文部省宇宙科学研究所のX線天文衛星「ASTRO(アストロ)E」が十日午前、鹿児島宇宙空間観測所(鹿児島県内之浦町)から、M5ロケット4号機で打ち上げられた。平成五年に打ち上げられた「あすか」に続く国内五基目のX線天文衛星で、三月から観測を始める予定。X線望遠鏡を搭載し、ブラックホールの構造など宇宙のなぞの解明を目指す。
M5・4号機は打ち上げ約一分十五秒後に一段目ロケット、約三分三十秒後には二段目ロケットをそれぞれ切り離した。約五分二十秒後には近地点約二百五十キロ、遠地点約五百五十キロのだ円軌道に入り、約二十三分四十秒後に衛星を分離。アストロEは正午すぎ、一回目のだ円軌道を周回し、軌道に乗った段階で、一月に公募した中から選ばれた愛称が発表される。その後、衛星自体の推進装置で近地点を引き上げ、十三日ごろ、高度約五百五十キロのほぼ円形の軌道に移る予定。
アストロEは重量千六百八十キロ、全長六・五メートルで、宇宙研では最大の衛星。軌道上で太陽電池を広げると、全幅5.4メートルになる。銀河団周辺のガスや、ブラックホールに吸い込まれる物質などから放出されるX線を観測し、その組成や温度、運動などを、従来にない精度で調べる。
M5・4号機の打ち上げは当初八日の予定だったが、天候不良と配線不良のため、二日間延期された。
(産経新聞・2000年2月10日付夕刊1面)
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