2002年1月
1月1日
明けましておめでとうございます。
紅白の結果を確認した上で、除夜の鐘を聞きつつ初詣に。最初お参りしたところで予想以上に時間がかかったため1社+近間のお寺で早々に退散。帰宅後、速やかに就寝。
のんびりと起床後、お雑煮を食べるまでは定石通り。テレビも大して面白くなく、出るのも億劫だったので、仕方なく積読してあった、高階秀爾著『バロックの光と闇』(小学館、2001年)を読了。昨年、東京庭園美術館で開催されていたカラヴァッジョ展を見に行く前に呼んでおけばもう少しあの展覧会が楽しめたかも・・・と思いつつカタログをひっくり返してみたところ、意外と充実したカタログだったので随分と見入ってしまいました。
さて、高階氏の本も結構読んだのですが、どういうわけだか、彼の文体とは比較的相性がいいようです。無論、サブスタンシャルにも興味があることがベースにあるのでしょうが、言葉を選ばず言うと、何となく「性格の悪そう」な文体なので(本人についてどうこう言うつもりはありません)、ある程度突き放して読めるところがいいのかもしれません。
一日本を読んで疲れてしまったので、21時の記憶がないまま就寝していたようです。次に目覚めたときには3時を回っていました。何とも寂しい元旦だったかも知れませんが、いつも以上に充実していたのかも(-_-)。
(ちなみに、ここの壁紙は超有名?な絵をパソコンでいじくって作ったものです。ちょっと自信作(^^)。)
1月2日
珍しく早く起きることが出来たために、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで本日より開催されている『ウィーン分離派1898−1918』展へ。行く途中の109での長蛇の列に仰天しながらBunkamuraまで行くと東急本店前でまた人だかり。餅つきでもやっていたのでしょうか。
展覧会の方は何となくどよ〜んとした雰囲気でしたが、見応えは期待以上。正月早々、かなりの人混みに戸惑いながらも落ち着いてみることが出来ました。心地よい疲れの中、本屋へ直行。展覧会の「直接的な」影響から、上述高階氏が感銘を受けたと言われているパノフスキー夫妻著『パンドラの匣』(法政大学出版局、2001年)等3冊購入。早くも積読候補が増えました(^^;)。で、その後、ロフト渋谷店へ。スォッチとかゲスとかの時計が入った福袋が売られていて、とてもお得のような気もしましたが、腕時計をする人間でもないので素通り。今から思えば勿体ないことをしました(>_<)。
帰宅後、昨年来の課題であったサイモン・シン著『暗号解読』(新潮社、2001年)を読み終えました。量子力学が出てきたところは笑えるくらい理解できませんでした。頭も随分固くなっていることを嫌でも実感。『さんまのまんま』をみて一安心(?)。
1月3日
予想通り三日坊主。一日中、こたつにこもってぼさあっとしてしまいました。
で、とりあえず、海野弘・小倉正史著『現代美術』(新曜社、1988年)を見てみました。安直な装丁の割には、内容は予想以上に濃かったです。バックグラウンドが皆無の私にはやや読みづらかったのですが…。
1月4日
新年のお仕事が始まってしまいました。とはいえ、朝のホームはがらがら、昼の食堂もがらがら。当然、お部屋の中もがらがら(^^)でした。ま、そんな状態でも仕事があるところにはあったらしく、早速、「今日はいつ帰ることが出来るかわからない」とうきうきしながら語っていた人もいました。意味不明の文章(英語)をぽけ〜っと眺めながら、平穏無事に一日を過ごして、早々に帰宅。夕飯はちょっと食べ過ぎました。
さて、今日から坂崎乙郎著『エゴン・シーレ』(平凡社、2001年)を読み始めました。年表を見て、今の私の年齢の時にすでに他界していることを知り、ちょこっとショック。高杉晋作や坂本龍馬の場合もそうなのですが、「偉人」さん方の中身の濃い人生を垣間見ると、小生の半生の中身の薄さが際立ち、愕然とするばかりです。ふう。
1月5日
久しぶりに神保町をぶらぶら。新刊の本(2001年12月発売)が古本屋で2割引になっていたので衝動買い。お陰で財布がスッカラカンになったので、他の買い物を断念して帰宅。
『エゴン・シーレ』終了。著者の趣味が色濃く出ていてた文章だったおかげで、クールに読み終えることが出来ました。ただ、シーレを正面から受け止めるには私はまだまだ人生経験が足りないようです。
1月6日
朝のニュースを見て、久しぶりにタンパの地名を耳にしました。一昨年来、フロリダ州は何かと注目を集めます。
一方、『パンドラの匣』読了。訳文が混乱している部分が目に付き読みづらい日本語でしたが、勢いで読み切りました。勝手な思いこみかも知れませんが、少しはお利口さんになった気になっています。この記憶が多少は続くといいのですが・・・。
さて、今日で現実離れ?した生活は終了。明日からいよいよ新年本番です。くわばらくわばら???
1月7日
本格的に新年スタート。とはいえ、アフターファイブは新年会でへべれけに酔っぱらっています。新年会では、酒の席とは言え、衝撃的なとんでもない命令を受けてしまいました。明日、双方しらふになった状態で改めて指示を確認するつもりですが、事実だとするととんでもないことになりそうです。早くも波乱の幕開けか???
なお、本日より川俣正他編『セルフ・エデュケーション時代』(フィルムアート社、2001年)を読み始めましたが、もう前後不覚なのでダメです。
1月8日
波乱の一日。午前中は、前日の衝撃的な命令が粛々と執行されていったのですが、昼過ぎに大逆転。まだ予断は許しませんが、終わってみれば最高の結果に・・・。明日またひっくり返るかも・・・。
そんなこんなで何事も手に付かず無為な時を過ごしてしまいました。
1月9日
やるせない一日でした・・・。今日は以上。
1月10日
じっとしていると余計なことを考えてしまいそうなので、無意味に手を動かし、体を動かした一日でした。そろそろ腰を落ち着けないといかんなと頭ではわかっているのですが、どうもいけません。個人的には決して悪くない(むしろかなり好調な)一日だったのですが、自分だけ良くてもねえ・・・。
さて、そんなこんなで読書の方は全く進みません。別にそれが理由ということではないのですが、『地球の歩き方』を1冊購入してきました。どこか、はいずれご報告できればと思っています。今度の三連休は免許更新等々かなり多忙なはずです。来週に向けていい発射台になるようにしたいですね。
ちなみに、最近am/pmのお弁当にはまっています。暖め損ねたご飯の固まりも愛おしく感じるようになってしまっています。味覚の貧困を白状するようで情けないですが、費用対効果で考えればなかなかのものでは。でもやっぱり寂しさ倍増(>_<)。
1月11日
ふわついてしまったまま金曜日まで来てしまいました。反省(-_-)。全く落ち着かなくて・・・。しかし、本当に色々なことが起こりすぎた一週間でした。
『セルフ・エデュケーション時代』ようやく終了。斜め読みの割に時間がかかってしまいました。
1月12日
WAVEでCD(Love Psychedelic Orchestra他)購入。その後、即、表参道へ。
アニヴェルセルギャラリー(アニヴェルセル表参道B1F)で「愛のシンフォニー シャガールコレクション展」へ。新日曜美術館でも放映されていたシャガールの孫娘のインタビューが流されていました。愛を理解していない人間にはシャガールの作品は理解できないとシャガールから言われたというようなことを仰っていましたが、そうなると小生にはまだまだですね。ということで、良く理解できないまま回ってきました。わからないながらも、初めて見る珍しい作品(千夜一夜物語シリーズ)も並べられていて、侮れない展覧会でした。
何より嬉しかったことは、ギャラリー内が閑散としていて、自分の好きなペースで鑑賞することが出来たこと。こんなに落ち着ける空間が喧騒とした表参道のど真ん中にあるとは全く知りませんでした。難点があるとすると、このアニヴェルセル表参道が私にとってはちょっと敷居が高かったかな?、ということ。
シャガール展終了後、お散歩をしながらワタリウム美術館へ。バックミンスター・フラー展に行って来ました。まず入る前に建物自体のおもしろさにしばし目を奪われました。1,000円で5月の展覧会終了まで何度でも入場が可能、だそうです。展示スペースはやや狭いかなとは思いましたが、密着具合がまた良かったのかも知れません(???)。
展覧会のはしごで疲れてしまったので、スタバで休息。宇佐見斉編著『アヴァンギャルドの世紀』(京都大学学術出版会、2001年)を格好つけて(?)読みましたが1節読み終えるころには、なおいっそう疲れてしまいました。後は、機械的に必要なお買い物を処理して終了。帰宅後、腑抜けになってぼさっとしていたら日が替わっていました。
1月13日
免許更新に行くつもりだったのですが、起きたら昼下がり。あっさり諦め、来週再チャレンジすることにしました。
佐々木健一著『タイトルの魔力』(中公新書)を読み始めました。新書の割には中身が濃そうです。う〜ん。しかし、多少は本業に関係のある本を読んだ方がいいのかも・・・。
1月14日
成人式。私にとっては随分昔のことになってしまいましたが・・・。
外は朗らかな陽気だったようですが、体調もすぐれず一日家の中で過ごしました。
1月15日
半月後&1ヶ月半後の休日出勤(???)決定(苦笑)。
穏やかな陽気に誘われて相変わらずぽんよりしています。いけませんねえ。1日休みが長かったこともあって頭の中が滅茶苦茶です。
妙に疲れたので、カステラを食べながら、シャガール展のカタログでほっと一息(になりませんでした(^^;))。
1月16日
正体不明になるほどまた飲んでしまいました。料理が出てくるまでに時間がかかったため、腹にたまるものが出てきた頃にはぐでんぐでんになっていました。お陰で帰宅後はテレビのリモコンを握りしめたまま寝てしまったようです。情けない。
1月17日
朝から雰囲気が悪く、何となく低調な一日。気が重くなってしまいました。
『タイトルの魔力』終了。最終章はなかった方が良かったかも、という気はしましたが、本としてまとめたものにするために仕方がなかったのでしょうか。また、この本の副題「作品・人名・商品のなまえ学」というのが本当に適切なタイトルといえるのかどうなのかは疑問なしとはしませんが・・・。ま、中に示されている考え方に沿えば有りなんですかねえ。
ちなみに『アヴァンギャルドの世紀』も読み終えています。
明日はTRICK2があるので早く帰ろうかなあ・・・あっ、新年会か(>_<)。
1月18日
新年会(今更…)。特にあれることなく終わりましたが、下ネタのみで盛り上がった人と仕事ネタのみで盛り上がった人とに真っ二つに分かれていました。この集団、この先大丈夫かしらん?
1月19日
無為に過ごしてしまいました。
1月20日
免許更新に行って来ました。それだけだとあんまりなので、リニューアルオープンした東京国立近代美術館へ足をのばしてみました。モダンアート、コンテンポラリーアートを所蔵する美術館の典型とも言える内装。リニューアル記念に20世紀美術の流れを4フロアにわたって展示してありました。我が国の芸術家の手による作品が展示作品の殆どを占めていましたが、所々、明らかに影響を受けたと思われる西洋の画家とともに日本人の作品並べられており、啓蒙的な配慮がなされた期待以上にいい展覧会だったと思います。3月から予定されているというカンディンスキー展も楽しみです。
今日は、東浩紀著『動物化するポストモダン』(講談社現代新書、2001)を読みました。オタク系文化を通して現代を考えてみようという試み。ここで展開されている議論は固い頭にはそのままでは受け止めることが難しいところもありましたが、知的刺激をかき立てられるとても読みやすい文章でした。ちなみに、著者の東氏は私が某K塾に通っていた頃、クラスの「チューター」を勤めておられました。あれからもう10年以上経っているんですね…。時が経つのが年々早くなっていきます。
1月21日
週の始まり。
職場のパソコンがいきなり壊れて(ワードが開けなくなりました。皆さんも気をつけてください(どうやって??)。)サポートデスクに連絡し診てもらいました。色々と端末をいじくったあげく(含オフィス再インストール)どうにもならなかったらしく、「こんな症状は初めてです♪。ちょっと時間をかけて調べさせてもらっていいですか?」と半ば嬉しそうに言われてしまいました。あんなにきらきらした目で言われると断れるわけもなく、「はあ」とこたえるのがやっとでした。
と、いうことで今日もまた中身の薄い一日でした。毎日何やってんだか。自分自身に腹立たしささえ覚えます。
1月22日
年度末までの予定が決まってしまったようです。結構多忙そうです。ま、忙しい方が精神衛生上私にとっては良さそうです。ただ忙しさにも質の違いがありますから、冷静に見極めないといけないかも知れませんが・・・。
しかし、今年の2月の3連休はどこにも行けそうにありません(T_T)。寂しいよお。
1月23日
久しぶりに夜遅くまで職場にいてしまいました。必要もないのに長居をするのは大嫌い(自分自身に対してゆるせなくなります)なので今日はかなり不愉快です。ま、仕事だから仕方がないんですけど。
1月24日
週の終わりも見えてきたのですが、どうもサッパリしません。今日は踏んだり蹴ったりだったかも知れません。思わず朝っぱらから切れてしまいましたし。もう少し大人にならなくちゃ。
反省しきりの一日でした。
読書も全く進まず、マルセル・デュシャンの魔術?に完全に囚われてしまっています。
1月25日
やり残したことが多く実りの少ない一週間でした。手抜きをしてしまったからかも知れません。残念。
1月26日
色々と身支度を整えないといけないのですが、どうも体が思うように動きませんでした。結局、ビデオ・DVD漬けの一日になりました。しかも、朝うどん、昼ラーメン、夜うどん&カレーライスとかなり不健康な食生活。いけません。
1月27日
ティエリー・ド・デューヴ著『マルセル・デュシャン 絵画唯名論をめぐって』(法政大学出版局、2001)を漸く読了。頭がくらくらしています。理解能力の欠如に地団駄を踏んでます。
今日の新日曜美術館ではクリムトとシーレの特集。シーレの凄みの方が際立っていたように思われましたが、やや健康的にシーレに触れていたので物足りなさも感じました。
1月28日
超多忙な一日。が、アウトプット・アウトカムともに殆どありませんでした。
朝は電話番、昼はワープロ打ち、夜はコピー取り、そして帰宅するときには荷物運び。振り返ってみると寂しいものです。
今日から中邨章編著『新版 官僚制と日本の政治』(北樹出版、2001年)を読み始めました。全部を読み終えているわけではないのですが、看板だけ新しくなっていて中身はどうなのかなあ、と言うのが第一印象。行政各論に触れている部分は、一つの試論としては、まあ興味を持てたのですが、政治と行政とか、地方の話とかはどこぞ、で目にしたり耳にしたりしたことばかりなのですからねえ…。特に初っ端があまりにジャーナリスティックなので当惑させられました。これさえなければもう少し真剣に読んでみようという気になったのかも知れません。はっきり言ってお薦めできない本です。行政学が何も生み出さない学問だとは思いたくないのですが、これでは…。残念です。
なお、明日から土曜日まで遠出をしてきます。
1月29日
午後、北京へ到着。きわめて順調なフライトでした。到着後、予想以上の暖かさに拍子抜け。北京市民もびっくりするほど今年は暖冬だったようです。とはいえ、池は氷で一面覆われていました。町中へ出てまたびっくり。昨年の1月に訪れたときは結構見かけた自転車通勤姿が激減。マイカーブームが起きていることを目の当たりにしました。フォルクスワーゲンのサンタナとかいうやつが沢山転がっていましたが、性能についてはドイツ製?という感じだそうです。ばかでかい建物も次々に建てられており、色々な思いはあるものの勢いを認めざるを得ませんでした。
夜は夜上海(別に怪しい店ではありません)というレストランでお食事。満腹、です。といいつつ、前門近くの小龍包は食べにいきました。(胃薬服用)
1月30日
人気店だという北京ダックの店(鴨王?)で昼食。北京ダックが出てきた頃にはすでに満腹でした。しかし、北京の建物はどこも暖房を効かせすぎです。頭がくらくらします。夕刻、中関村を車内から眺めながら頤和園へ。二度目ですが、まあいいものです。園内でお茶を飲みましたが、ウエイトレスの女の子の仕草・声が妙にあどけなかったです。夜の便で四川省成都へ。到着は若干遅れました。中国の国内線もそんなに悪くないかもしれません。ただ、何であんなに人が乗っているのか理解不能でした。まあ十数億人いれば仕方ないか・・・。
夜の成都では特にすることもなくホテル(四川賓館)へ直行。旧正月前ということもあり色々と飾ってあったので華やいで見えました(大学までネオンでライトアップされていました)が、よく見ると、建設途中で放り出したビルがいくつもあり、中国も万事OKというわけではないんだなと実感。
1月31日
成都で一日を過ごしました。成都晴れの一日だったそうですが、茶色っぽい雲に覆われていてちょっと気が滅入りました。
昼飯は、麻婆豆腐発祥の店という陳麻婆豆腐店で本場四川料理に挑戦。麻婆豆腐の他に牛肉の水煮(ただし、相当辛い)等をいただきました。「麻」という辛さを体感。人間の舌もおもしろいもので、限界を超えると辛さも冷たく感じるようになると言うことを初めて知りました。おみやげにここの店の麻婆豆腐の素を購入。でも一体誰が作るのでしょうか???
夕刻、武候祠へ。諸葛亮を祀ったお堂と、劉備のお墓があるところです。三国志マニアの方にはたまらない場所だと思いますが、私はそれほどでもなかったので単なるお上りさんになって終わりました。
夕食も四川料理。本場の坦々麺は汁がないものでしたが、すごくおいしかったです。もっと沢山食べたかったのですが。