医師でも、声高にマスクは予防に意味がないとする意見があります。。 WHOは今回のFluには「暫定的に」マスク使用も認めています。 マスクが感染を低下しないというsutdyは困難なものです。 厳密な科学実験でなく、観察しかできないからです。 CDCで以下の論文があります。 ここでも、効果は否定されています。 しかし、絶対的に効果がないとは結論されていません。
論文ではオーストラリアで子供が発熱した母親に、サージカルマスクとP2マスク(N95に当たると思います。)を着用させ感染率を比べたのですが、効果はありませんでした。 これらがWHOの根拠になっていると思うのですが、論文でも着用率がきわめて悪く、効果がなかったのです。
これらから、一般的には素人にマスクを着用させても無駄と結論できます。
しかし、つっこみどころはたくさんあります。
1. 詳しい説明もせず、欧米素人にマスクを渡していること。
2. 欧米人はマスク着用の習慣が無く、すぐにはずすのではないか。
3. P2でもフィットテストを行わずに、使用したではないか。
4. 女性ではN95マスクは50%くらいしかフィットしないではないか。(男性は95%らしい)
アジアとの文化的違いも論文で触れられています。
マスクに効果がないというドクターは、結核やSARS診療時にマスクをしないのでしょうか?
私は以下の論文を読んでもマスクへの信頼は揺らぎません。
さらに個人的には、素人にマスクをしないことを推奨するのは無責任と考えます。
1.アングロサクソンはマスクを信用しない。
2.マスクの実験を行っても、実行するのは半分以下。
3.よって、良い結果が出ない。
4.良い結果がないからと、ますます信用しないという悪循環に陥る。
4.それを根拠に、日本でも声高に無用論を言うものが出てくる。
マスクなど、経済的にも社会的にもたいしたコストではありません。WHOが積極的に推奨していないことが、直ちに「全く無効で、しなくて良い」と結論するのは無謀です。
もちろん、貧乏開業医に反論できるほどの実験も根拠も示すことはできません。しかし、
きっちりとした着用と、使用法を指導すべきだと考えます。
結語
マスクはいい加減な付け方をしても意味はない。特に鼻にできる隙間は厳重に防ぎ、横もよく押さえて漏れないようにする。
西洋人はマスクが嫌いで、つける時間も短いので、実験しても効果がないという結論がでる。
これを根拠にマスクに反対する医師もいるが、信用するのは軽薄である。
Face Mask Use and Control of Respiratory Virus Transmission in Households
C. Raina MacIntyre, Simon Cauchemez, Dominic E. Dwyer, Holly Seale, Pamela Cheung, Gary Browne, Michael Fasher, James Wood, Zhanhai Gao, Robert Booy, and Neil Ferguson
Therefore, although we found that distributing masks during seasonal winter influenza outbreaks is an ineffective control measure characterized by low adherence, results indicate the potential efficacy of masks in contexts where a larger adherence may be expected, such as during a severe infl uenza pandemic or other emerging infection.
2009.5.20
http://www.oocities.org/kawaiclinic/
〒6050842 京都市東山区六波羅三盛町170
河合 医院
初級システムアドミニストレーター 河合 尚樹