だれにも言えない悩みがあるなら・・・


ひとりのサマリヤの女が水をくみにきたので、
イエスはこの女に、
「水を飲ませてください」と言われた。


(新約聖書・ヨハネによる福音書4章7節)

イエスさまが弟子たちを旅をしている時、ユダヤ人が「異邦人」としてつき合おうとしなかった、サマリヤ人の住むスカルという町に着きました。

弟子たちが食料を調達しに行っている間、イエスさまは井戸のそばに座っておられました。そこに、ひとりの女が水をくみに来たのです。

一般的に中東の暑い地方では、水くみは朝早くにする仕事です。それなのに、この女が水をくみに来たのは、あたりに人影のなくなった暑い暑い昼時でした。

なぜでしょうか。

それは、この女が幾度も夫を変え、今も夫でない男と一緒に暮らしているという「ふしだら」な女だったからです。宗教的にも厳格な当時の社会で、とても受け入れられることではありません。

人目をはばかるようにしてやってきた彼女は、友だちもおらず、自分の話を聞いてくれる人もいない、孤独な人だったかも知れません。

イエスさまは、実はこの女に会うそのために、異邦人の町までわざわざ来られたのだという説もあります。そして、イエスさまのほうから話しかけられました。

それに対する彼女の反応は、こうです。
「あなたはユダヤ人でありながら、どうしてサマリヤの女のわたしに、飲ませてくれとおっしゃるのですか」

だれひとり、話しかける者とていない、はみだし者。
汚らわしそうな顔をして身を避ける女たち。
ニヤニヤしながら、卑しい目つきで自分を眺める男たち。

孤独な心を抱えて生きていたサマリヤの女に、主はやさしく語りかけました。

(でも、この人は私の正体を知らない。
もし知ったなら、他の人同様、私のことを汚らわしそうな目で見て、
急いで身を浄めに行ってしまうに違いないわ・・・)

そう思った女の心を見透かすように、イエスさまはこう言われました。
「あなたの夫を呼びに行って、ここに連れてきなさい」

(ああ、万事休すだわ。私がどんな女か知ったら、この人だって・・・)

ところが、彼女が何も話していないのに、イエスさまは彼女の素性をピタリと言い当てたのです。

驚いた女は、話をはぐらかしたりしますが、イエスさまが「あなたの待っていた救い主は、実はこのわたしなのだよ」ということを明かしたとき、すべてがわかりました。

彼女はふだんは絶対に行かない町の中心に出ていって、「私のしたことを何もかも言い当てた人がいます。さあ、見に来てごらんなさい」と話して回りました。それはとりもなおさず、自分の恥を自らさらすことになったのに、です。

彼女のことばを聞いて出かけていった人たちは、イエスさまのお話を聞いて、神に立ち返りました。そして「この人こそまことに世の救い主であることがわかった」と彼女に告げたのです。

イエスさまは、彼女が何も言わないうちから、彼女の抱えている問題をすべてご存じでした。彼女の犯してきた罪深い生活も、何もかも知っていて、なお彼女に会いに行き、声をかけ、両手を広げて彼女を受け入れたのです。

イエスさまの愛を知ったとき、彼女は変わりました。

だれにも言えなかった自分の過去、触れて欲しくなかった痛み、苦しみ、悩みを、
自ら言い広められるまでになったのです。それは、その問題に終止符が打たれた証拠でした。

彼女は、こんな自分さえも受け入れ、ゆるし、愛してくれる絶対的な存在をずっと待ち望んでいたのです。

いま、あなたのそばに、イエスさまが座っておられます。
そして「水を飲ませてください」と、語りかけてくださっているのです。

はっぴは石井マレというゴスペルシンガーの「サマリヤの女」という歌が大好き。

「♪愛を求めていた
 裏切られて 人を憎んで
 生きる喜びも 忘れていた女だった」

はっぴは、本当にそういう生き方をしていた、サマリヤの女そっくりの人間でした。
人を傷つけ、自分自身もぼろぞうきんのようにズタズタになって、それでも愛を求めて、飢え渇いてさまよっていたのです。

今もこの曲を聴くたびに、涙があふれます。

イエスさまは言われました。
「この水を飲む者はだれでも、またかわくであろう。
 しかし、わたしが与える水を飲む者は、
 いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが与える水は、
 その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがるであろう」


はっぴの心には、今もとめどなくあふれるイエスさまの愛の泉があり、どんなときにも渇くことがありません。

「♪生ける水は あふれ流れ けしてかわかない
  サマリヤの女は 主の愛に満たされ 変えられた・・・・」

マレのCD「Love After All」は、潟買@ーンメディアというところから出ていたけど、今はどうしているのだろう。聴いたことのない人には、ゼッタイ聴いて欲しいんだけどな・・・。




Photo:Happy Islands
"Rocked Heart"
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