内部統制組織

internal control system

 狭義の解釈では,内部牽制組織内部監査の両者を含む概念である。しかし,内部統制が,適正な財務諸表を作成し,法規の遵守を図り,会社の資産を保全し,会社の事業活動を効率的に遂行するために,経営者が構築する組織や手続の総称と拡大して定義されるにつれ,内部統制組織は,これらの内部統制の目的を達成するための一つの手段となる。つまり,内部統制組織は,内部牽制の考え方を基礎として,組織と統制手続とが相互に一体となって機能する仕組みをいう。そして,内部監査も,通常,内部統制組織に含まれる。なお,統制手続とは,会社の業務を実施するにあたっての承認制度,業務相互間の照合手続き,他の統制手続が効果的かつ継続的に実施されているかを監視する手続等をいう。
→内部牽制組織,内部監査


成行原価

drifting cost

 見積原価基準原価ともいう。改善目標を含まない現状原価としての見積原価である。このような成行原価は技術者の見積原価であり,設計によって定期的にレビューが行われる。この定期的に行われるレビューをマイルストーン管理というが,このレビューにはデザイン・レビューコスト・レビューがある。すなわち,設計が目標どおり作り込まれたかどうかをレビューする側面と,原価が目標どおり作り込まれたかどうかをレビューする側面である。成行原価は製品単位当りだけでなく,機能別,費目別,部門別にも設定される。しかし設計を行う前であり,またサプライヤーの改善目標も加味される前のため,現状を反映した見積原価でしかない。したがって,技術者による積み上げであり,原価低減が行われる前の基準となる原価である。成行原価と許容原価との差額が原価低減すべき目標となる。その一部分は中・長期仮題となるが,残りの部分を原価企画で低減していく必要がある。
→許容原価


二段階配賦

two stage assignment

 伝統的な原価計算にせよ,ABCにせよ,製造間接費配賦は基本的に2段階に分けて行われるが,両者の配賦方法として3つの相違点がみられる。第一に,中間的原価計算対象が異なってくる。第二に,伝統的な原価計算の配賦基準は操業度関連のもののみが使用されるのに対して,ABCの場合は操業度とそれ以外の活動量関連の原価作用因が用いられる。第三に,ABCでは,補助部門費の配賦計算が行われない。
→製造間接費の配賦


能率

efficiency

 能率とは,投入量に対する産出高で表される関係をいう。一定のアウトプットに必要なインプットを小にすれば,それだけ能率が向上する。アウトプット一定のもとでインプットを小にするには,標準の活用が最適である。能率の向上も,管理会計では重要な課題である。管理会計では,能率を向上させるために標準原価計算が用いられる。
→効率