2002年2月



2月1日
 超早起きして、朝上海へ移動。成都空港はすごい霧でしたが、何事もなかったかのように離陸。
 上海はあまりに近代的な都市で、驚く余裕さえありませんでした。でも、そこは中国。洗濯物とアヒルが一緒に道路に干してあったり、交通ルールはもちろん守らなかったりと「ほほえましい」一面も垣間見ることができました。
 昼飯は久しぶりの日本食。まあ、・・・こんなものでしょう。夕刻、アジアで最も高いタワーである東方明珠テレビ塔へ。浦東の開発状況とお台場の状況とをつい比べてしまいました。(もっともお台場も最近はものすごいと思います。十分誇れるものを持っていると思いますが、いかんせん交通の便が・・・)
 雑踏の中をぶらついていたら子犬が段ボールに入って販売中。たぶん食べられちゃうんでしょう。私は食べたくないですが。道ばたではお兄ちゃんがなぜか千と千尋のDVDを誇らしげに売っていました。私の記憶ではまだ日本でも販売されていないはずなのに。
 夜は、福記(Good Luck)という店でいろんな中華料理。小泉総理も喜んで食したという上海蟹も何とか間に合い食べることができました。あごがやや疲れましたが。
 食後、外灘(上海バンド))近辺から人民公園までぶらぶら。列強に蹂躙された時代の名残を眺め、振り返ると後ろには、浦東のフィナンシャルセンター。中国はやっぱりすごい国です。地下鉄も、とても快適。楽しい一日でした。眠いですが。

2月2日
 無理に早起きしてバンドへ。地元の人(多分)が太極拳をやっていました。ただ、刀(無論ニセもんでしょう)を振り回すのはやっぱり危ないので、人通りがあるところでは止めた方がいいのでは・・・。
 土曜日なのにみんな勤勉で7時台には地下鉄がラッシュ状態。お茶屋さんも9時前には回転していたのでお土産も買うことが出来ました。
 ブランチとして飲茶。香港スタイルはやったことがあったのですが、上海スタイルは初めて。ビーフンも久しぶりに頂きました。
 空港へ行くまでの空き時間に豫園の内外をうろうろ。旧暦で言うと年末が近いらしく、皆さんお祭り気分でした。私もその雰囲気にどっぷり浸かり普段のことなぞどうでも良くなってはしゃいでしまいました。本当にわずかばかりですが開放的な気分を味わいました。
 以上、今週は本場中華を食べ尽くし続けました。
 ということで、へとへとなので今日は早めに寝ます。

2月3日
 ここの壁紙、1月より個人的には好きです。元の絵が何かと言うことが僅かではありますがわかりますし。
 1週間寝不足だったので、今朝は全く起きあがることが出来ませんでした。こんなに深い眠りについたのは久しぶりだったかも。
 お昼過ぎに活動し始め明後日に向けて準備を始めました。久しぶりの東京は雨が降っているせいか普段より人が少なかったような印象。勢いのある中国を見てしまったためかもしれません。
 色々と本(なぜかベトナム関連の書籍多数)を買い込んできましたが、いつ読むことやら。今週は、読書する時間は結構もてそうな気もしますが、その時間の余裕が有れば他のことに興じてしまうかも知れません。

2月4日
 久しぶりに出勤。かなりの違和感有り。朝一番で鳴った電話をとると今晩の飲み会のお誘い。嫌々ながら参加しつつも結構楽しんでしまいました。
 結局、十分に社会復帰できないまま一日が終了。明日からまたしばらく遠出し、現実逃避的な生活を送ってくるものと思われます。

2月5日
 NRT→CGK。7時間半の空の旅。機内は幸い空いていたので多少はのびのびできましたが、フィリピン上空あたりで限界に来てしまい、その後は大変でした。映画もこの前みたやつばかりなので飽きてしまい、かといって本を読む気にもなれず、ただイライラしながら到着を待ちました。着陸直前水浸しの大地をみて、週末にあったという洪水のことが頭をよぎりました。確かに洪水の影響はあったのですが、私が目にしたのはエビの養殖場だったとのこと。水田をつぶしてエビを日本向けに作っているようです。ちょっと複雑。ジャカルタの想像以上の蒸し暑さに、暑いと感じるより先に汗がだくだく出てきてしまいました。
 インドネシアルピアは数字が大きすぎるので金銭感覚がなくなりそうです。10万Rp札は一部透明になっていて、オモチャとしか思えません。
 市内までの移動がまた大変。まずはスコール。現地在住の方は、先週洪水が起こったことを考えればまともな方だ、と仰っていましたが、素人には刺激が強すぎました。そして、交通整理をやって金をせびるお兄ちゃんがウロチョロしていたことにびっくりしていたら、そんなことではここでは生きていけない、と厳しく言われてしまいました。住みたいとはちっとも思いませんでしたが、何でこんな所に日本人が沢山いるのだろうと素朴な疑問を抱きました。
 夕飯は、五つ星のホテルの中にあるブンガワンソロへ。怪しげな肉だとか野菜とかが脂っこく炒めてありました。コーヒーはおいしくなかったのですが、料理は旨いんだか旨くないんだかよくわかりません。多分、味は濃かったと思います。味覚がおかしくなっているのかも・・・。いずれにせよ、水を飲むなときつく言われていたので、のどが渇いて仕方がありませんでした。
 今日は疲れたので早めに寝ます。

2月6日
 早起きしてムルデカ広場へ。後で聞いたのですが、夜は○性愛者のメッカだそうです。朝は軍隊が行進訓練?をしていました。独立記念塔を眺めた頃には汗だくになってきたため、慌ててホテルへ戻りました。
 昼間は市内をぐるぐる。本当に目が回りました。すぐトラフィックジャムにつかまり身動きがとれなくなってしまいましたが、運転手さんが気合いで突き進んでくれたため、そこそこの時間であがることができました。
 昼食はボロブドゥールにあるレストラン。カフェみたいな気軽なところだったのですが、そこで食べたオックステールスープ(日本だと怖くて食べられそうにありません。)とかき氷(!)に挑戦。渡航前、さんざん脅かされていたので、かき氷は正直言って怖かったのですが、とてもおいしかったです。(但し、同行者の一人が翌朝お腹を壊したそうです。)
 夕飯は中華。生きたエビを酒蒸しにしたものは単純な味でしたが素直に満足。食べやすい中華だったこともあり、食べ過ぎました。先週・今週と食ってばかりいるので、かなり太ってしまいました・・・。最後にハードロックカフェに行って終了。ま、きわめて健全に過ごしました。

2月7日
 朝一番でSarinahデパートでおみやげを探しました。ろくなものがなかったので、怪しげな人形等自分用のおみやげのみ購入。時間もなくあわただしかったのが残念です。やむを得ませんが。
 お昼にCGK→UPG(なんで???)。2時間ちょっとの空の旅はあまりに快適で爆睡。機内食のカレーは食べる気が起こりませんでした。
 ホテルにチェックインした後、しばらく時間があったので徒歩でロッテルダム要塞へ。輪タクのお兄ちゃんがずっと追いかけてきてうざかったです。しかしものすごく治安が悪そうな所でした。かつては海賊だった人たちの末裔らしいので怒りを買わないうちにそそくさとホテルへ戻りました。ホテルは海沿いで見晴らしが良いはずの所なのですが、海の水が汚くがっかり。そんなところでも少年たちは海水浴を楽しんでいました。
 夕飯はSurya(中華料理の店らしい。)でシーフード三昧。蟹・エビ・白身魚と今日も食べ過ぎました。あんなに立派なエビをみるのは本当に久しぶりでした。

2月8日
 午前中、なぜか現地のテレビ(地域限定。)に映ってしまいました。迂闊にも緊張してしまいました。
 昼下がりに、ベンテン・ウジュン・パンダン=ロッテルダム要塞に再度訪問。機能は既にしまっていた博物館で少々楽しみました。
 夕刻、UPG→CGK→NRTとなる予定でしたが、UPGで小型飛行機が滑走路上でひっくり返ったらしく、それを引きずり出すまでの間、5時間にわたり待ちぼうけ。おかげでジャカルタ市内で楽しむ予定だったタイすきを食べ損ねました。この待ち時間に一冊(神原正明著『解読・現代の美術』(勁草書房、2002))読了。
 けがの功名か、CGKでの待ち時間は一時間強で住みましたが、搭乗後、もたもたしていてなかなか飛び立ってくれず(その他の理由もあり)苛立ってしまいました。機内では殆ど眠ることも出来ぬまま成田へ到着。

2月9日
 早朝、NRTに到着。ジャカルタからの帰りと言うこともあり結構寒く感じました。帰宅後、歯を食いしばって用件を済ませに町中に出ましたが、途中で雪に見舞われるたり、眠くて寝過ごしたりと、さんざんでした。大きな問題を起こす前に早々に退却。テレビを見ながら横になっていたらいつの間にか寝てしまっていました。寂しい・・・。

2月10日
 昨日、無理した反動で一日やる気が起こらないまま終了。勿体ないことをしました。地球の歩き方を丹念に読みふけったことくらいでしょうか、今日やったことと言えば。

2月11日
 小倉貞男著『物語ベトナムの歴史』(中公新書、1997)。国民的英雄の物語を集めた本だけにどうしても血生臭い内容。第2次世界大戦後は余り詳しくなかったので他の本で補充する必要があります。ま、まだひと月ちょっとありますから。
 ちょっと時間の余裕が出来たので東京都現代美術館で開催中の「森万里子 ピュアランド展」へ。正直言ってよくわかりませんでした。いや、単に肌に合わなかっただけかも知れません。ドリームテンプルの予約には若干の余裕があったのですが、かなりの待ち時間が必要だったこともあり断念。

2月12日
 久しぶりの社会生活になれるまでなかなか大変でした。あらゆる所から串刺しになったり、一日中ばたばたして無為に時間を過ごしてしまい、反省しきり。

2月13日
 朝から若干不愉快なスタートを切りましたが、時間が経つにつれて益々運勢悪化。多忙さは昨日以上。頭の中が真っ白になりながら、八つ裂きにされてしまいました。なんで? 最後には不条理に逆切れされて終了。なんか納得できない一日でした。
 こんな日は大人しくするのが一番ですね。

2月14日
 何にもない一日。2時間コースの会議にはぼさあと座っているだけ。「お食事会」のセットに躍起になっている上司の姿を見て、何故か安心。
 よくわからないまま打ち上げ(ちなみに私には全く関係がない)に参加。飲み過ぎて声が出なくなりました。

2月15日
 今日もまた、やたらと長い会議に参加。昨日の不摂生もあり今日はのどがガラガラになりました。しかし、目的が達成することが出来ないまま一日終了。
 夜は気兼ねなく飲める会合。懐かしい顔も沢山見て二日連続飲み過ぎ。そんな中、坪井善明著『ヴェトナム』(岩波新書、1994年)読了。これは読みやすかったです。

2月16日
 お金を下ろしに街に出ました。しかし、下ろした以上に衝動買いしてしまい、結局何のために外出したのかわからなくなってしまいました。また出直しです。
 2週間の不摂生が祟ったこともあり、かなり太り気味である一方、恒常的な腹部膨満感に苦しんでいます。規則正しい生活をしなくては、と思うのですが、意志の弱さのためなかなか実現できません。

2月17日
 ブッシュ大統領来日。とりあえず直接の被害はなさそうです。
 静かに一日を過ごす中で、冨田健次著『ベトナム語はじめの一歩まえ』(DHC、2001年)及び松岡完著『ベトナム戦争』(中公新書、2001年)を読了。徐々にベトナムに詳しくなってきました。後は、言葉が出来るといいんですけどね。

2月18日
 ベトナム語の勉強?をはじめました(つもり)。が、いきなり挫折しかかっています。
 今日は、概して低調な一日。ろくなアウトプットもないまま漫然と一日を過ごしてしまいました。時間が勿体なかったかも、と今頃反省しても時遅し。わかっちゃいるけど・・・。
 あ、そういえば、今日はB大統領来日の余波を相当間接的ではありますが、何度か受けました。

2月19日
 疲れ果てた割にプラスがありませんでした。普段のぐうたらがたたって、回復の兆しが見えません。どうも心残りなことが累積していきます。ふう。最後は変な話を押しつけられそうになり、這々の体で逃げてきました。

2月20日
 総じて不愉快な日中を過ごした後、19時頃から1時間1本勝負の予定で居酒屋へ。そのはずだったのに気が付いたら2時過ぎ。あわてて帰り気づく間もなく布団で倒れていたようです。

2月21日
 二日酔いで普段以上に使い物にならず。頭に5寸釘が刺さったような感じが一日続きました。仕事にならないので、ここ1ヶ月の仕事をまとめてみました。
 幸い比較的落ち着いた一日だったので、坪井善明著『ヴェトナム現代政治』(東京大学出版会、2002年)を読了。歴史的背景・最近の動向がわかりやすくまとまっていていい勉強になりました。
 夕刻、ダメ元で頼んでおいた資料が届いてびっくり。しかし、内容を確認する気力も起こらず明日に仕事を全て回して帰宅。まだ眉間辺りが痛みます。

2月22日
 今日も静かな一日。午前中はあんまり面白くない会議で爆睡。午後は機械的な作業を少々。体がなまってしまうかと不安になるくらいの週後半終了。来週は忙しくなりそうです。

2月23日
 横浜美術館で開催中の『チャルトリスキ・コレクション展』へ。人が多すぎて途中でやる気をなくしました。展示品そのものよりも、このコレクションの辿った数奇な運命の方が興味深かったです。・・・と、思い起こせば横浜へ行くのはン年ぶり。明確な記憶があるのは駿台SECC館に行っていた頃ですから、もしかしたら11年ぶり???
 帰りがてら『プラド美術館展』(@国立西洋美術館、3月5日〜6月16日)の前売り券を購入。どれだけのものを持ってきてくれるか楽しみです。
 本日は、白石昌也著『ベトナムの国家機構』(明石書店、2000年)読了。私が思っていた以上に変化のあり、政治的にも多様性がある国だということを改めて確認。ドイモイ以降のベトナムのように大胆な制度変更が出来るのは一党制だからなのでしょうか。それとも柔軟な政府だからなのでしょうか。

2月24日
 石川滋・原洋之介編著『ヴィエトナムの市場経済化』(東洋経済新報社、1999年)読了。困難を極めている経済だと思いますが、それだけに将来性に期待したいです。いよいよ残り一ヶ月。わくわく。

2月25日
 波瀾万丈な一日。かなり慌ててしまいました。しかし、今日になって言われても困ります。もっと困っている人はいるとは思うので・・・我慢します。
 さて、この数ヶ月の間で随分と色々なもの・人を見てきました。はっきりって漫然と時を過ごして来てしまったという悔いは残っているのですが、相当いい経験をさせていただいていると思います。振り返れば、昨夏以来、本当に恵まれていると言えます。(←久しぶりに殊勝!)
 明日は今日以上に大変でしょうが、せいぜい頑張ります。

2月26日
 なんとも災難な一日? 悪いところは自分でもわかるだけに辛いものがあります。ただ、ひたすら参りました(^_^;)。結局、ろくに他のことが手につかず一日終了。まだまだ甘ちゃんですな。またまた反省。
 ブルーになりながらも明日からはまた遠出しなければなりません。健康一番でアタックしてきます。

2月27日
 NRT→KUL。機内にはかなり余裕があったので楽でしたが、やはり7時間は長かったです。到着後市内へ。こぢんまりとしていますが、想像以上にとても綺麗な街です。夜は日がかわってもどんちゃん騒ぎ。オープンカフェ、ディスコと夜の街はいつまでも賑やかでした。ホテルも必要以上にいい部屋でもてあましてしまいました。

2月28日
 久しぶりに懐かしい方にお会いしてちょっと上機嫌の中、KL市内をぶらぶら。ちょっと遅い昼飯は屋台でナシゴレン。かなり不衛生な感じでしたが、想像以上に満腹。その後、近くに見えたKLタワーを目指し歩いていったのが大失敗。炎天下でかなり急な坂を上り、タワーに到着した頃には汗だく。ただ、上で見たKLは緑豊富な素敵な街でした。タワーの山を下りてムルデカスクエア・マスジットジャメへ。モスクと言うところにはいるのは、この年になって恥ずかしながら初めてだったのですが、静謐な雰囲気の中、人々が思い思いのお祈り(含む昼寝)を「楽しんで」いました。
 夜もマレー料理をちょっとおしゃれなところで楽しみ、腹ごなしに散歩。世界最高のビルの足下KLCCでウインドーショッピング。特に目的がなかったのですが、図らずもFamous Amosのお店があり、大喜びしてクッキーを大量に衝動買い。満足してホテルへ。総じていい一日でした。