発生の準備はしておられるでしょうか?はからずも、去る8月1日、日本国総領事館が呼びかけて日本企業や在米邦人の団体などが、それぞれ組織している緊急連絡網の活用テストが行われました。それなりの成果は上がっておりますが、こうした緊急連絡網があると言うことも知らない人が多いのではないかと思い、この機会に一つの在留邦人組織「ジャパンクラブ」をご紹介します。
「ジャパンクラブ」は、1995年1月に起きた阪神淡路大地震の際、組織のない在日外国人がすぐに援助の対象枠に入れなかった実情を教訓として、ベイエリアに点在する日本人もいざという時に組織をもたないと同じようになるのではとの危機感から同年6月結成されました。加州政府から非営利団体として認められている団体で、メンバーのほとんどが、1989年のサンフランシスコ地震でその恐ろしさを体験した仲間達です。それだけに結成後すぐに、ベイエリアを4つの地域に分け緊急連絡網を作り、メンバーに連絡する担当者を周知させ、日頃は仲間同士が助け合い交友を深めるための催し物を2ヶ月に1度くらい、連絡しやすい環境づくりを行っています。アメリカの福祉法改正や、移民法の強化などで市民権を取得されたメンバーもいますが、日本を祖国とする会員が、現在150名ほどおり、月1回発行するニュースレターで会員の動向、伝達事項、必要とされる日本の情報を伝えています。「転ばぬ先の杖」いざ災害という時に、異国で生活する者同士が助け合える組織があることは、きっと心の支えになると確信いたします。
この「話の種」をお読みの方で「ジャパンクラブ」の存在意義に興味をお持ちの方は「ジャパンクラブ」tel.415-931-0224までご連絡して下さい。